第参話  二度目の出会い



チチチチチ・・・

小鳥のさえずりが始まる頃、シンジはのそのそと布団から出てきた。

時刻は午前6時。まだほとんどの住民が布団のぬくもりを貪っている時間帯であるが、シンジは起きなければならなかった。

普段はこんなに早く起きることはない。むしろこの時間帯に寝始めることの方が多かったかもしれない。だが、今日からはこの時間帯に起きなければ間に合わない。

事の発端は前日のシンクロ実験の後であった。



実験の後、着替えを終えて帰ろうと愛用の銃を腰につけて上着を羽織ったところだった。ちなみに持っているのはマグナムでは無く、オートマティックのものである。


「シンジくん。」


更衣室から出たところでミサトが声をかけてきた。

どこか気まずそうな顔をしている。


「あっ、ミサトさん。お疲れ様です。どうしたんですか?」


ニコニコしながらシンジがミサトに尋ねるが、ミサトの方はどうも言いにくそうにしている。

しかし、突然、


「ゴメン、シンジくん!」

「はい?」


手を合わせて謝り始めた。当然シンジは何のことか分からない。


「いや〜、その・・・、実はねシンジくんには明日から学校に行ってもらうことになるのよ。」

「えっ、あっ、はい。」

(そういえば前回も急だったな。)

「本当はもっと早く伝えなきゃいけなかったんだけど・・・。」


ミサトはとても話しにくそうに話す。

実はミサトは先日シンジに自分の職務について指摘された後、一人で戦闘のことを振り返っていた。

確かに自分は何もできていなかった。冷静になってみると自分のふがいなさばかりが浮かび上がってくる。シンジに指摘されるのも当然だ。

そう考えていたミサトは、ケージでのこともあり、シンジのこと苦手に思い始めていた。そのため今回も伝達が送れたことに対し、シンジから皮肉の一つでももらうかもしれない、と思っていた。

だが、


「分かりました。わざわざありがとうございます。」

「へっ?」


シンジがあっさり了承し、お礼まで言われたことで思わず変な声を出してしまった。

シンジにしてみれば学校に行くことなど分かりきっていたことであるし、しばらくは戦闘時以外は前回と同様に過ごしていくと決めていたのでミサトのことはどうでもよかったに過ぎない。


「話は終わりですか?では帰りますね。」

「えっ?ええ、お疲れ様。」


呆然とするミサトをおいて、さっさと帰ったシンジだった。



そんなわけで今日から早起きをしなければならないのだが、本来、シンジは朝には強くない。

前回ではあまりミサトがだらしなかったのと、家族がいる、という思いで家事一切を一人でやっていたが、今回は一人のためそんな気力も無い。

寝ぼけ眼で―――というよりまだ半分眠っている―――あちこちにぶつかりながらシャワーに向かう。


(すーすぅー、ムニャムニャ、ううぅん・・・)

(いいよな、こいつは。)


自分の魂の同居人に毒づきながら朝食の準備を始める。

ご飯と味噌汁だけという簡単な朝食が整い始めると、先ほどまで寝ていた同居人が起き始める。


(あっ,いい匂い。)

(こいつは〜〜。)


