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2010(Sat) 18:13
梶浦さん 「小倉智昭のラジオサーキット」ゲスト出演
1時すぎまで寝てしまい…忘れずに聴けてよかったです。
※小倉さんの他に女性が一人いたんですが、殆ど喋っていらっしゃらなかったので、一瞬だけ登場します。(あと文字にしてない紹介部分とかだけだったので)
■小倉 智昭のラジオサーキット
15:15〜 「オグラの小部屋」
梶浦由記 生放送出演
小倉>アニメ映画など多方面で活躍していますが・・今現在はどういう活動を?
梶浦>分かりやすく説明すると、半分サウンドトラック、半分女性ウタモノつくっています。
小倉>ある意味サウンドトラック、映画音楽を創る方って殆どそっちをおやりになる方多いんですけど
梶浦>そうでしょうかね。元々歌が好きで音楽をはじめたものですから、歌をやっているとインストを作りたくなって、インストをやっていると歌をやりたくなるって両方やりたくなる。
小倉>ご自分でも歌ってそれがCDになったりすることはあるんですか?
梶浦>自分の声あまり好きではないです。もっと歌のうまいかたが世の中にはいっぱいいるので。ただ歌のうまい方のバックコーラスにこっそりしのびこませたりはします。
小倉>主に曲を作るのはピアノとか、楽器でおつくりになるんですか?それとも譜面?
梶浦>ピアノで作る時が多いですけど、外で思い浮かんだりするときは譜面に書いたりします。
小倉>音楽の道に進もうと思って、歌を好きになったのと、自分が仕事として選ぼうと思ったのとはまた全然違うタイミングだと思うんですけど、それはいつごろでした?
梶浦>実は私、普通に学校を出て、普通のすごく固い会社にお勤めしまして
小倉>え、音楽学校とかじゃないんですか?
梶浦>まったく音楽教育受けたことないんです。
小倉>固い会社?
梶浦>すごく固い会社です。
小倉>どういう感じの?
梶浦>電話系の固い会社です。(※注:NTT)
小倉>ああーー電話系の・・・それは何年くらい?
梶浦>3年ですね。3年ちょっとくらい
小倉>でも小さい頃ときからピアノとかはおやりになってたんでしょ?
梶浦>やってましたね。父がオペラ好きだったので、オペラを小学生の時聴いたり、兄がビートルズ好きだったので、一時ビートルズにはまったり、音楽は凄く好きだったんです。で、ずっと音楽きいたり、自分でも作ったりしてきたんですけど、わりとうちの家族は親戚みんな会社勤めの人間で、会社勤め以外に仕事があると考えたことがなかったんです。なので自分も一生会社勤めして、音楽は趣味で続けようと思っていたんです。
小倉>でも何かきっかけがあったんでしょう?
梶浦>そうですね。実は父親がわりと私が若いころに亡くなっちゃったんです。父と約束していたことがありまして。父と、二十歳になったら父がオペラ歌って、私がピアノを弾いてリサイタルを開こうって約束していたんですが、私が二十歳になる前に亡くなってしまって、出来なかったんです、結局リサイタルは。自分でも仕事と音楽選ばなきゃいけなくなったときに、案外人生短いかもしれないから、音楽やっておこうかなってそっちにいっちゃったんです。
小倉>音楽やっとこうかなって思う人はこの世の中に沢山いると思うんです。そこから世に出るのって難しいじゃないですか。売り込みとかしたんですか?オーディションとか。
梶浦>一応そのときやっていたバンドで色々声はかけていただいていたんです。
小倉>声かけてもらってたんだ?じゃあいいバンドでうまかったんだ。
梶浦>ある程度チャンスがあったときに、結局そのバンドをやるとしたら、仕事を辞めなきゃいけない、ってなったときに、将来路頭に迷ってもいいからやろうかなってそんときは思いました。
小倉>固い仕事してたときにやってたバンドってどんなバンドなんですか?
梶浦>なんていったらいいですかね。ポップスとプログレをごちゃごちゃにやってるようなバンドでしたね。
小倉>女性だけ?
梶浦>女性、ベーシストは全部フレットレス、ヴァイオリンは打ち込みでやったりとか、すごく変なバンドでした。
小倉>女性だけで、プログレッぽいのやる人たちってあんまりいないですよね。
梶浦>あの、そのアマチュアのころにやってた音楽を、今もう一回やってるような気がしますね。ちょっと変わったバンドでした。
小倉>それじゃあ、好きでそれが結びついたのだったら、今充実してるでしょう?
