韓国では導入 日本に実現うながす「戦略」 外国人参政権問題
2010/04/13 00:47更新
記事本文
【在日 外国人参政権を考える】(9)
韓国国会本会議で2006年2月、在日コリアンに対する地方参政権付与を日本に求める決議案が圧倒的な賛成多数で可決された。
前年の6月に公職選挙法を改正し、永住外国人の地方参政権を導入したことが決議の背景にあった。
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記事本文の続き 韓国の中央選挙管理委員会によると、永住権の取得後3年を経過した満19歳以上の外国人に投票のみを認めた。広報担当者は「多くの税金を払う永住者は少数者だが、受け入れる広い心を持つべきだ」と語る。
この動きに呼応したのが、日本で参政権獲得運動を進める在日本大韓民国民団(民団)などの推進派。「韓国に続き日本でもただちに実現すべきだ」。主張は、日本の政府や国会に波及し、現在に至っている。
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「在日同胞の運動がなかったら韓国の政治家は考えもしなかっただろう」
韓国で法改正が実現した経緯に詳しい鄭印燮(チョン・インソプ)ソウル大教授(55)=国際法=は、議論のきっかけが民団運動だったと明かす。参政権付与が進まない日本に働きかける意図を秘めた韓国側の「戦略」だったという。
ただ、法改正直後の06年に行われた統一地方選では、参政権の付与対象者6726人の約98%が在韓華僑の台湾籍が占め、日本人は分類上「その他」の146人に含まれるに過ぎなかった。そもそも韓国の永住制度が02年から始まった上、永住資格を得るには投資額など一定の要件を満たす必要があるからだ。
今年6月の同選挙では若干増えるとしても、在日コリアンの特別永住者だけで約42万人(平成20年末現在)が住む日本と比べると「対等」にはほど遠い。
さらに在日は昨年2月から韓国の選挙で投票権が行使できるようになった。日本で付与されれば二重に権利をもつことになる。
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世界の国々は永住外国人に地方参政権を認めているのか。国会図書館の調査では、何らかの規定があるのは少なくとも38カ国で、欧州が大半を占めている。
近藤敦名城大教授(49)=憲法=によると、欧州連合(EU)27カ国のうち、ドイツやフランスなど11カ国はEU加盟国民のみに、北欧諸国など12カ国は永住外国人に地方参政権を付与。残る英国など4カ国が加盟国民と旧植民地などの国民にも認めている。
「先進国で認めていないのは日本だけ」と推進派は主張。一方、世界全体では少数とみる反対派は「歴史的な背景や地域事情が異なる」と異論を述べる。
「日本は緩やかな国家連合を目指すEUと違う。北欧のように外国人労働者受け入れを推進したこともない。同一基準で議論できない」と西岡力・東京基督教大教授(53)=韓国・北朝鮮地域研究=は語る。
さらに百地章・日大教授(63)=憲法=は、ゆがんだ半日感情の強い隣国の存在を指摘した。「反日的な発言を繰り返し、自由や民主主義という価値観を共有しない国が隣にある日本と欧州では条件が違いすぎる」と話、特に一党独裁国家・中国の危険性を強調した。
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