第拾九話 各々の胸の内は
爆音とともに崩壊したマンション。
マンション、と言ってもコンフォートのような大きなものでは無く、どちらかと言えばアパートに近かった。
ネルフの管轄下であったこの建物は当然職員以外住んでは居らず、住人のほとんどがバルディエル戦の後処理で本部に詰めていた。
それが不幸中の幸いか。
激しい爆発の割りに犠牲者はほとんどいないようである。
付近の住人は、崩壊直後は何が起きたのかと皆家から飛び出し、あっという間に人だかりが出来た。
現在は警察によって封鎖され、野次馬の数も幾らか少なくなっている。
警察は当初、現場検証を行っていたが、今はネルフでそれを引き継いでいる。
「………どう?」
ミサトは調査している職員に問いかける。
本来は作戦部であるミサトはこの場にいるはずが無いのだが、崩壊したマンションがマンションである。
ここは作戦部の管理下であるチルドレン、碇シンジが住んでいたのである。
戦闘終了後、シンジはそのまま帰宅した。
マンション崩壊の時間、シンジがどこかへ寄り道をしていない限り自宅にいたはずなのである。
ミサトはシンジの無事を願った。
だがこれは純粋にシンジ個人に拠るのではない。
シンジは現在、誰もが認めるチルドレンのエースである。
悔しいながらもミサトもそれは認めざるを得ない。
対使徒戦における功績のほとんどにシンジが関わっている。
今シンジを失うのは得策ではないどころか、大きな損失である。
そういった意味を多分に含み、ミサトはシンジの無事を祈っている。
「住人の確認をしたところ、十五名の内、十四名は確認を取れました。ですが、サードチルドレンの確認だけは未だ………」
「そう……。引き続き捜索をお願い。」
「了解。」
その場を離れた職員を見送りながらミサトは溜息をついた。
頭の痛い問題が山積みなのだが、最も大変そうなのがアスカやレイへどうこの事実を知らせるか。
二人はまだこのことを知らない。
恐らく今は家で体を休めてるだろう。
二人ともシンジに懐いている、と言ったら少し意味が違うのだが、その表現がぴったり来る様な気がする。
その二人が知ったらどうだろう。
ショックの程度は予測できない。
最悪、しばらくの間エヴァに乗れないかも………
やっぱり当分の間は二人には知らせないほうがいいか…。
でもこのまま隠し通すのは難しいわね…。
ここまで考えてミサトは自分がすでにシンジが死んだものとして予想しているのに気付いた。
確かに以前はシンジと険悪だったころもあった。
だが、今はその能力もあって、シンジを認めていたつもりであった。
それがこのような形で自分の本心を確認することになってしまい、ミサトは自分に対する嫌悪感でいっぱいになった。
「最低ね………。」
内罰的な思考に陥りそうになったミサトだが、それを職員の声が止めた。
「葛城三佐。」
「何か見つかった?」
先ほどまでの思考を振り切ろうと明るく話すが、報告に来た職員の表情からその報告があまりよい物では無いことを悟った。
「……あまり気持ちのよさそうな報告じゃ無さそうね。」
「どうぞこちらへ。」
職員に連れられて瓦礫の山を進むミサト。
その中央部分まで来て職員は足を止めた。
近くにいた他の職員から何か袋のようなものを受け取り、それをミサトに差し出す。
「何これ?」
「……サードの物と思われます腕です。」
「………」
袋の中を覗いて顔をしかめるミサト。
ミサトは以前は前線で活動していた戦士でもある。
それゆえ、こういったものにはある程度慣れてはいるが、やはり気持ちの良いものではない。
「…まだシンジ君のものと決まったわけでは無いわ。至急技術部の赤木博士に回して調べてもらって頂戴。」
「わかりました。」
口ではそう言っているが、ミサトはほぼ確信している。
