ワルシャワ(CNN) ロシア訪問途中の飛行機事故で死亡したポーランドのレフ・カチンスキ大統領の遺体が11日午後、首都ワルシャワに帰国した。
軍の空港に到着したカチンスキ大統領の棺は、ポーランドの国旗がかぶせられ、兵士に運ばれてタラップを降りた。カトリック司祭が祈りをささげる中、大統領の娘や双子の兄を先頭に、親族や関係者が棺の前にひざまずいた。大統領宮殿に向かう通りには大勢の人が列を作り、大統領を見送った。
国内各地では大統領を含む96人の事故犠牲者を悼み、2分間の黙祷がささげられた。同国は12日から1週間、喪に服する。新大統領を選ぶ選挙は60日以内に実施の見込み。
カチンスキ大統領を乗せた飛行機は10日、ロシア西部の空港に着陸直前に墜落し、大統領夫妻や軍高官など乗っていた全員が死亡した。大統領は、第2次世界大戦中に旧ソ連によりポーランド軍将校など約2万人が虐殺されたとされる「カチンの森事件」の70周年追悼式典に参加するため、現地へ向かう途中だった。
ロシアのインタファクス通信によると、事故機のフライトレコーダーは良好な状態で見つかり、捜査当局が11日、解読に着手した。国営ロシア通信(RIA)は事故原因について、技術的問題はなかったとする捜査当局者の見方を伝えている。メドベージェフ大統領はプーチン首相を調査責任者に任命し、原因究明に乗り出した。