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【第166回】 2010年4月9日 友清 哲
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年収300万円なら十分“勝ち組”に?
給料の「無限デフレスパイラル」が始まった

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 家計支援という意味では、子ども手当てや公立高校の無料化など、鳩山政権の施策は心強いかぎりだが、こうしたネガティブファクターが解消されない限り、冷え切った消費マインドの高揚には繋がらないだろう。

正社員の「既得権」は崩壊寸前!
目減りする収入への悲鳴が続々・・・

 新卒の採用になると、事態はより深刻だ。厚生労働省と文部科学省のまとめによれば、今春、入社式を迎えた大学生の内定率は、前年比▲6.3ポイントの80.0%となった。これは、過去最低水準の厳しい数字。新卒の大学生の5人に1人が内定をもらっていない計算になる。就職難による生活保護世帯などが増加すれば、さらに日本経済を圧迫することになる。

 運良く就職出来た社員についても、日本企業の社員がかつて考えていた「この年齢ならこれくらいの給与をもらうのは当然」という所得水準の補償は、崩壊寸前だ。

 「私の職場では、ここ数年、不況による経営再建という名目で、毎年のように給与改定が行なわれ、実質的に社員の懐は潤わない体制になっているのが現状です。同じ仕事量をこなし、同じくらいの実績をあげていても、月額の手取りが30万円台から20万円程度に下がったスタッフもいるほどです」

 そう語るのは、大手サービス業で働く20代の人事部員だ。全国に100軒以上の店舗を展開し、都内に運営本部を置く同社では、従来の「基本給+歩合給」のシステムが、昨年撤廃されたという。

 具体的には、歩合給制を廃止する代わりに固定給をアップし、全体の業績を賞与に反映させる方針に変更された。しかし、「全社的な業績は芳しくないので、個人でそれなりの売り上げを立てているスタッフにとって、満足のいく賞与が支払われることはありません」というから、現場から不満の声が頻出するのは必然だ。

 「これまでは、キャリアに関わらず実績に応じて報酬が得られることで現場の士気は高められていました。しかし経営側としては、人件費支出をある程度固定化したいという思惑があるようです。売り上げ向上に目を向けるよりも、支出を抑えることに躍起になっている印象を受けますね」(同)

 つまり、それだけ台所事情が圧迫されていると推察できる。また、別の中小・建設事業者スタッフからは、次のような制度“改悪”の体験談も聞かれる。

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