それがシンジのものであるだろうと。
そして、それが意味するものも分かっている。
ミサトを残してその場を去る職員。
ミサトは付近の瓦礫を見渡した。
よく見ると近くの瓦礫には埃を被っているが、紅い液体の痕らしきものが付着している。
ミサトはそれから目を逸らすように空を見上げた。
空はどんよりと曇っていて、今にも雨が降り出しそうである。
「……涙は出ないのね…。」
司令室には一般職員が知らないような部屋がいくつかある。
その中の一つがこの会議室である。
会議室とは言っても、ここに足を踏み入れるのは大抵一人、多くて二名程度である。
だが、会議が始まるとそこには六名の者がいた。
皆、かなりの老齢だが、一人まだ若い男が座り、残りの者はホログラフで会議に参加している。
「どういうことですか、議長。」
一番若い東洋人の男―――碇ゲンドウがまず口火を切る。
普段冷静沈着で表情が読み取れない男だが、この日ばかりはわずかに怒りの色が見て取れた。
「何、君が手を焼いていたVanishing Hunterをこちらで始末しただけだ。」
「左様。あの男は我々のシナリオにとって重大な害をもたらすと判断したのだよ。」
「流石にあの男を始末するのに通常手段では不可能だったのでな。あのような大規模なことをせねばならんかったが。」
シンジのマンションに打ち込まれたのは通常の中距離ミサイルをゼーレの技術で改良したものだった。
ミサイル自体に高度な迷彩を施し、レーダーでは感知できず、また目視も出来ないものである。
まだ大型のものには不可能だが、射程は問題なく、また当然ながら建物一つを吹き飛ばすには十分なものである。
シンジは普段は人間である。
強度や回復力は普通の人間をはるかに凌駕し、弾丸程度なら致命傷になることは無いが流石にミサイルともなれば話が変わる。
またA.Tフィールドも展開できるのだがそれでもミサイルを防ぐには力は足りない。
力を開放するには時間が未だにかかる。
開放すればミサイルなど屁でもないのだが、まさかシンジもミサイルを撃ち込んでくるとは夢にも思っていなかった。
ゲンドウは誰にも気付かれないように歯軋りさせた。
ゲンドウにとってもこの出来事は自分のシナリオから大きく逸脱した出来事だった。
シンジの存在はゲンドウにとって無くてはならないものだった。
例え、シナリオを進める上で邪魔であっても、切り捨てるわけには行かなかった。
初号機に眠るユイを目覚めさせるまでは。
だが、それが全てフイになったのだ。
今まで全精力をつぎ込んできた計画が、夢が、希望が。
まだシンジが死んだと決まったわけでは無いが、あの爆発である。恐らく生きては居ないだろう。
表情に出さないが、腸が煮えくり返る想いでいっぱいだった。
「今後は寄り代としてセカンドをベースにする。初号機は以後別命あるまで凍結とする。」
「……ゼーレのシナリオとは大分異なりますが…」
「已むを得ん。サードをこのままにしておくよりは有益だ。」
「左様。このままサードを放っておくと、うまくいくものもいかなくなる。」
「もう我々も後には引けないのだよ、碇。」
ゲンドウとしては文句の一つも付けたいところだが、すんでのところでそれを堪える。
まだ終わりでは無い。まだ手はあるはずだ。
必死で自らにそう言い聞かせ、気を落ち着かせる。
ここで心行くままに老人達に罵詈雑言を浴びせるのは簡単だが、その瞬間自らの命運は決してしまう。
「わかりました。情報操作の方はこちらでしておきます。」
「うむ。任せたぞ、碇。」
厳かな声でゲンドウに任せると、ゼーレのメンバーは一斉に姿を消した。
「いいのか?」
後ろから冬月が声をかける。
冬月は部屋の隅に居たため、ゼーレには気付かれなかったが、明らかに不機嫌な様子であった。
