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「カチンの森事件」歴史的和解の兆し ポーランド兵大量虐殺 (1/3ページ)
ソ連が2万人以上のポーランド人捕虜を虐殺した「カチンの森事件」から70年となる今年、後継国ロシアとポーランドの間で歴史的和解に向かう動きが出ている。ロシアのプーチン首相はポーランドのトゥスク首相を7日の追悼式典に招き、「スターリンの犯罪」に言及する見通しだ。しかし、事件の全容は今もって解明されておらず、当時のことを聞き知る現場周辺の住民も、過去を封印するかのように口を閉ざしていた。(ロシア西部スモレンスク州グネズドボ村 佐藤貴生)
死の穴
ベラルーシとの国境にほど近いスモレンスク市街から約20キロ。カチンの森は周囲に人家もない街道沿いにあった。森の外れに追悼記念館ができたのは2000年で、4400人以上が眠るポーランド兵の墓地には1人ひとりの名前や生年月日などが刻まれたプレートが延々と並び、赤くさび付いていた。
記念館のガリーナ・アンドリエンコワ副館長(50)は、「主に3つの収容所に入れられた捕虜たちはほぼ同時期に銃殺された。内務人民委員部(NKVD)は遺体を埋める大きな穴を前もって用意し、周到に計画していた」と話す。