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雲仙女子高生不明、有力情報なく2週間

情報提供を求める看板。ここから約50メートル離れた波止場でリュックなどが見つかった(雲仙市小浜町の小浜マリーナで)

 雲仙市小浜町、県立学校高等部3年生の種村侑里さん(18)が行方不明になってから、2週間以上が経過した。県警や雲仙署は、看板を立てるなどして、情報提供を呼び掛けているが、有力な情報は寄せられていない。その姿が最後に目撃されたのは、小浜バスターミナル。同じ頃、現場周辺を歩いてみた。

 最後に消息を確認されたのは、種村さんが乗ったバスが到着した2月28日午後7時25分頃。15日、同じ時間にターミナルに立ってみた。平日だが、客の姿はまばらだ。28日は日曜日。「日曜はもっと人通りは少ない」と、近所の人は話した。

 県警捜査員は3月1日午後1時半頃、種村さんのリュックや手提げバッグを近くの波止場で発見した。その波止場まで、ターミナルから直線で約300メートル、歩道などを歩いて向かうと、600〜700メートルほど。日中に行ってみた波止場の方向を見ると、街灯もなく、真っ暗だ。波止場に向かって少し歩いてみたが、海風は強く、近づくほど、足元が見えなくなる。若い女性が興味本位で行く気になるとは、到底、思えない。

 自宅近くのバス停にとまる次のバスが、ターミナルを発車する時刻は午後7時57分。待ち時間は約30分だ。

 種村さんの出身中学の2年後輩という女子高生に出会った。女子高生はほぼ毎日、午後7時50分頃、ターミナルに着くスクールバスから下車するが、種村さんはいつも隅のイスに座り、バスを待っていたという。

 学校によると、種村さんは、製造業での就職を夢見て、窯業の授業を熱心に受けていた。一方、陸上部に所属し、昨年12月に行われた「諫早ロードレース大会・3キロ高校生女子の部」で2位に入賞するなど、部活動にも励んでいた。

 県内の製造会社に就職する話も進み、今月3日からの会社の実習を無事に終えれば、就職できる予定だった。担任との最後の面談では、母親も種村さんも、うれしそうだったという。

 学校では、卒業証書を保管し、いつでも卒業式を行えるよう準備をして種村さんの帰りを待っている。学校は防犯ブザーを貸与していたが、卒業を前に、2月27日に返却させたばかりだった。教頭は「待つことしかできないのか」と声を落とした。

2010年3月16日  読売新聞)
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