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ポーランド大統領墜落死:「カチンの森」式典も中止

 【モスクワ大木俊治】70年前に悲劇の舞台となった「カチンの森」が新たな惨事を生んだ。1940年に起きた「カチンの森事件」の追悼式に向かうカチンスキ大統領らを乗せたポーランド政府専用機は10日、ロシア西部スモレンスクの森に墜落、大破した。事故現場には機体が散乱。あちこちから煙や炎が上がる。懸命の救助活動が行われたが、一人の生存者も見つからなかった。

 この日の式典はポーランドの主催で、「カチンの森事件」の犠牲者の遺族ら約1000人が参加する予定だった。多くは列車で10日朝までに現地入りし、大統領の到着を待ち受けていたが、墜落事故を受けて式典は中止された。

 広大な松林が広がる「カチンの森事件」の現場跡には、ポーランド人犠牲者の墓地を整備した追悼施設が00年にオープン。ポーランドの歴代大統領が墓参に訪れ、カチンスキ大統領も07年9月に追悼行事出席のため現地を訪れていた。

 第二次大戦中に当時のソ連・スターリン政権の決定で戦争捕虜ら2万人以上のポーランド人が銃殺され埋められた事件は「カチンの森事件」と総称されるが、埋葬現場は5カ所あり、43年にナチス・ドイツ軍が初めて大量の遺体を発見した「カチンの森」には、このうち4421人が埋葬されている。

 ロシア側はこれに先立つ7日、プーチン首相が70年に合わせロシア首脳として初めて事件の舞台を訪れ、ポーランドのトゥスク首相を招いて追悼式典を行い、ポーランドとの歴史的対立を乗り越えようと「和解」を呼び掛けたばかりだった。

毎日新聞 2010年4月10日 21時05分(最終更新 4月11日 0時17分)

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