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井上ひさしさん、75歳肺がんで死去

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 「吉里吉里人」「ひょっこりひょうたん島」など笑いと社会批評を織り交ぜた戯曲や小説、エッセーを発表し、平和運動に取り組んだ劇作家で作家の井上ひさし(いのうえ・ひさし)さん(本名・廈=ひさし)が9日午後10時22分、肺がんのため神奈川県鎌倉市の自宅で死去した。75歳。葬儀は近親者のみで行う。喪主は妻ユリさん。脚本執筆が遅く「遅筆堂」と呼ばれて初日延期はしばしばあり、前妻西舘好子さんとの離婚も話題となった。

 この日朝、都内で会見した井上さんの三女で劇団こまつ座社長の井上麻矢さん(42)によると、井上さんは9日朝に神奈川県内の病院から鎌倉の自宅に戻った。麻矢さんは「体調も落ち着いていたので、のんびりとできるかなと思っていた」が、夕方に容体が急変。妻ユリさん(56)大学生1年の長男(18)麻矢さんの3人にみとられて息を引き取った。麻矢さんは「自宅に戻って安心したのか、うとうとしているような感じで、眠るような最期でした」。井上さんの遺志で葬儀は近親者のみで行うが、亡くなった事実も密葬後に公にする予定だったという。

 井上さんは昨年10月、最後の戯曲となった「組曲虐殺」を完成させた直後に体調が悪くなり、肺がんと診断された。11月から抗がん剤治療を受け、12月に見舞った関係者に呼吸するのもつらそうで「きついね」とこぼしていた。治療が一段落すると自宅に戻って在宅看護を受けるなど入退院を繰り返した。体力の消耗が激しくなった今年3月半ばに再び入院していた。

 麻矢さんは「作品を読んでいただくことと、劇場に足を運んでいただくことが一番の幸せだと言って旅立ちました。父は働き者で、親子という間柄を超えて尊敬できる人でした」と悲しみをこらえて語った。井上さんは「組曲虐殺」の舞台に満足し「『組曲虐殺』を書けたからいいんだよ」と話す一方で、病床で沖縄戦を描く次回作「木の上の軍隊」執筆に意欲を見せていた。20年来集めた膨大な資料を読みながらプロット(あらすじ)も作っていた。また、広島の被爆者を描いた「父と暮らせば」の続編として「今度は長崎を書きたい」とも話したという。

 井上作品だけを上演した「こまつ座」の活動は継続し、巡演中の「シャンハイムーン」や今後上演される「ムサシ」「黙阿弥オペラ」などの井上作品は追悼公演と銘打つ。麻矢さんは「井上芝居を継続して上演するように言いつかっています。こまつ座はその遺志を受け継ぎ、活動を続けます」。出身地の山形県川西町にある蔵書を寄贈した遅筆堂文庫、中学・高校時代を過ごした仙台市の仙台文学館、井上さん作「夢の裂け目」を上演中の新国立劇場に記帳台を置くという。

 この日夜、鎌倉市の自宅で密葬による通夜が営まれた。自宅門に葬儀は近親者のみで行い、香典や弔花は辞退するとの告知文が張られ、参列者は親族を含め約20人とひっそりとしていた。祭壇には著書や舞台ポスターが置かれていたという。

 [2010年4月12日9時50分 紙面から]


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井上ひさし

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