【バンコク=高橋徹】タイ政府が10日、首都バンコクで反政府集会の強制排除に乗り出し、デモ隊と激しく衝突した事件で、11日未明までに死者が15人、負傷者は678人に上っていることが明らかになった。地元メディアが報じた。
死亡したのは現場で取材中だったロイター通信東京支局のカメラマン、村本博之さん(43)のほか、デモ隊側が10人、治安部隊側が4人。村本さんの遺族は11日夜にバンコク入りする予定。
事件を受け在タイ日本大使館は対策室を設置。タイ外務省に対し、今後の在留邦人の安全確保へ最大限の配慮を申し入れた。
事態収拾へ向け、タイ政府はコブサク首相補佐官をデモ隊側との交渉役に任命したが、デモ隊を率いるタクシン元首相支持派団体「反独裁民主統一戦線」(UDD)は交渉を拒否。地元メディアが治安当局の話として伝えたところによると、デモ隊側は治安部隊28人を人質にとっているという。
首相府近くの衝突現場に加え、デモ隊が本拠を置く商業地区の占拠も続いており、解決にはなお時間がかかりそうだ。
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