梶浦>楽しいですね。好き勝手生きてるって自覚があります。
小倉>影響を受けたアーティストって?
梶浦>まずそのポップスとかロックを聴き始めたのってビートルズだったんです。で、凝り性だったんです。小学生のころから。そのときに、好きになったら全部歌を紙に写して、全曲覚えてたんですよ。そういう凝り性だったので。ビートルズから、クイーンとかアバとか、すごくいいバンドが出てきた頃だったので、ブリティッシュ一辺倒でしたね。
小倉>僕もブリティッシュのプログレが好き昨日も4時間くらいプログレ聴いてやっぱりいいなーって思ってたんですけど
梶浦>マイク・オールドフィールド、?????とか(聴きとれず)
小倉>僕はもうちょっと前でなんとかかかんとか(小倉さんの趣味は興味ないので省略)
小倉>プロデュースって結構難しいと思うんですけど、その人の良さを引き出して、どういう楽曲をやらせるかって。あれって何が基本になるんですか
梶浦>私の場合のプロデュースって、他の方とはすごく違って我儘なやり方をさせて頂いてまして、他の方は普通アーティストさんがいてプロデュースすると思うんですけど、私の場合は曲があってプロデュースを始めるんです。
小倉>まず曲ありきなんだ?
梶浦>はい。申し訳ないんですけど。こういう曲がやりたいって前提があって歌い手さんを集めるんです。
小倉>贅沢ですよね
梶浦>すいません。本当にそうなんです。だからこの人をプロデュースしたいって思ったことは正直ないです。こういう曲がやりたいから、こういう歌い手さんを探そうって、それでお願いする。
小倉>それってなかなか探せるもんじゃないですよね。
梶浦>そうなんですよ。
小倉>レコード会社の人がアンテナをはっておいて、この人がいいとか集めてくるんですか?
梶浦>色んな方にお願いして、色んな方の音を聴かせていただいたりして。あるいはきっかけになる作品があれば、オーディションをしていただくこともあります。
小倉>でも今梶浦さんに作ってもらいたい人って大勢いるんでしょう?
梶浦>いや、そんなことはないんですけど。
小倉>映画の作品もそうだと思うんですけど、あの、サントラって仕事は僕は苦しいのかもわからないけど、作れたらどんなにいいだろうなと一番うらやましい仕事の一つなんですよね。映画とかドラマとか背景に音楽が流れていなかったら、本当につまらないものになるじゃないですか。音楽ってとても大事ですよね。
梶浦>音楽って思ってる以上に人に心をリードしてしまうので、ミスリードだけはしないようにすごく気をつかいますね、サウンドトラックって。
小倉>そうだよなぁ。ラブロマンスのシーンでおどろおどろしい曲をかけたら絶対だめだもんなぁ。
小倉>どういう経緯があってサントラをやるように?
梶浦>はじめはアニメーションの作品だったんですけど。
梶浦>元々、歌でプログレじゃないけど、大げさな曲を作っていたので、サウンドトラックやってみないかってアニメーションのプロデューサーの方に声をかけていただいて。正直それまでインストに興味なかったんです。でもちょっとやってみようかなってやってみたら、映像と音があったときの効果にやられちゃったんです。なんて楽しいんだろうって。それからサウンドトラックのお仕事好きになっちゃいまして。というか虜になりまして。
小倉>北野武監督のアキレスと亀のサントラもおつくりになったそうですが、北野さんから要望があったんですか?
梶浦>人づてに音楽を聴いていただきましたら、今度の作品にあうんじゃないかって声をかけていただきました。
小倉>武さんには実際にお会いになって?
梶浦>はい、何度か
小倉>色んな話をして?
梶浦>そうですね。
小倉>武さん自身も音楽やる人ですけども、彼の要望とか注文とか結構あったんですか?
梶浦>そんなに多い注文いただいたわけではないんですけど、このシーンからこのシーンまではこういう雰囲気で、とわりと端的なご注文をいただいて。
小倉>サントラって色んなつけ方があると思うんですが、たとえばスクリーンを見ながらそれにあててつけていくって方法もあったみたいですけど、どういう風にして音楽を?