匂いにつられてもそもそと起き出すミナモに若干腹を立てながらも、どうすることもできないのでそのまま無視する。







「ブィィーーーーーン、ダッダッダッダアァーーーン!」

第三新東京市立第一中学校、その中の2−Aの教室。朝っぱらから元気な少年の声が聞こえる。

しかし、その光景は少し近寄りがたいものがあったが。

口で効果音を出しながら先日の戦闘で落とされていた国連軍の戦闘機の模型を手で飛ばしていると、少女が近寄ってきた。


「ん、何、委員長?」

「相田君、この前のプリント鈴原に届けてくれた?」

「あ、ああ。」


曖昧な返事をしながら、相田、と呼ばれた少年は机の中をごそごそと漁る。


「いや、なんかあいつんち留守みたいでさ。」

「相田君、鈴原と仲いいんでしょ?心配じゃないの?」

「どうしたんだろ?この前の戦闘で怪我でもしたのかな?」

「えっ、テレビじゃ一人もいないって・・・」


鈴原という少年が怪我をしたかもしれないという相田ケンスケの言葉に少し不安げな表情をする。


「まさか。三沢や九州の部隊まで出動してるんだぜ?けが人の一人や二人じゃすまないよ。死人だって・・・」


そこまで話したとき、ガラッ、と音を立てて教室のドアが開いた。

年中夏になってしまった日本では見るからに暑そうなジャージを着た少年が入ってきた。


「鈴原。」

「トウジ。」


そう呼ばれたジャージの少年はクラスを見渡すと


「なんやずいぶん減ったな。」

「疎開だよ。街中であれだけ派手にやられちゃな。」

「名までドンパチ見れるよって喜んでるんわお前ぐらいやろな。」

「まーね。でもどうしたんだよ、一週間も学校休んで。怪我でもしたのかと思ったよ。」


そういいながら持ってきている自分のカメラを覗き込んでいる。


「妹のやつがな。」


そのつぶやきにケンスケと委員長―――洞木ヒカリがトウジの方を振り返る。


「瓦礫の下敷きになってもうてな。命は助かったんやけど、家、おとんもおじいも研究所づとめやさかい、わしがおらんと妹のやつ病院で独りぼっちになってしまうからな。
しかしあのロボットのパイロットホンマへぼやな!!」

「それなんだけどな、トウジ。今日転校生が来るらしいんだ。」

「それがどうしたんや。」

「おかしいと思わないか、こんな時期に。なにかしらネルフと関係があるって俺は踏んでるんだ。」


そこまで話したところでチャイムが鳴り、教師が入ってくる。


「え〜、今日は転校生を紹介します。碇君、入ってきなさい。」


教師がそう言うと、中性的な容姿の少年が入ってきた。


(あれ、トウジがいるや。妹さんは無事だったのかな?)


シンジはそんなことを考えながら笑顔で教室に入る。

かわいらしい顔に笑顔を常に湛えている少年に


「「「「「きゃあ〜〜〜。」」」」」


クラス中の女子から黄色い歓声が上がる。男子からは殺気の篭った視線が向けられている。


(うっ、な、なに、この空気。前回はこんなこと全然なかったのに。)

(はぁ〜〜、やっぱりシンジって鈍感・・・。)


一人だけ呆れていた・・・。




自己紹介が終わると教師そっちのけで質問大会が開催され、クラス中の女子から質問攻めにされ、その間男子全員から殺気を受け続けており、さすがのシンジもヒカリの一言で授業が始まった後にはぐったりしていた。


(僕ってこんなに人気あったっけ?)

(・・・)





紅い海の中で世界中の知識を手に入れているシンジにとって、中学校の授業など何の面白みも無く、ただひたすらぼーっと窓の外を眺めて、エアコンの効いている室内の温度と窓から入ってくる光とで心地よくなりうつらうつらとしていた時

ピピッ!

パソコンからメール着信を告げる音が鳴った。

その音で夢の世界から帰ってきたシンジは、不機嫌になりながらもメールを開いて見る。


「碇君があのロボットのパイロットっていうのはホント?Y/N」


(この後質問攻めにあうんだっけ。)

過去のことを思い出しながら前と同じように、Y、と押して返信する。


「「「「えっ〜〜〜!!」」」」


再び教室が騒然とする。どうやらクラス中が見ていたらしい。


「ちょっと、みんな、まだ授業中よ!」


ヒカリが注意するも、皆全く聞こうとはしない。

肝心の教師の方もセカンドインパクト当時の話にトリップしていて全く気付いていない。


「どうやって選ばれたの?」

「怖くなかった?」

「必殺技とかあるの?」


などと口々に質問を浴びせていく。


(ちょっと、シンジ、どうすんのよ?さっさと静かにさせてよ。せっかくいい気持ちで寝てたのに。)

(大丈夫だよ。)


寝ていたらしいミナモに叱られるが、シンジは落ち着いて言葉を吐き出した。


「そういうの機密だから。教えてもいいけど、黒服を着た人たちに拉致られちゃうよ?」


その言葉に生徒たちは凍りつき、無言のまま席に着く。

その中で、ただ一人シンジをにらみつけていた。



キーンコーンカーンコーン



授業が終わり、次の授業の準備をしていたシンジの元へ黒い影が近寄っていく。


「転校生、ちょっとつきおうてくれへんか?」



屋上に着き、誰もいないことを確認すると、トウジが口を開いた。


「こないだの戦闘でわしの妹けがしよったんや。何でか分かるか?」

「さぁ?」


「お前がむちゃくちゃ暴れよったからや!お前の操縦がヘボやから瓦礫の下敷きになってしもうたんや!!」

「・・・で?」


いつもと同じ笑顔を顔に張り付けたまま、トウジの神経を逆なでするような返事をする。

「どうして僕のせいなのさ?あの時間には避難指示が出されていたはずだよ。何でそんなところにいるのさ?」

「うっさいわい!!」

そう言って殴りかかる。


バキッ!


