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チリ大地震、現地の津波は5〜8メートル 仙台でシンポ
 | チリ国内での津波被害について調査結果を 報告する今村教授 |
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2月のチリ大地震で、チリ沿岸の津波被災地域には平均5〜8メートルの津波が押し寄せていたことが10日、東北大災害制御研究センターの今村文彦教授(津波工学)らの現地調査で明らかになった。チリ沿岸でも第2波以降に最大の津波が来たが、第1波の後も多くの人が高台にとどまったことで、人的被害は少なかった。
1960年のチリ地震津波から50年の節目を迎えるのに合わせ、東北大が同大片平キャンパス(仙台市青葉区)で開いた「国際津波シンポジウム」で、今村教授が報告した。 今村教授らは3月30日〜4月4日、震源を中心に南北500キロにわたって22カ所を調査。震源に近いコンスティトゥシオン沿岸のがけには、ビル10階に相当する約28メートルの高さまで津波が打ち寄せた。高さ6メートルの津波が付近の川をさかのぼったことも分かった。 北に約250キロ離れたサン・アントニオには、6.5メートルの津波が押し寄せた。7メートルの堤防があった地区は被害がなかったのに対し、最高でも6メートルの砂丘しかなかった地区は、家屋がほぼ完全に崩壊していた。 チリ沿岸でも、津波の最大波は第1波の2時間以上後に押し寄せた。住民に聞き取り調査をしたところ、第1波の後に自宅などへ戻った人もいたが、多くの人は地震発生とともに高台に逃げて、半日以上避難を続けたという。 今村教授は「死者は500人を超えたが、被害の実態をみればもっと死者が出てもおかしくなかった。こういう姿勢は教訓として学ぶべき点だ」と話した。 シンポジウムには、十数カ国から研究者約150人が参加。各国でのチリ大地震津波の状況や、50年前のチリ地震津波以降の津波対策の流れなどについて、研究成果を発表した。
2010年04月11日日曜日
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