梶浦>映像を頂いたので、映像を見ながらピアノ弾きながらっていう感じでしたね。
ここから入れて。。。ここから出るから。。。とわりとリアルに作っていました。
小倉>監督と作曲家のイメージのずれってあるじゃないですか
ありますね。
小倉>そういう場合ってどうするんですか?武さんなんかクレームついたりしたんですか?
梶浦>それが今回一発だったんです。ちょっと拍子抜けなくらい。
梶浦>だからまったく作り直しはなかったです。
小倉>アニメの作品なんかはどうですか?クレームついたりすることはあります?
梶浦>一応「ここイメージが違う」と創りなおすことが"無い作品は無い"んです。
梶浦>それはお互いにしょうがないことなんです。感覚の違いがありますから。普通あるんです。
梶浦>そのときは本当になかったんです。
小倉>こういう映画サウンドトラックをやってみたいとか夢をお持ちですか?
梶浦>元々、子供のころからファンタジックなものが好きだったんですね。SF小説とかファンタジー小説とか凄く好きだったんです。わりと今アニメーション音楽を多くさせていただいてるんですが、アニメーションってすごくファンタジックな世界観が多いので、わりと自分の創りたい音楽が作れています。そういう意味ではすごくいいフィールドでお仕事させていただいてるかなと思いますし。映像作品大好きなので、色んな映像作品に音をつけていきたいなと思いますし、歌も沢山作りたいし。我儘なんですけど。
小倉>世界的な規模でいったら、ディズニーとかファンタジックなもの沢山ありますけど、日本ってアニメーション技術も進んでるし、良い作品も他の国よりかなりある国ですよね。
梶浦>そうですね。大人がみても楽しい作品が沢山あるなと思います。
小倉>僕はね、ウエストサイドストーリーなんて、今やスタンダードになってるじゃないですか。ああいうサウンドトラックって実にいいなって思うんですよ。
梶浦>格好いいですよね
小倉>あれ曲だけ聴いたって本当に惚れ惚れする。だから今まで歴史に残る映画の中で頭の中にこびりついてるサウンドトラックって何本かはあるんですけど。そういう歴史に残る作曲が出来たらどんなに素晴らしいんだろうなって思うんですけど、僕なんてそういう才能がないんで、梶浦さんはそういうチャンスをいくらでも持ってるんですもんね。
梶浦>あのーでも本当に楽しいですね。映像と音楽を合わせるお仕事っていうのは本当に純粋に楽しいです。こんな楽しい仕事してもいいのかなって思ってます。
小倉>そうですよねー。アカデミー賞とか取ってくださいよ。
梶浦>がんばります。
小倉>がんばってください。
Kalafina「光の旋律」が流れる。
「とくなべ」というコーナー
小倉>サントラをおつくりになるプロの方がいらっしゃるのにこういうくだらないコーナーをやってもしょうがないと思うんですけど。
小倉>誰にも教えたくない私だけのパワースポットがあったら教えていただけます?
梶浦>すいません…。私、家から出ない派なので、パワースポットは家のお風呂です(笑)
小倉>なるほどねぇ。
FJ、Kalafinaのツアー、ライブベストアルバム案内
小倉>梶浦さんに座右の銘を書いてもらいました。「自分を動かす」
梶浦>音楽を作っていて、人を感動させようとか、これをやったら人は感動してくれるだろうとか、おこがましいようで苦手で。そういうこと考えるときっと自分は駄目だろうって思うんですね。これをやったらヒットすだろうとか。そういうこと考え始めるってすごく自分の中で見失うものが大きなと思っているので。とにかく常に自分を感動させるものをつくって、これなら自分の心は動きましたがみなさんどうですか?っていって、聴いていただくようなそんな音楽の創り方をしていきたいなっていつも心がけています。
小倉>でも自分を感動させるために音楽を作っているということは御自身の感性が豊かで、センスが良くないと他の人は感動してくれないってことですよね。
梶浦>感動の仕方も、どんどん人間感動しなくなるじゃないですか。だから自分の心もちゃんと物事に動くようにしていきたいなって。そういう作り方しかできないなって思っているところがあります。
小倉>でもその作り方しかできないって仰っても、創ったものがそれだけ世の中に受け入れられるっていうことは、極々一部の作曲しかそういうチャンスないと思うんですよね。
だって自分が一番感動してるに決まってるんですよ、作曲家は皆!「これは良い曲だー!」って思ってても、殆どの人が売れないわけですから。それが色んな業界から引く手あまたっていうのは、やっぱり能力をお持ちになっているって。そういう方が「自分を動かす」って謙虚に仰られると我々辛いよね
女性>そうですね。
小倉>ね。オレは自分を動かしたって誰も動かせないもんな(笑)いいなー。音楽好きなんですけど作ったりできないもんですから、そういう方がうらやましい。
女性>楽しみながらですもんね。
梶浦>楽しいですすいません。(笑)
小倉>聴いてるときより作ってるときのほうが楽しいもんですか?