鈍い音が響いてシンジは吹っ飛ばされる。なおも掴みかかろうとするトウジにケンスケが割って入る。


「おいっ、トウジもういいだろ?相手は大切なパイロットなんだから。」


ケンスケがなだめるも、トウジの方はまだ憤然とした様子で


「おいっ、転校生!次からはちゃんと足元見てやれや!!」


二人が去り、他に誰もいなくなった屋上でシンジだけが仰向けに寝たままでいる。


(何を考えているの?)


シンジなら簡単に返り討ちにできたでしょう?


そう言外に含みながら聞いてくるミナモに笑いながら冗談で返す。


「いや〜、このイベントが前よりずいぶんと早いなあと思って。」


傍から見るとシンジの独り言が屋上に響く。

そんなシンジに、ミナモは無言で返す。

ミナモの様子に根負けしたのか、ポツリと言葉にする。


「別にトウジのことはどうだっていいんだよ。あんなのは八つ当たりだからね。ボコボコにしてもよかったんだ。」

(じゃあどうして!?)

「殴られたのは妹さんの分だよ。彼女は僕の私怨とは無関係だからね。」


そうしみじみと話しながら立ち上がり、のろのろと教室へ戻っていく。


(ふふふっ、あの二人、後で覚えてなさい。)

ミナモだけが仕返しを誓っていた。









They meet again







ネルフ訓練室


あの後シンジはニコニコしながら教室に戻ってきた。トウジに連れられていったため、心配していたクラスの女子たちもそのシンジの様子にほっと胸をなでおろした。

ただトウジだけが怒りに顔をゆがませていたが。

その後、何事も無く時間は進み、現在ネルフで格闘訓練を行っていた。


「いいか、ブロックするときはしっかり脇を締める。そして絶対に相手から目を離すな。」

「はいっ!」

「すぐに反応できるよう無駄な力は抜いて、ひざは軽く曲げておく。」

「はいっ!」


声だけを聞いていると熱心な生徒に思えるのだが、如何せんいつも笑っているシンジなので真面目にやっているように見えない。

教官の方も自分だけが真面目に教えようとしている気がしてきて、いらいらしてきているようだ。


「おいっ、お前本気でやっているのか?」

「僕はいつでも本気ですよ。」

「ならなんでそんなに嬉しそうなんだ?こういう時にはそれなりの顔があるだろう?」

「気にしないでください。この顔が僕にとっては普通なんですよ。」


咎める教官だが、それに対しても飄々と返す。

それがますますいらだたせる。

すると、気合を入れてやろうとでも思ったのか、


「今日はちょっと組み手をやってみようか。お前がどれくらいできるのか俺も知りたいからな。」


ちょっと痛めつければ本気でするようになるだろう、そんな目論見があるのだがそれを知ってか、


「いいですよ。」


シンジはあっさりとOKを出した。


「実は今日学校でむかつくことがありましてね。ちょうどよかった。」


笑顔で言われても説得力は無いのだが。


「よし、本気でかかってこい。」

「分かりました。」
そう言うとシンジは構えを解いた。


「行きます。」


その瞬間、シンジの姿が消えた―――ように教官の男には見えた。

そして、その次には男の視界は闇に染まっていたのである。




夜、帰り道。

教官の意識を失わせた後、シンジはミサトを呼んで来て訓練の終了を告げた。

今日の訓練は他に無いというミサトの言葉を聞くと、じゃあ帰りますね、と一方的に告げてさっさとネルフから出て行ったのだった。


(いいの?思いっきり怪しまれたと思うけど。)

(大丈夫だよ。なんとでもごまかせるさ。)


今日三度目の呆れ顔をするミナモ。だが、内心では以前にはなかった戦闘力に感心していた。


(体力も技術も無かったあのシンジがねぇ〜・・・。使徒と化して基本能力がぐんと上がったっていうのもあるでしょうけど。本気でこの10年鍛えてたのね。)


一人で感心していると、シンジが話しかけてきた。

(相変わらず護衛がいっぱいついてきてるなぁ。いや、監視といった方がいいかな。)

(ホントに。やっぱ最初がまずかったんじゃない?)

