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きょうのコラム「時鐘」 2010年4月13日
世界最高レベルにあることを「ノーベル賞クラス」と例える。数学や建築土木工学部門のノーベル賞はないから、時にはそれ以上を意味する
数学の「フィールズ賞」や建築の「プリツカー賞」がそれだ。フィールズ賞の歴代日本人受賞は3人。プリツカー賞は、先日受賞した金沢21世紀美術館の設計者、妹島和世・西沢立衛氏のほか丹下健三氏ら3人しかいなかったことからも、賞の重さが分かる 先日、関西電力の黒部川第四発電所が、電気電子技術部門の歴史的偉業をたたえるマイルストーン賞(本部・米国)を受けた。産業界の「道標」とされる賞であり、黒四ダムが世界史に刻まれたことを意味する ノーベル賞かそれ以上の価値が身近にあった。名誉なことだが、外国の機関から指摘されるまで値打ちに気づかなかったり、あるいは、黒部の電源開発を志した高峰譲吉博士ら先人の苦労が、今日脚光を浴びるまで埋もれたままでなかったのか。複雑な思いがしないでもない ふるさとの遺産に磨きをかける地元の役割の大きさを考えると、北陸にはまだまだ埋もれたままの遺産があるように思う。 |