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喪に服すポーランド―搭乗機墜落で大統領ら死亡

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 【ワルシャワ】ロシアで10日発生した政府専用機墜落事故で死亡したポーランドのカチンスキ大統領と政府高官らに哀悼の意を表し、ポーランドの各地では11日正午、2分間の黙とうが捧げられた。

大統領官邸前に花やろうそくを供える人々 Sean Gallup/Getty Images

大統領官邸前に花やろうそくを供える人々

 ポーランド各地では追悼式が行われ、同国は衝撃と悲しみにつつまれた。11日正午(日本時間同日午後7時)の黙とうの際は、各地で多くの鐘やサイレンが鳴り響いた。

 ワルシャワの街は、旧市街にある大統領府などに赤と白の花を献花する市民であふれた。大統領府の門に置かれたろうそくの海は沿道にまではみ出していた。大統領府の沿道は10日以降大統領を悼む人々であふれ、11日も非常に混み合っていた。

 カチンスキ大統領の遺体は11日午後、ワルシャワに到着し、空港から同市中心部を通って旧市街の大統領府に運ばれた。

 政府当局者によると、カチンスキ大統領と妻、それに94人のハイレベルの代表団は10日、ロシア西部のスモレンスク郊外で発生した政府専用機墜落事故で死亡した。ロシア国営テレビはツポレフ154型機がモスクワ時間の午前11時前に、濃霧の中、スモレンスクの軍用空港に2度目の着陸を試みた際、滑走路の約1キロメートル手前で墜落したと報じた。

 ロシア当局は当初97人が死亡したと発表していたが、その後96人に訂正した。

 ポーランド外務省の広報担当者はこの悲劇の大きさをまだ十分に理解できないと述べ、このような悲劇は今までに起こったことがないと語った。

 トゥスク首相は10日、スモレンスクに向かう前に、臨時の閣議を招集した。同首相はロシアのプーチン首相とともに墜落現場を訪れ、めい福を祈った。同首相によると、政府は通常通りに機能しており、墜落事故で指導者が死亡した組織や軍も、指導者の代理が一時的に任務を引き継いでいるため、支障はないという。

 ポーランドとロシアの共同調査チームが事故機のブラックボックスの調査の準備を進めている。ロシアの調査チームの責任者はプーチン首相に対し、ブラックボックスの暫定的な分析では、機械系統が故障した兆候が見られなかったと報告した。同責任者は事故機のパイロットが悪天候について知らされていたにもかかわらず、着陸を決断したと述べた。

 ポーランドの当局者は墜落の原因に関する公式なコメントを出していない。一方、ロシアの当局者は人的ミスが原因の可能性があると指摘している。ロシアの当局者によると、航空管制官はパイロットに濃霧のためモスクワかミンスクに迂回(うかい)するよう求めていた。

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