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所長
神浦元彰
軍事ジャーナリスト
Director
Kamiura Motoaki
Military Analyst

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日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)

2010.04.11

 普天間移設 5月決着 絶望的に 外相、実務協議を断念 

カテゴリ沖縄問題 出典 読売新聞 4月11日 朝刊 
記事の概要
普天間移設問題で、鳩山首相が公約する「5月末の決着」が10日、ほぼ絶望的になった。政府がまとめた新たな移設案は実現性が低いとして、米側が実務者のよる協議入りを拒否し、日本側が同日、協議開始を当面断念する方針を固めたためだ。

実務者協議は、普天間の移設先を日米が具体的に検討する場で、日本政府は早期開催を米側の求めていた。

しかしルース駐日大使は9日に岡田外相と会談した際、日本案について@米軍の運用面で実現的でない A受け入れる地元合意がない B移設実現の期限が不明ーーなど指摘し、協議開催は時期尚早と伝えた。

政府の移設案に選ばれた徳之島や沖縄県では、日増しに反発が強まっている。徳之島では、政府関係者が自治体に移設の打診する実現できていない。

これによって、鳩山首相の政治責任が厳しく問われるのは確実だ。
コメント
軍事を知らないカナリアは、裏の林に捨てられるのである。

軍事理論に裏打ちされていない自分勝手な思いこみや、軍事知識を無視した思いつきは非安定化する危険な考えとなる。

たとえ政治で最高権力を奪っても、軍事を知らなけれがば政治の世界から強制排除されるしかない。

残念ながら、今の政治家で軍事の専門家とか、防衛のエキスパートと呼ばれる人でも、評価できる人はごくごく僅かである。

これは思想や価値観ではない。世界のどの国にいっても、共通の軍事知識ななである。

夏の参院選前に、小沢幹事長の辞任はあるかと思っていたが、鳩山首相が辞任するとは思わなかった。

アメリカが鳩山政権を見放したと感じたのは、岡田外相に @地元の反対がないこと A海兵隊の統一運用が出来ること の2条件を課したときである。9日はこれに、B移設実現の期限を示すことの条件が加わった。

まさに鳩山政権は絶望的である。

これはアメリカが落とし穴を掘って鳩山首相を落としなのか。それとも、鳩山首相が自ら掘った穴に落ちたのか。検証が必要だと思う。
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