梶浦>いやもう聴いてるほうが楽しいです(笑)
小倉>(笑) 生みの苦しみとかもあるわけでしょ?
梶浦>そうですね。やっぱり作っているときは「明日になったらやめてやる!やめてやる!」って思ってます。
小倉>ハッピーな楽しい曲を作ってるときと、暗い曲を作っているときと、どっちがいいんですかね
梶浦>私の創る曲の8割は暗いと言われる曲なんですよ(笑)なので両方楽しいですね。大体音楽ってどういうもの作っているときも、のめり込むものなので。
最後に、1通メール紹介あり。
"「Xenosaga」で知った。「Febronia」と「hepatica」が好き"というお手紙。
FictionJunction「時の向こう 幻の空」がかかって終了
こういうサントラの話したときには、サントラの曲流してほしいと思ってしまいます。
※小倉さんの他に女性が一人いたんですが、殆ど喋っていらっしゃらなかったので、一瞬だけ登場します。(あと文字にしてない紹介部分とかだけだったので)
■小倉 智昭のラジオサーキット
15:15〜 「オグラの小部屋」
梶浦由記 生放送出演
小倉>アニメ映画など多方面で活躍していますが・・今現在はどういう活動を?
梶浦>分かりやすく説明すると、半分サウンドトラック、半分女性ウタモノつくっています。
小倉>ある意味サウンドトラック、映画音楽を創る方って殆どそっちをおやりになる方多いんですけど
梶浦>そうでしょうかね。元々歌が好きで音楽をはじめたものですから、歌をやっているとインストを作りたくなって、インストをやっていると歌をやりたくなるって両方やりたくなる。
小倉>ご自分でも歌ってそれがCDになったりすることはあるんですか?
梶浦>自分の声あまり好きではないです。もっと歌のうまいかたが世の中にはいっぱいいるので。ただ歌のうまい方のバックコーラスにこっそりしのびこませたりはします。
小倉>主に曲を作るのはピアノとか、楽器でおつくりになるんですか?それとも譜面?
梶浦>ピアノで作る時が多いですけど、外で思い浮かんだりするときは譜面に書いたりします。
小倉>音楽の道に進もうと思って、歌を好きになったのと、自分が仕事として選ぼうと思ったのとはまた全然違うタイミングだと思うんですけど、それはいつごろでした?
梶浦>実は私、普通に学校を出て、普通のすごく固い会社にお勤めしまして
小倉>え、音楽学校とかじゃないんですか?
梶浦>まったく音楽教育受けたことないんです。
小倉>固い会社?
梶浦>すごく固い会社です。
小倉>どういう感じの?
梶浦>電話系の固い会社です。(※注:NTT)
小倉>ああーー電話系の・・・それは何年くらい?
梶浦>3年ですね。3年ちょっとくらい
小倉>でも小さい頃ときからピアノとかはおやりになってたんでしょ?
梶浦>やってましたね。父がオペラ好きだったので、オペラを小学生の時聴いたり、兄がビートルズ好きだったので、一時ビートルズにはまったり、音楽は凄く好きだったんです。で、ずっと音楽きいたり、自分でも作ったりしてきたんですけど、わりとうちの家族は親戚みんな会社勤めの人間で、会社勤め以外に仕事があると考えたことがなかったんです。なので自分も一生会社勤めして、音楽は趣味で続けようと思っていたんです。
小倉>でも何かきっかけがあったんでしょう?