(うぅ、それを言わないでよ。)


初めにケージで笑い始めたり、捕まえようとした諜報部員を一瞬で気絶させたシンジに不信感を抱いたゲンドウが監視を予定よりも強化したのだった。DNA検査も行われたのだが基本的には人間のままなので当然シロと判断されている。

さすがにネルフの人間をこの場で攻撃するのはまずいので我慢している。


(でも、こんなに多いと息が詰まっちゃうよ。どこかで息抜きしないと。)

(そうね。私も久々に暴れたいわ。)

(いいのかい?人類はリリスより生まれしもの。子供を殺すことになっちゃうけど?)

(構わないわ。オリジナルのリリスじゃないし。それに私が大切なのはシンジだけよ。)


大切なのはシンジだけ。

その言葉を聞いてシンジは心が温かくなるのを確かに感じていた。


(・・・ありがとう。じゃあ行こうか?でも暴れるってどうやって?)

(それなら大丈夫よ。シンジから少しずつエネルギーを分けてもらってるから短い時間なら肉体の構成ができるわ。
でも行こうかってどこへ?ネルフをやるのはまずいんでしょう?)

(それなら気にしないで。また戦自の覗き屋がいるみたいだから。諜報部を撒いてしまえば後はどうにでもなる。戦自の方はネルフにやられたと思うだろうしね。)

(ふうん、それじゃ行きましょうか。何人いるの?)

(んーと、僕のマンションを挟んで二人。僕はベランダ側をやるから残りをよろしく。)

(分かったわ。)


