米海兵隊岩国基地所属のFA18ホーネット戦闘攻撃機13機とAV8Bハリアー攻撃機4機の計17機が9日、米空軍嘉手納基地に飛来、轟音(ごうおん)をまき散らした。
航空機の燃料補給と乗組員の休養が目的と米軍は説明している。外来機の頻繁な飛来で、騒音被害は深刻化する一方だ。嘉手納町議会などが何度も全会一致で抗議決議を可決しているものの、事態は一向に改善されない。補給・休養基地としての機能が強まれば、戦闘機などの飛来はさらに増える恐れがある。
嘉手納基地には、今年に入り2月6日にアンダーセン空軍基地所属のB52H戦略爆撃機が緊急着陸、同月11日に米アラスカ州エレメンドルフ空軍基地所属のF22戦闘機4機、12日に米海軍厚木基地からFA18Eスーパーホーネット戦闘攻撃機3機が飛来した。
2月22〜26日に実施された米陸海空軍と海兵隊、航空自衛隊の日米共同訓練のためF16戦闘機16機が一時駐留し、嘉手納町屋良で1999年度以降最高となる108・8デシベルの騒音を記録した。
その後も2月27日にF15戦闘機4機、3月25日にF22ラプター戦闘機4機が飛来している。
戦闘機などの発着が増えれば、その分、騒音が激化するのはもちろん、墜落という最悪の事態に至る可能性が高まる。周辺住民は安心して生活できない。
地元がいくら飛来や訓練の中止を求めても、肝心の日本政府が事態を容認している限り、いつまでたっても歯止めはかからない。
その意味で、もっと本来の業務に精励してほしいのが外務省沖縄事務所である。そのトップである沖縄担当大使の役割は、在沖米軍にかかわる事項について県民の意見・要望を聴取し本省に伝えたり、必要に応じ米軍との連絡・調整に当たることだ。
残念ながら、外務省沖縄事務所が十分に機能していないのは、米軍絡みの不祥事が後を絶たないことから見ても明らかだ。
同事務所は先月、米軍人らが撮影した写真展を開催した。基地絡みの被害が相次ぐ状況下では違和感を覚える。抗議すべき時に迎合的な行動を取っていたのでは米軍を増長させるだけだ。
沖縄担当大使は自らの使命をあらためて肝に銘じ、地元の切実な声に耳を傾けてほしい。外来機の飛来を減らすべく、毅然(きぜん)とした態度で米側と折衝すべきだ。
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