ゲンドウの、ひいては自分の為のシナリオが崩壊したことは冬月にとって大きなショックであった。
キールたちにつかみ掛かりたいくらいであったが、相手がホログラフであるうえ、ゲンドウが何も言わなかったため冬月も何もしなかった。
「ああ。まだ手はある。」
静かに、淡々と語りかけるゲンドウを見て冬月は安心する。
まだゲンドウが折れてはいない事に。
(考えようによってはよかったのかもしれんな…。
シンジ君は我々にとって最大のイレギュラーだった。そのリスクがなくなったことは老人達に感謝するか…。)
「あっさりしたものね……」
リツコはすでに何度目になるかわからない溜息をつきながら呟いた。
ネルフ本部にもたらされた緊急情報。
使徒戦が終了し、緊張が解けたのか、ややのんびりと後片付けを行っていた職員達は再び緊張状態に追い込まれた。
なにしろ、自分達の街にミサイルが打ち込まれたのである。しかも警戒を怠っていたわけではない、その中に気付かれずに。
直ちに非常体勢が惹かれ、第二波に備えたが、それ以後攻撃がされることはなかった。
リツコは松代での後処理の目処が立ち、第三新東京市へ戻ってくるとすぐにこの騒動である。
一刻も早く体を休めたかったリツコだが、已むを得ず本部に缶詰状態となった。
何の情報も無く本部に入ったリツコだが、ミサイルが打ち込まれた場所を聞いて目の前が暗闇に閉ざされたように感じた。
まだまだシンジに聞きたいことは山ほどあった。
まだまだシンジの持つ秘密を探りたかった。
底の見えない奥深さを持つ彼を見ていたかった。
まだ身元の確認が取れていないと連絡に来た職員から聞き、何とか気を落ち着かせる。
そう、まだシンジ君が死んだと決まったわけでは無いわ。
情報が入ったらすぐに伝えてくれるようその職員に頼み、リツコは自室に篭った。
だが、やはり落ち着かず、すぐにタバコやコーヒーに手が伸びる。
どの位時間が経ったのだろうか。
すでに空だった灰皿は吸殻で山が出来ており、いっぱいだったコーヒーメーカーは空っぽになっている。
時計を見るとまだ部屋に篭ってから一時間しか経っていない。
思った以上に時間が経っていないことにリツコは苛立ちを感じた。
その時、チャイムが鳴った。
いつもならまずは来訪者が誰なのかカメラで確認するところなのだが、リツコは急いでドアを開ける。
そこには先ほどとは別の職員が立っていた。
右手に黒い袋を持って。
「何かしら、それは?」
「葛城三佐からです。赤木博士に鑑定していただきたいと。」
そう言って差し出された袋の中を覗きこむリツコ。
「サードのものと思われる腕です。現場で発見されました。」
流石にマヤのように戻したりはしないが、やはり顔をしかめる。
どう考えても気持ちのいいものではない。
「…わかったわ。これから鑑定作業に入ります。ミサトにそう伝えて頂戴。」
「了解。では、失礼します。」
溜息をつくとリツコはまたタバコに火をつける。
鑑定結果は間違いなくサードチルドレン―――碇シンジを示した。
あのマンションには他に命を狙われるような重要人物は住んでいない。
と言うことは間違いなくミサイルはシンジ君を狙って放たれたものね…。
片腕を失ったがどこかへ逃げ延びた、ということも考えられるけれど、いかにあのシンジ君であってもミサイルの直撃を受けて生きていられるとは考えづらいわね。
恐らくは………
冷静に考えてもリツコの頭脳はシンジの生存を否定する。
これでゲンドウの願いははかなくも潰えたことになる。
それに関してはリツコは胸のスッとするような感覚を覚えた。
だが、シンジを失ったという事実はリツコの心を重くした。
別にシンジに対して特別な感情を持っていたわけではない。
