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 第二次大戦以来、アメリカの基本的な国家戦略は、アメリカが指導的な役割を果たし、アメリカの力によって安全と平和を確立しようというものであった。つまりアメリカは自らの力で世界を動かし、よその国はその後に付いてくればよいというものであった。

 ところが、オバマ大統領のQDRをよく読んでみれば明らかなように、日本をはじめ世界の人々が世界の平和と安全を確立するのに努力をするのであればアメリカが喜んで助けよう、というものに変わっている。

 このきわめて単純な変化に、われわれは注目しなければならない。いまアジア西太平洋において、新しい力は中国である。中国は貿易を拡大するだけでなく軍事面でも財政面でも影響力を強めつつあり、明らかに独自のシステムを確立しようとしている。

 こうしたなかでオバマ大統領が明らかにしていることは、日本をはじめ東南アジアの国々が団結して中国と対峙し、自らの利益を守ろうとするのであれば、アメリカがこれまでどおり助けようというものだ。しかし日本や東南アジアの国々が何もせずアメリカにすべてを頼ろうというのであれば、アメリカは何もしない。助けもしない。

 これがオバマ大統領のQDRの基本的な思想である。

 オバマ大統領が日本に突き付けているのは、日本にとっては歴史的な大転換である。

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