口蹄疫:江華島で牛・豚の大部分を処分

 牛や豚の伝染病である口蹄(こうてい)疫が、発生から3日で仁川・江華郡の農家5カ所に拡散した。今月8日、江華郡仙源面の韓牛(韓国伝統の肉牛)農家で最初に発見された後、9日、10日に近隣の韓牛・養豚農家4カ所からさらに発生した。3件は、最初に発生した場所から3キロ以内の危険地域で、1件は3-10キロ以内の警戒地域からだった。

 今年1月、京畿・抱川市の一帯で発生した口蹄疫が28日間で6件だったのに対し、今回の口蹄疫は拡散速度が速い。発病した農家で確認された血清型(ウイルスのタイプ)は皆O型で、最初に発生した農家と一致した。

 今回の口蹄疫発生で処分しなくてはならない家畜数は、現時点で約2万6000頭と、2000年の第1次発生時の2216頭、今年1月の第3次発生時の5956頭を大幅に超えた。豚が口蹄疫にかかり、大きな被害が出た02年の第2次発生時は、処分の規模が16万155頭にも達した。豚は呼吸器を通じて吐き出すウイルスが多く、牛に比べて口蹄疫の感染力が100倍から3000倍に達する。今回発生した農家の中にも、最初の発生地から3.5キロ離れた江華郡仏恩面の養豚農家が含まれており、防疫当局は神経をとがらせている。

 口蹄疫のいっそうの拡散を防ぐため、防疫当局は10日、果川農林水産食品部で緊急の家畜防疫協議会を開き、予防としての「処分」の範囲を、口蹄疫発生地域から半径500メートルから3キロに広げた。これにより、江華島は北西地域の一部を除き、ほぼ全域が処分の範囲内に入った。江華島で飼育していた牛や豚はほぼすべて、処分されることになる。また、江華島外に口蹄疫のウイルスが漏れるのを防ぐため、陸地との交通路である江華大橋と草芝大橋で厳しい通行統制と消毒を実施している。

 防疫当局は9日、「関心(青)」から「注意(黄色)」になっていた口蹄疫危機警報を、1日で「警戒(オレンジ)」まで上げた。家畜の病気で「警戒警報」が発令されたのは、08年の鳥インフルエンザ(A型)が最も猛威を振るったときくらいだ。

11日、口蹄疫で牛や豚など家畜の処分が始まった仁川市江華郡。仙源面のある養豚農家で、フォークレーンが処分のための穴を掘っている間、防疫員らが待機している。/写真=キム・ヨングク記者

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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