中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【格闘技】

亀田家 メキシコに“亡命”か きょう理事会で会長除名処分

2010年4月12日 紙面から

 亀田3兄弟“メキシコ亡命”か−。東日本ボクシング協会はきょう12日、定例理事会を開き、3月27日のWBCフライ級王座統一戦で亀田興毅(23)が敗れた後、父史郎氏(44)が暴言を吐いた問題で、亀田ジム・五十嵐紀行会長(35)を処分する。五十嵐会長の除名、亀田ジム消滅は確実で、所属選手の興毅、大毅(21)、和毅(18)は国外に新天地を求める公算が大きくなった。これは業界内の亀田アレルギーが深刻で国内ジム移籍が困難と見られるため。行き先はメキシコが最有力。ジム消滅という異例の事態に発展した今回の騒動は、“海外亡命”という前代未聞の形で決着する可能性が出てきた。

 「オレはどうなってもええんや!」という暴言で始まったどう喝騒動。史郎氏の思いとは裏腹に、息子たちの今後にも大きな影響を及ぼしそうだ。東日本ボクシング協会は6日に緊急理事会を招集。協会員である五十嵐会長を除名にする、という意見が多数を占めた。12日の理事会では除名処分=亀田ジム消滅となることが濃厚。所属選手である3兄弟が“中ぶらりん”になる。

 大橋秀行協会長は「選手の救済を一番に考えながら、活躍の場を作ってあげたい」と明言しており、同理事会では3選手の救済方法についても併せて議論する。除名処分となった場合、選手は(1)協会預かり(2)ジム移籍−の2点に絞られる。協会預かりというのは、いわばジム移籍への準備期間。リングに上がり続けるためには移籍するしかない、ということだ。

 だが、果たして数々のトラブルを起こしてきた亀田家を受け入れるジムはあるのだろうか−。関係者は一様に首を振る。「史郎氏の影響が強く、トラブルのリスクが高い。本当にジムに通ってくれるのだろうか。そこまでして取るところは出てこないのでは?」。3兄弟は総スカンを食う可能性がある。そこで浮上するのが“海外亡命”というウルトラCだ。

 日本は「ジム制度」を敷いており、ジムに所属しない選手が国内で試合することはできない。だが、海外となれば話は別。海外のマネジャー、プロモーターと契約し、現地のローカルコミッションが認めれば、リングに上がることは可能になる。ただし、この場合、日本の「ジム制度」から逸脱するため、今後、国内で試合をすることを制限されることになる。

 亀田家は以前から海外志向が強い。とりわけメキシコに独自のルート、コネクションを持っている。三男和毅はメキシコを主戦場に全12戦中8戦を消化。内藤大助−大毅戦の騒動後、亀田家が真っ先に向かったのもメキシコだった。現在、WBC中米連盟王座の初防衛戦を控えている和毅は、亀田ジム関係者とともにメキシコに滞在中だ。

 「3兄弟世界王者」、「興毅の3階級制覇」。夢を実現するためには、戦い続けなくてはならない亀田家。除名処分→ジム消滅→移籍が難航→“海外亡命”という筋書きが現実味を帯びてきそうだ。

 

この記事を印刷する

中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