アメリカ陸軍は基本的には5つの兵器体系によって軍事活動を維持している。M1エイブラムス型戦車、M1ブラッドレー装甲車、AH64アパッチ攻撃型ヘリコプター、UH60ブラックホーク兵員輸送ヘリコプター、それにパトリオット防空ミサイルである。
海軍については、かつて600隻のアメリカ艦隊は半分に減ろうとしている。オバマ大統領は大型の空母の建造のペースを落とそうとしており、航空母艦のための艦載機も減らそうとしている。
オバマ大統領のQDRによると、アメリカ海軍は2011年には9隻の艦艇を建造しようとしている。その内訳は、イージス駆逐艦2隻、バージニア型原子力攻撃型潜水艦2隻、新型戦闘艦2隻、それに揚陸用空母1隻などである。
このほか最新鋭の敵のレーダーを妨害できる電子偵察機EA6B4飛行中隊、それに新鋭攻撃戦闘爆撃機EA18Gクローラー26機がつくられることになっている。
オバマ大統領は、将来、太平洋や東および南シナ海におけるシーレーンの確保を重要には考えていない。アメリカ海軍による津波などの災害援助や海賊に対する取り締まりに力を入れようとしており、世界のシーレーンの確保といった超大国の責任を保持しつづけるつもりはない。空軍は、無人偵察機は増やしているが、長期的に見ると、そのほかの戦闘能力の強化をまったく考えていない。オバマ政権はステルス製の戦闘爆撃機F22の生産を中止し、F35を42機購入することにしているが、アメリカ空軍の関係者はオバマ大統領が歴史的ともいえるアメリカ空軍の役割、制空権の確保をやめてしまうのではないかと疑っている。
努力しなければ、助けない
オバマ大統領の下、アメリカのアジア西太平洋戦略は、今後大きく変わることになる。アメリカはこれまでアジア太平洋を自分のものだと考え、アメリカの力によって一つにまとめようとしてきた。日本もそのなかの一つであり、アメリカがつくった組織のなかで経済力を強くしてきた。
日本はこれまでアメリカの世界戦略のなかで経済活動だけに専心し、技術力や経済力を高めることによって世界の秩序維持に貢献しようとしてきた。しかしオバマ大統領とその支持者は、そうしたこれまでのやり方を日本には許さなくなっている。
その理由はすでに述べたように、長引く不況の見通しと失業の多さのなかで、世界やアジアのことを考える余裕がなくなったからだ。
そしてオバマ大統領がこのほど発表したQDRは、そのアメリカの新しい姿勢を明らかにしている。世界や西太平洋の秩序をどうするかということについては漠然と述べているだけで、そのために何をしようとしているかは明らかにしていない。
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