梶浦>そうですね。実は父親がわりと私が若いころに亡くなっちゃったんです。父と約束していたことがありまして。父と、二十歳になったら父がオペラ歌って、私がピアノを弾いてリサイタルを開こうって約束していたんですが、私が二十歳になる前に亡くなってしまって、出来なかったんです、結局リサイタルは。自分でも仕事と音楽選ばなきゃいけなくなったときに、案外人生短いかもしれないから、音楽やっておこうかなってそっちにいっちゃったんです。
小倉>音楽やっとこうかなって思う人はこの世の中に沢山いると思うんです。そこから世に出るのって難しいじゃないですか。売り込みとかしたんですか?オーディションとか。
梶浦>一応そのときやっていたバンドで色々声はかけていただいていたんです。
小倉>声かけてもらってたんだ?じゃあいいバンドでうまかったんだ。
梶浦>ある程度チャンスがあったときに、結局そのバンドをやるとしたら、仕事を辞めなきゃいけない、ってなったときに、将来路頭に迷ってもいいからやろうかなってそんときは思いました。
小倉>固い仕事してたときにやってたバンドってどんなバンドなんですか?
梶浦>なんていったらいいですかね。ポップスとプログレをごちゃごちゃにやってるようなバンドでしたね。
小倉>女性だけ?
梶浦>女性、ベーシストは全部フレットレス、ヴァイオリンは打ち込みでやったりとか、すごく変なバンドでした。
小倉>女性だけで、プログレッぽいのやる人たちってあんまりいないですよね。
梶浦>あの、そのアマチュアのころにやってた音楽を、今もう一回やってるような気がしますね。ちょっと変わったバンドでした。
小倉>それじゃあ、好きでそれが結びついたのだったら、今充実してるでしょう?
梶浦>楽しいですね。好き勝手生きてるって自覚があります。
小倉>影響を受けたアーティストって?
梶浦>まずそのポップスとかロックを聴き始めたのってビートルズだったんです。で、凝り性だったんです。小学生のころから。そのときに、好きになったら全部歌を紙に写して、全曲覚えてたんですよ。そういう凝り性だったので。ビートルズから、クイーンとかアバとか、すごくいいバンドが出てきた頃だったので、ブリティッシュ一辺倒でしたね。
小倉>僕もブリティッシュのプログレが好き昨日も4時間くらいプログレ聴いてやっぱりいいなーって思ってたんですけど
梶浦>マイク・オールドフィールド、?????とか(聴きとれず)
小倉>僕はもうちょっと前でなんとかかかんとか(小倉さんの趣味は興味ないので省略)
小倉>プロデュースって結構難しいと思うんですけど、その人の良さを引き出して、どういう楽曲をやらせるかって。あれって何が基本になるんですか
梶浦>私の場合のプロデュースって、他の方とはすごく違って我儘なやり方をさせて頂いてまして、他の方は普通アーティストさんがいてプロデュースすると思うんですけど、私の場合は曲があってプロデュースを始めるんです。
小倉>まず曲ありきなんだ?
梶浦>はい。申し訳ないんですけど。こういう曲がやりたいって前提があって歌い手さんを集めるんです。
小倉>贅沢ですよね
梶浦>すいません。本当にそうなんです。だからこの人をプロデュースしたいって思ったことは正直ないです。こういう曲がやりたいから、こういう歌い手さんを探そうって、それでお願いする。
小倉>それってなかなか探せるもんじゃないですよね。
梶浦>そうなんですよ。
小倉>レコード会社の人がアンテナをはっておいて、この人がいいとか集めてくるんですか?
梶浦>色んな方にお願いして、色んな方の音を聴かせていただいたりして。あるいはきっかけになる作品があれば、オーディションをしていただくこともあります。
小倉>でも今梶浦さんに作ってもらいたい人って大勢いるんでしょう?
梶浦>いや、そんなことはないんですけど。
小倉>映画の作品もそうだと思うんですけど、あの、サントラって仕事は僕は苦しいのかもわからないけど、作れたらどんなにいいだろうなと一番うらやましい仕事の一つなんですよね。映画とかドラマとか背景に音楽が流れていなかったら、本当につまらないものになるじゃないですか。音楽ってとても大事ですよね。
梶浦>音楽って思ってる以上に人に心をリードしてしまうので、ミスリードだけはしないようにすごく気をつかいますね、サウンドトラックって。
小倉>そうだよなぁ。ラブロマンスのシーンでおどろおどろしい曲をかけたら絶対だめだもんなぁ。
小倉>どういう経緯があってサントラをやるように?
