★従軍慰安婦の強制連行の証拠?!最終回
テーマ:☆従軍慰安婦問題杉野洋明です。
従軍慰安婦の強制連行の証拠?!シリーズも今回が本当に最後です。
最終章として、しっかり書かせて頂きますね。
秦郁彦著「慰安婦と戦場の性」(1999年 2刷)の54ページに以下のような文章があります。
「1939年3月5日付の「毎日新報(ママ)」(京城発行のハングル新聞)によると、逮捕された河允明は、妻と共に32年から各地の農村を歩き回り「生活難であえぐ貧しい農夫達」に良い仕事があるとだまして、約150人を満州や中国本土などに700円から1000円で売ったという。
ついでに河から50余人を買った京城の遊郭業者を警察が呼び出すと、それを察知して彼女達を牡丹江や山東省に転売したことも判明する・・・・」
戦前の朝鮮半島での新聞記事を集めている杉野としては、この原文を読んでみたいと思っておりました。特にこれだけ大規模な人身売買なので、当時でもそれなりに注目を浴びたのではないかと・・・・
で、色々収集してみましたが・・・・凄いです。
当時、かなり注目を浴びたNEWSだったようですね。
では、早速行ってみましょう。
まずは、秦先生の挙げた「毎日新報」からです。
ところで、こちらで調べたところ、「毎日新報:ではなく、「毎日申報」が正しいようです。
(韓国語では、いずれも매일신보)
(1939年3月15日 東亜日報)
少し日付が違いますが、かなり大きな見出しで報じられています。
「河允明誘拐事件波紋拡大」
「悪辣な遊郭業者」
「警察の救出を念慮」
「続々と外国に転売」
といった見出しに続き、
「人事紹介所に検察のメス!」
「特別調査隊編成内探」
残念ながら、記事自体はハングルが潰れて判読出来ない状況ですが、見出しだけで状況が十分分かります。
ちなみにこの河允明誘拐事件は、「毎日申報」だけでなく「東亜日報」でも毎日のように続報が報じられていました。
(1939年3月15日「東亜日報」)
「誘拐した百余の処女」
「貞操を強制蹂躙」
「河允明余罪は続出」
・・・現代でこんな記事が出たら大騒ぎですよね。
さらには、東亜日報では、3月29日に「誘引魔の跋扈」というタイトルで社説を記載してします。
ところで、東亜日報とこれば、当然朝鮮日報という大新聞社があります。
当時、朝鮮日報社は「朝光」という雑誌を出していたのですが、この雑誌で河允明事件を特集として取り上げていました。
「処女の泣呼」
「色魔誘拐魔河允明」
という見出しが目に付きます。
「満州に売られていった3処女」
という見出し入り写真で誘拐事件を解説。
そういえば、朝鮮日報は、「THE FACT」の意見広告での新聞記事(杉野が当ブログで発表したもの)に関して、社説で以下のような反論をしていました。
・・・一同は広告の中で反証として「慰安婦を募集する際、拉致や強制を禁ずる」とした日本軍の文書や、1939年8月に韓国のある新聞に掲載された「女性らを満州に誘拐した悪徳ブローカーを日本の警察が処罰した」という新聞記事を提示した。しかしこのブローカーたちは私娼窟に女性を連れ込んだものであり、日本軍の慰安婦とは何の関係もない。
http://www.chosunonline.com/article/20070616000006
・・・だそうです。
しかし、これに対する反論が日本側から全然なされていない模様です。
プロの歴史研究家や政治家が多く携わった筈ですので、何か反論をしてくれるだろう、と思っていたのですが、全然反論してくれる人がいないので・・・・杉野が反論するしかない様ですね・・・
というわけで、この河允明誘拐事件で、反論させて頂きます。
河允明事件を受けて遊郭業者が娼妓を地方に転売していったことを報じる記事ですが、18歳の趙鶴南という少女が「山東省の畓鏡慰安所」に転売されたと報じています。
私娼窟ではなく、「慰安所」に転売されたと韓国の当時の新聞で報じているのですが、慰安所が私娼窟なんでしょうか?
そして、この誘引は、解放後も変わらずです。
解放前と同じく、「就職させてあげる」等の甘言で誘引しています。
(1956年4月11日「東亜日報」)
※記事では「就職させてやる」とだまして誘引したことが述べられている。
(1956年7月11日「東亜日報」)
(1959年8月6日「東亜日報」)
山東省に売られたという事実は以前から(上述の秦郁彦氏の著書の通り)、指摘がありましたが、転売先は慰安所だったことが、原文を通じて知ることが出来ました。
今までの調査を通じ、当時の朝鮮半島では未成年の人身売買が至る所で跋扈し、警察が取り締まりを厳重に行っていたこと。人身売買は養父や実父によるもの、第三者によるもので一部警察の名前を騙って人身売買を行っていたこと、等が報道されていたわけです。
とはいえ、私人や警官が(職務命令を無視して)個人の行動で、人身売買に加担していた可能性はありますが、それを証明することは極めて困難であり、また「国会的犯行」とは全く違うものです。
従って、個人の犯行の可能性についてまで、謝罪の対象とするかどうかは、もはや政治的な判断でしょうね。
さて・・・いままで戦前の新聞を通じて慰安婦について述べさせて頂きましたが、後はプロ(学者、ジャーナリスト、政治家)の皆様にお任せしたいと思います。
ともかく、従軍慰安婦の強制連行の証拠?!シリーズは、これで一旦終わりとさせて頂きます。
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