この協定はソビエト連邦崩壊のドサクサのなかでブッシュ大統領(父親)が当時のゴルバチョフ大統領を脅し上げ、ロシアの移動式の核ミサイル開発を断念させたものだった。この協定に基づいてブッシュ大統領はロシア国内の核ミサイル製造工場のすぐ脇にアメリカ関係者の監視センターをつくり、ロシア側が兵器を不法につくったり動かしたりするのを防いできた。
しかしオバマ大統領を軽く見ているロシア政府は、この協定が時間切れになると同時にアメリカの監視員を追い出してしまい、ロシアは小型の、持ち運びに簡単な核ミサイルを自由につくれるようになった。
「ロシアが小型の新しい核兵器を世界のテロリストに売り渡している可能性は十分にある」
ハドソン研究所の学者はこう述べている。
アメリカが長引く不況と失業のなかでやりくりし、軍事大国として世界に軍事力を誇示し、いまなおアジア西太平洋の安全と秩序を守りつづけているのは事実である。アジア西太平洋におけるアメリカ軍は、日本にとってもアジアの国々にとってもなくてはならないものであるが、オバマ大統領はその軍事力をうまく使って外交を展開することができない。
縮小されるアメリカ軍の軍事能力
アメリカがこれまでにない長期間の経済の停滞の予測と失業の増大で苦しんでいるなか、オバマ大統領はアメリカを戦闘状態に置き、アメリカの人々の意見を一つにまとめようとしている。オバマ大統領は2008年の大統領選挙の際にはブッシュ大統領のイラクでの戦争に真っ向から反対したが、大統領になったあとはイラクだけではなくアフガニスタンでの戦闘をも拡大し、パキスタンにまで戦闘を押し広げようとしている。
こうしたオバマ大統領の戦争は、本来の支持層である黒人やヒスパニック系、失業した人々などから批判をされてはいるものの、奇妙なことに共和党をはじめオバマ大統領を批判するべきはずの人々からは強く支持されている。
私の友人でジャーナリストである週刊誌『スタンダードウィークリー』のフレッド・バーンズ編集長はこういっている。
「オバマ大統領の人気は1年前の70%以上から40%台にまで急速に落ち込んだ。この落ち込み方は歴史始まって以来といえるが、なおかつ40%に支持されているのはアフガニスタンの戦争がうまくいっているからだ」
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