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◆阪神7―3ヤクルト(11日・甲子園)開幕から右肩痛に苦しむ金本が、思わぬ形で「ミスター超え」を達成した。初回2死二塁、左翼ポール際へ放った飛球が二塁打とジャッジされたが、責任審判員がビデオ判定を採用し、ポールを直撃したことを確認。長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督(74=報知新聞社客員)を超え、歴代13位の通算445本塁打となった。7回にも2点適時打を放ち、2安打4打点。チームも5割に復帰し、13日からの巨人戦を前に最高の“景気づけ”となった。
左翼ポール付近の虎ファンが、腕をグルグル回して抗議し始めた。一塁ベンチを飛び出した真弓監督が名幸球審に詰め寄った。初回2死二塁。左翼ポール際へ放った金本の飛球をめぐり、球場全体が騒然となった。
一度はインプレーとなり、二塁ベースでとどまっていた金本も、笑いながら右人さし指をクルクルと回して、ホームランをアピール。約3分後、責任審判の真鍋三塁塁審が「ビデオ判定に入ります!」とアナウンス。甲子園で初めてとなる決定にスタンドが沸いたが、塁上のアニキは内心、アーチであると確信していた。
「ヤクルトの選手の雰囲気が、ホームランだという顔をしていた」。グラウンドに出てきた真鍋塁審が右腕を回したのを確認すると、少し照れ笑いしながら残り半周を走った。「監督がああやって抗議してくれて、覆ってよかった」と笑った。
予想外のビデオ判定となったが、6日の巨人戦(甲子園)以来、5試合ぶりの一発は、あのミスターを超える通算445本塁打。歴代単独で13位となった。「長嶋さんを抜いたのはホームランだけで、それ以外はとても追いつけるような人ではない」と必死に謙そんしたが、グラウンドでは別人のように大暴れ。2点リードの7回2死満塁でも右前へ2点適時打を放ち、2安打4打点。チームを連勝に導き、勝率も5割に復帰した。
13日からは敵地・東京ドームでの巨人3連戦。「打って、打って、打ちまくってピッチャーを助けるようにしたい」。強力打線の中核を担う主砲が力強く締めくくった。
(2010年4月12日10時32分 スポーツ報知)