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【第166回】 2010年4月9日 友清 哲
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年収300万円なら十分“勝ち組”に?
給料の「無限デフレスパイラル」が始まった

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 「月給の支給額自体は維持されているのですが、昨年の給与改定によって内訳が大きく変更されました。それまでは約15万円が基本給で、そこに各種手当てが上乗せされる形を採っていたのに、改定によって基本給が8万円に下がり、新たに職務給などの名目が新設されたんです。賞与はこの基本給ベースで“○ヵ月分”と算出されますから、同じ賞与2ヵ月分支給となっても、金額は半減ということになります」(30代男性)

 同社は、退職金を「基本給×勤続年数×支給率」で算出する規定になっているが、急遽基本給を半額に下げられたことで、社内には戸惑いの声が噴出しているという。転職さえ視野に入れるスタッフにとって、既得権が突然無実化されるのはあまりに痛い。

年功序列など、もう望むべくもない
落としどころは「実績連動給」か?

 しかし他方では、福利厚生への考え方自体が、時代の流れと共に変化しつつある。その一端として、外資企業に多く見られる「グローバル型社員」制度の適用が、今後さらに進むかもしれない。野村證券の例を挙げよう。

 同社では、2011年春の新卒採用について、米リーマン・ブラザーズの事業買収を機に導入した「グローバル型社員」の適用を新卒採用にも広げ、新卒採用者全体の1割弱に当たる50人程度を募集する方針を明かしている(日本経済新聞2010年4月1日付け)。

 これは、個人の業務実績に報酬が連動する外資流の人事報酬制度で、主に高い専門性が求められる法務やトレーディングなどの職種で実施されるという。年金などの福利厚生がない代わりに、初任給は54万2000円と高額だ。この制度の適用対象となる法人取引部門約1600人のうち、およそ700人が移行を選択したというから、実績連動給に共鳴するフレッシャーズは思いのほか多い。

 若い被雇用者の終身雇用に対する意識が薄まり続ける昨今、手厚い福利厚生よりも、新たな世代の就業意識に沿った雇用形態として、「グローバル型社員」制度はこれからさらなる浸透を見せるかもしれない。

 「年功序列」「福利厚生の充実」といった日本企業独自の価値観に頼ることは、今後ますます難しくなるだろう。「年収200万円時代」が到来するなか、自分の年収は自分で守っていくしかないのだ。

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