午前9時前、午後2時過ぎ、深夜。1年を過ぎた単身赴任生活の三食は、意外に規則正しい▲出勤ぎりぎり、夕刊の締め切り後、酒が入るころ。それぞれ理由はちゃんとある。でも1年たつと、休みの日でも腹が減るのは、やはりその時刻になった▲理由のある営みも、長く続けば得てして惰性に陥る。紙面づくりも同じ。記事を書きレイアウトを決めるとき、安直に前年の紙面にならうのは、私たちの悪弊である▲4月から和歌山面の中身もレイアウトも変えようとしている。手慣れた作業を一度解体するのは、いつもと違う時刻に食事するような居心地の悪さがある。それでも、読者のニーズに応える紙面は何かと、模索を続けたい。皆さんの厳しいご意見もお待ちしています。【麻生幸次郎】
毎日新聞 2010年4月3日 地方版