自らの好奇心を大きく満たしてくれる存在としてしか見ていない。
しかし、ゲンドウを見限り始めたリツコにとってその喪失は大きなものだった。
何もする気が起きず、ただぼーっと部屋の壁を眺め続ける。
しばらくそうしていたが、リツコは億劫そうに体を動かすと、机の上の受話器を取る。
ピ、ポ、パと軽い音がし、コール音が受話器から聞こえてくる。
「もしもし、ミサト?鑑定結果が出たわ…」
Heart Break
「レイ。」
薄暗く、どこからかゴオオォォン……と低い音が聞こえてくる。
そんな中、レイは後ろから声をかけられて振り返った。
「碇司令………」
目の前に広がるのは幾度と無く訪れたダミープラント。
だが、今は本来いるはずの自分のスペアとなるべき姉妹はどこにもいなかった。
レイが最近ここに来ることは無かった。
呼び出しがかかってもシンジがそれを許しはしなかった。
例えそれが自分がそばにいないときでも絶対に行かないよう、シンジに言われていた。
だからこの日も呼び出しがかかった当初、行く気は全く無かった。
しかし、今日はいつもと様子が違った。
普段はリツコから電話がかかってくるのだが、今日はゲンドウから直接かかってきた。
若干拒否し辛かったが、それでも断ろうとすると
「………シンジのことで話がある。ダミープラントまで来い……。」
それだけを一方的に伝えると電話は切れた。
用件だけを勝手に言い、こちらの言い分も聞かずに電話を切られたことにレイは若干の苛立ちを感じたが、それ以上にシンジについての話、というのが気になった。
シンジは自分の事をほとんど話さないし、レイ自身もシンジについてよく知らない。
そのことにレイはやや不満を持っていたが、自分も自身については語りたくは無い。
おそらくシンジも言いたくないだろう、と考え、自分を納得させていたが、やはりシンジの事をもっと知りたかった。
シンジはレイの事をよく知っていたが、自分はそれとは逆にシンジを知らない。
シンジがどこでどのように成長し、何を抱えているのか。
どんな思いで今を生きているのか。
自らを呪縛から解き放ってくれた。もし、シンジが何かで苦しんでいるのなら今度は自分が助けてあげたい。
知りたい
もっと、もっと知りたい
レイはその欲求に屈した。
ゆっくりとゲンドウがレイに近づいてくる。
その姿にレイは恐怖と嫌悪感を覚えた。
ここはダミープラントである。
その光景はレイにかつて自分が人形と大差なかった―――レイ自身もそう思っている―――頃をいやがおうにも思い出させた。
そして、ゲンドウの存在も。
レイにとってゲンドウというのは絶対的な存在だった。
絶対的な信頼を置くとともに絶対的な恐怖。
今やゲンドウの元から離れているが、奥底に根付いた感情は容易に取り払われはしない。
「シンジの事をどう思っている?」
震える。
体が震える。
レイは今シンジに信頼を置いている。
アスカとともにかけがえの無い存在へとなった。
だが、この場でそれを口にするのははばかられた。
ゲンドウがシンジの事をよく思っていないのは先日の事件で明白である。
いかに息子であれども、自らの邪魔であると判断すれば始末しようとする。
ゲンドウは本気でシンジを殺すつもりはなかったが、それはレイにはわからない。
もちろん、シンジを親として殺したくなかったわけではないが。
「どう思っている?」
もう一度ゲンドウがレイに尋ねる。
静かな声は場の空気と相乗して余計恐怖をあおる。
「わ…私は………い…かり君を」
震える声を搾り出すがうまく舌が回らない。
それでも何とか最後まで言い切った。
「た…大切な人だと……思って…います。」
いい終わるとレイはうつむき、歯を食いしばった。
ゲンドウに捨てられるのではないか?