二人だけの会話が終わるとシンジは建物の影へと入っていった。

諜報部も後に続くが、そこにすでにシンジの姿は無い。


「やばい、サードを見失った!付近を捜索しろ!」


リーダーらしき男が慌てて指示を出す。



その頃、戦自のシンジを監視していた男も慌てていた。

それもそうだろう。たかが一人の中学生とタカをくくっていたが突然覗いていた双眼鏡の中から消えたのだから。

別に気を抜いていたわけではないが、プロとして中学生一人監視できないとなれば間違いなく首を切られる。

なんとしても見つけ出さなければ、と必死で辺りを探していると、


「ねえ、何を探しているの?」


誰もいなかったはずの背後から声をかけられ驚いて振り返ると、そこにはくすくす笑っている少年―――先ほどまで自分が監視していた―――がいた。

「なっ!!??」

「僕も探すの手伝ってあげようか〜?」

「い、いやっ、いい。」

「え〜、なんでぇ〜?もう見つかったとか?」

「あ、ああ、そうなんだ。だからもう手伝ってくれなくていいんだ。」


まさかお前を探していたともいえず、懸命になって少年を遠ざけようとする。


「ふーん、そうなんだ。」

「ああ、それじゃ。」


少年がこの場を離れそうに無いので仕方なく自分が離れようと立ち上がる。


「ま、僕を探してたんだから当たり前だよね。」

「!?」


すれ違いざまに少年がボソッと言った言葉に驚愕に目を見開いて少年と距離をとる。


「貴様、何者だ!?」


いつもニコニコしている少年に監視に気付くような能力は無いとでも思ったのか、目の前の少年に問う。


「何者って僕はあなたたちの言うサードチルドレンですよ。」


だが、シンジの顔についている笑顔はいつものものと少し違い、やや、気味悪く思わせるものだった。

まるで死神に魂を刈り取られるような。

無言のまま銃を構える男。すでに安全装置は解除され、いつでも発砲できる体勢である。


「ですけれど、今はちょーっと違うんですよね。」

「久しぶりに本物の血の匂いをかぎたくなりまして。」


やばい―――そう感じたのか、男は迷わず引鉄を引いた―――はずだった。

いつまでたっても聞こえてこない発砲音。右手を見ると――無い。腕ごと。


「ぎゃぁぁーーー!!」

知覚した途端に猛烈な痛みが全身を駆け回り、その場に崩れ落ちようとしたが、


「監視の対象を殺そうとしちゃまずいんじゃない?」


体の下にいつの間にか潜り込んでいたシンジに吹き飛ばされる。


「ぐっ、がはっ、た、助けて・・・。」

「やだ。」


必死で助けを請う男にシンジはにべも無い返事を返す。

その後は一方的な殺戮だった。

腕を落とし、足を切り裂き、耳を落とし、腹を割く。

もはや息も絶え絶えの戦自隊員に


「最後に教えてあげるよ。僕のもう一つの名前。」


そういうと男の残っていた方の耳元へ口を近づけて何かしゃべり始めた。

その瞬間男は絶望し、己の運命を呪った。


「じゃあね。」


それが男が聞いたこの世で最後の言葉だった。

シンジはしばらくその場に立っていたが、口の周りをぺろりっ、と嘗めると、


「ふふふ、ははははっ。」


血にぬれた姿で笑い始めた。






一方、シンジとは反対側のマンションの屋上。

向こうとは違い、こちらからは死角に入ったため監視をやめていた。

もともと帰り道までは監視の対象ではない。部屋にいるときだけで十分なのである。

双眼鏡から目を離すと、懐からタバコを取り出し、一服し始めた。吐き出された白い煙が夜空へ上っていく。


「全く、何であんな餓鬼の監視なんかしなきゃいけないんだ、俺が。」

「そう思うのならお止めになったら?」


ただの独り言に答えが返ってきて、驚いて声のした方を拳銃に手をかけながら振り返る。

月明かりに照らされて出て来たのは、まだ14,5歳かというくらいのまだ幼さの残る少女だった。

女の子が出てきたことで少し安心するも、警戒は緩めない。


「嬢ちゃん、こんなところにどうした?暗いんだから早く帰りな。」

「私もそうしたいのは山々なんだけど、ちょっと片付けなきゃいけないことがあってね。」

「なんだ?手伝えることなら手伝ってやるぜ。」

「私とシンジの愛の巣(自称)を覗いてる愚か者がいてね、そいつを始末しようかと。」


始末―――その言葉に反応して発泡する。が当てる気は無かったのか少女―――ミナモのそばを掠めていく。


「お前、ネルフの者か?」

「いえ、違うわ。私はシンジのものよ。というわけであなた死んで頂戴。」


そういうと、猛スピードでミナモが男に突っ込んでくる。

男はすばやく反応し、今度は本気で撃つがミナモは全てかわしていく。

ボムッ

ミナモのボディーブローが突き刺さり、がたいのいい男が10mほど吹き飛ばされる。

シンジと違い、ミナモは武器を持っていない。全て素手である。

吹き飛ばされた男の下へすぐに駆け寄り、体勢を整えさせる間も与えずパンチを繰り出す。

ダメージを食らいながらも致命傷だけは必死で避けながら防御していく。

男の意識も朦朧としてきたところでさすがに疲れてきたのか、ミナモがバランスを崩す。

チャンスと見た男は腕を掴み、折ろうとするが

ぼろっ

音とともにミナモの腕がちぎれ落ちた。


「なっ!?」


男が驚愕の声を上げる。男があっけに取られている間にミナモは間合いを取り、


「あ〜あ、時間切れか。やっぱりまだ長い時間肉体を維持できないわね。」

「お前、本当に人間か?」


震えた声で男が尋ねる。腕が簡単にちぎれたことも、目の前の少女がそれに顔色一つ変えないことが信じられないようだ。


「あなたがそれを知る必要は無いわ。」


そう言って男の方を見つめる。そして、ゆっくりと男に近づいていく。

男は今すぐにこの場から逃げ出したかったが、なぜか足がその場に縫い付けられたように全く動かなかった。

少女が男の下へ着き、ほほをなでる。


「じゃあね。」


耳元で囁くと

バシャッ


男の姿は消え失せた。ただ男が先ほどまでいた場所には黄色い水溜りができており、少女の姿はどこにも無かった。








後書きらしきもの

・・・すんません。シャムシエル戦まで行きませんでした。予定ではアニメに沿って話数を重ねていくはずだったんですが、そこまでいくとやたら長くなってしまいそうだったんで一旦ここで切ります。
今回はトウジ・ケンスケの二人と再び会いました。ですが、トウジはともかくとしてケンスケはあまり扱いがよくありません。トウジもよくは無いですが・・・。この二人は次回でお役御免、になるかもしれません。
また、格闘のシーンですが作者にそんな知識も経験も無いため適当です。勘弁してください。また、前話までとどこか矛盾したところもあるかもしれません。そんな時はぜひメールでご連絡ください。

なるべくなら今月中に次の話まで書き上げたいと思っています。月が変わってもなるべく早く仕上げたいと思っていますので、どうか気長にお待ちください。では。


読んでくれた方、一言でもいいので感想を送っていただけると嬉しいです。非難の言葉でもいいので待ってます。ただし、誹謗・中傷は無しでお願いします。




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