2010年04月09日
トヨタ・バッシング(5)
昨日の産経新聞によると、「今月、米ワシントンで開催される核安全保障サミットの際での日米首脳会談が見送られた。鳩山首相は普天間基地移設問題を協議する予定であったが、米側の拒否にあった。米側は、普天間基地移設問題で迷走を続ける日本政府に対して、日米首脳会談拒否という露骨な形で不信感を示した」とある。米大統領は、サミット期間中(日本を除く)9カ国との首脳会談を予定しているのであるが、日米首脳会談はこれを拒否したのである。これも日本バッシングの一つといっても過言ではない。米国もおとなげないが、この際、日本も同じくおとなげなく振舞ってみたらどうか。核安全保障サミットにおける日本の役割や分担が如何なるものかよく分らないが、鳩山首相は米国への出席を断念し代わりに外務大臣を代理出席させたらよかろう。かえって、その方が日本の存在感が増すというものである。ともあれ、米国は、日米首脳会談において、普天間基地移設先として、キャンプ・シュアブ陸上部、徳之島、米軍ホワイトビーチ沖を協議しても意味がないと考え、(日米首脳会談拒否によって)自民党政権のときに合意した名護市辺野古のキャンプ・シュアブ沿岸部(現行案)以外にはなく、これが駄目なら普天間基地の継続使用である、といったシグナルを送ったものと解される。鳩山首相は益々窮地に立つが、米ワシントンに行くよりは、日本の沖縄に行って沖縄市民との間に真摯な対話を持つべきであろう。もっとも、上に米国は大人げない、と述べたが、一方、トヨタ・バッシングの原因として、普天間基地移設問題での迷走を含めて、前に(1)〜(7)の点に触れた通り、日本の外交・防衛の安全保障に関しては一人前の独立国家としての矜持や姿勢がまったく見受けられず、(米国からは)侮蔑と反発を買うことになっているのもやむを得ない現象というべきである。