ただそのことで頭がいっぱいだった。
「そうか。」
だがゲンドウから帰ってきたのは素っ気無いものだった。
何か言われるかと思っていたレイはその返事に顔を上げる。
しかし、次の瞬間レイは凍りついた。
「シンジが死んだ。」
たった一秒にも満たないほどの短い言葉。
それはレイを切り刻むには十分なものだった。
「う……そ………」
「嘘ではない。昨日、シンジの住むマンションにミサイルが打ち込まれた。」
レイの顔から血の気が引いていった。
「あのマンションには命を狙われる人物は一人しかいない。そしてあの時間マンションにいたのはシンジだけだ。」
ゲンドウの口から紡ぎだされる全ての言葉がレイの心を凍て付かせる。
体から力が抜け、レイはその場に崩れ落ちた。
目の前がぐにゃり、と歪む。
体に全く力が入らない。
ぽたり、ぽたり、と熱いものが地面に落ちた。
レイが初めて流した涙。
それはこの上なく悲しい涙だった。
「レイ。」
頭上から声が掛けられる。
涙でくしゃくしゃになった顔を上げる。
そこにはわずかに口元を歪ませたゲンドウがいた。
「シンジに会いたいか?」
それは悪魔の囁き。
かつて楽園で禁じられた実を食べた者を唆した蛇と同様の。
「ならば私に力を貸せ。そして元々お前に課せられた役目を果たせばよいのだ。」
知恵の実を食べたアダムとイヴは楽園を追い出された。
ならば、この少女は?
神不在のこの世界では分からない。
だが、今美しき少女は悪魔の囁きに手をとった。
どこか分からない空間。
かつて見たことのある別宇宙。
漆黒の闇の中、一部分だけが光り輝いていた。
その中心には見るもの全てを魅了するような美しい女性と横たわる少年らしき人物。
女性は悲しみに満ちた表情で後ろから少年を抱きしめるように腕を絡ませる。
対する少年は全身ぼろぼろで、皮膚のところどころが黒く焦げている。
下半身は無く、到底生きているとは思えない。
今もピクリとも動かず、ただ女性の腕の中で横になっているだけ。
それでも女性は少年を抱きしめ続けた。
マンション崩壊から数日。
ミサトはまだ迷い続けていた。
事実を二人に告げるかどうかを。
使徒が来ればどうせ判明する。
それはミサトも十分分かっていた。
だが、それでも踏ん切りがつかなかった。
先日、リツコから鑑定結果の報告を受けた。
結果、あの腕はシンジのものに間違いは無く、また現場で見つかった血痕もシンジのものと判明した。
瓦礫の撤去作業の最中遺体こそ見つからなかったが、あの爆発である。
恐らく体は吹っ飛んでしまったのだろう、と結論付けられた。
つまり、最大の戦力は失ったことが確定的になったのである。
作戦部長としてこれ以上の戦力ダウンはなんとしても避けたかった。
しかしミサトの悪癖が判断を遅らせた。
今までを振り返ってみると、使徒が連続して現れることは無かった。
だから、早急に伝えるべきだったのである。
そうすれば、仮に使徒が襲来したとしても精神的なダメージから回復する時間は長くなる。
だが、彼女は優しすぎた。
軍人に向かないほどに。
誰だって人が悲しむ姿は見たくない。
泣いている姿より笑っているのを見るほうがいい。
しかし、事実は変わらないのだ。
ミサトは前史でもトウジがパイロットと言う事実を伝えきれず、結果、最悪の形でシンジに知られることとなった。
嫌なことを先延ばしにする。
誰もがそういったことをしてしまいがちだが、彼女にはそれが許されない。
そういう場所に葛城ミサトは自分で立ったのだから。
アスカはその日もいつも通りに過ごしていた。
珍しく昨日、一昨日とシンクロテストも何も無かったが、それはまだこの間の使徒の処理が終わらず、他のことが忙しいのだろうと考えていた。
レイだけは連日本部に泊り込みで何かしているようだったが、毎日連絡があり、また声を聞く限りでは特に何も無さそうだったので気にしていなかった。
そして今日、三日ぶりにネルフにやってきた。
そう、ここまではいつもと変わらぬ日常があり、これからもそれが続くと信じて疑っていなかった。
「それで、二人にはもう教えたの?」
「う〜ん………」
廊下を歩きながらリツコがミサトに問いかけた。
だがミサトから帰ってきたのは、歯切れの悪い返事だった。
それを見てリツコは溜息をついた。
「しっかりしなさい。これは貴女の仕事でしょ?」
「分かってはいるんだけどね………」
そう言いながらつられたようにミサトも溜息をついた。
「怖いのよ。今教えたら間違いなくシンクロに影響が出るでしょ?最大の戦力を失った今、更なる戦力の低下が……」
「誤魔化すのはよしなさい。」
ミサトの言い訳をピシャリと遮る。
「貴女が怖がっているのは軍人としてではないわ。人を傷付けてしまうのが怖いのよ。」
「………」
「この前言ったわよね?中途半端な優しさは止めなさいと。」
「だけど……言えるわけ無いじゃない!!あの子達に……。
レイは変わったわ。そしてアスカも…。二人ともいい方へ変わってるわ。
変えたのはシンジ君よ。そしてあの二人はシンジ君に特別な感情を抱いているわ。
その二人になんて言えばいいのよ?
面と向かって死んだなんて言える?
戦いの最中に死んだのならまだ諦めもつくわ。でも突然ミサイルを打ち込まれて、ついこの間まで元気だった人がどこの誰かも分からない奴に殺されたなんてどう納得させればいいのよ!?」
ドサッ
リツコに向かって声を荒げていたミサトだが、その音に振り向く。
「ミサト……ほ…本当なの……?」
「アスカ………」
ミサトは神を呪った。
どうして?
どうしてこんな………
まるでB級映画を見ているかのような気分になった。
「うそ…よね………?ははは…耳が悪くなっちゃたのかしらね、アタシも。」
「アスカ………」
乾いた笑い声を上げたアスカだが、膝は震え、白いきれいな肌は病的なまでに蒼白になっている。
「本当よ……。シンジ君は……死んだわ…。」
「またまた…ミサトも冗談が好きねぇ…。シンジよ?あのシンジがそう簡単にくたばるわけ無いじゃない?」
「アスカ、事実なのよ…。」
「嘘よ。嘘、嘘、嘘、嘘、嘘よ!!!信じないわ!アタシは信じない!
ねえ、リツコも黙ってないでなんか言いなさいよ!!ミサトの冗談を止めなさいよ!!こんな冗談許されるわけ無いでしょう!!」
だが、リツコから帰ってきた返事は無情なものだった。
「アスカ、シンジ君は死んだわ。残されたのは彼の腕だけ。他は何も残って無いわ。」
明確に突きつけられた事実。
アスカの中で何かが壊れた。
「いやああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
shin:今回はここまで。ちょっと短いですが。
レイ:私は司令の毒牙にかかってしまったのね……
shin:まあ、そういうことだね。今後どうなるかは電波次第、ということで。
レイ:滅殺………
shin:スイマセンが、その物騒なものをしまっていただけませんでしょうか…?
アスカ:レイ、構わないわ。やっちゃいなさい。
shin:待て!なんでお前が許可を出す!?
アスカ:なんでって、むかつくからよ。
shin:そんな勝手な!
ブウン!!
shin:ぐげ!!
レイ:任務完了。これより帰還します。
アスカ:よくやったわ、レイ。(なでなで)
レイ:(
///
)ありがとう。
アスカ:顔を赤くすんな!アタシにそっちの趣味は無い!
レイ:撫でたのはアスカのほう…
ミナモ:あれ、二人だけ?
アスカ:今しがた作者を始末したところよ。
ミナモ:なんだ、つまんないの。
レイ:でも、次の話の時には復活してるわ…。
アスカ:ならもっと痛めつけても大丈夫よね?
ミナモ:そうね。やっちゃいますか(笑顔)
レイ:やりましょう(ニヤリ)
アスカ:じゃあ早速…
shin:ぎょえええええぇぇ!!!
シンジ:ここでも出番なしか……(シクシク)
(このキャラコメは作品とは一切関係ありませんのであしからず)
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