梶浦>はじめはアニメーションの作品だったんですけど。
梶浦>元々、歌でプログレじゃないけど、大げさな曲を作っていたので、サウンドトラックやってみないかってアニメーションのプロデューサーの方に声をかけていただいて。正直それまでインストに興味なかったんです。でもちょっとやってみようかなってやってみたら、映像と音があったときの効果にやられちゃったんです。なんて楽しいんだろうって。それからサウンドトラックのお仕事好きになっちゃいまして。というか虜になりまして。
小倉>北野武監督のアキレスと亀のサントラもおつくりになったそうですが、北野さんから要望があったんですか?
梶浦>人づてに音楽を聴いていただきましたら、今度の作品にあうんじゃないかって声をかけていただきました。
小倉>武さんには実際にお会いになって?
梶浦>はい、何度か
小倉>色んな話をして?
梶浦>そうですね。
小倉>武さん自身も音楽やる人ですけども、彼の要望とか注文とか結構あったんですか?
梶浦>そんなに多い注文いただいたわけではないんですけど、このシーンからこのシーンまではこういう雰囲気で、とわりと端的なご注文をいただいて。
小倉>サントラって色んなつけ方があると思うんですが、たとえばスクリーンを見ながらそれにあててつけていくって方法もあったみたいですけど、どういう風にして音楽を?
梶浦>映像を頂いたので、映像を見ながらピアノ弾きながらっていう感じでしたね。
ここから入れて。。。ここから出るから。。。とわりとリアルに作っていました。
小倉>監督と作曲家のイメージのずれってあるじゃないですか
ありますね。
小倉>そういう場合ってどうするんですか?武さんなんかクレームついたりしたんですか?
梶浦>それが今回一発だったんです。ちょっと拍子抜けなくらい。
梶浦>だからまったく作り直しはなかったです。
小倉>アニメの作品なんかはどうですか?クレームついたりすることはあります?
梶浦>一応「ここイメージが違う」と創りなおすことが"無い作品は無い"んです。
梶浦>それはお互いにしょうがないことなんです。感覚の違いがありますから。普通あるんです。
梶浦>そのときは本当になかったんです。
小倉>こういう映画サウンドトラックをやってみたいとか夢をお持ちですか?
梶浦>元々、子供のころからファンタジックなものが好きだったんですね。SF小説とかファンタジー小説とか凄く好きだったんです。わりと今アニメーション音楽を多くさせていただいてるんですが、アニメーションってすごくファンタジックな世界観が多いので、わりと自分の創りたい音楽が作れています。そういう意味ではすごくいいフィールドでお仕事させていただいてるかなと思いますし。映像作品大好きなので、色んな映像作品に音をつけていきたいなと思いますし、歌も沢山作りたいし。我儘なんですけど。
小倉>世界的な規模でいったら、ディズニーとかファンタジックなもの沢山ありますけど、日本ってアニメーション技術も進んでるし、良い作品も他の国よりかなりある国ですよね。
梶浦>そうですね。大人がみても楽しい作品が沢山あるなと思います。
小倉>僕はね、ウエストサイドストーリーなんて、今やスタンダードになってるじゃないですか。ああいうサウンドトラックって実にいいなって思うんですよ。
梶浦>格好いいですよね
小倉>あれ曲だけ聴いたって本当に惚れ惚れする。だから今まで歴史に残る映画の中で頭の中にこびりついてるサウンドトラックって何本かはあるんですけど。そういう歴史に残る作曲が出来たらどんなに素晴らしいんだろうなって思うんですけど、僕なんてそういう才能がないんで、梶浦さんはそういうチャンスをいくらでも持ってるんですもんね。
梶浦>あのーでも本当に楽しいですね。映像と音楽を合わせるお仕事っていうのは本当に純粋に楽しいです。こんな楽しい仕事してもいいのかなって思ってます。
小倉>そうですよねー。アカデミー賞とか取ってくださいよ。
梶浦>がんばります。
小倉>がんばってください。
Kalafina「光の旋律」が流れる。
「とくなべ」というコーナー
小倉>サントラをおつくりになるプロの方がいらっしゃるのにこういうくだらないコーナーをやってもしょうがないと思うんですけど。
小倉>誰にも教えたくない私だけのパワースポットがあったら教えていただけます?
梶浦>すいません…。私、家から出ない派なので、パワースポットは家のお風呂です(笑)
小倉>なるほどねぇ。
FJ、Kalafinaのツアー、ライブベストアルバム案内
小倉>梶浦さんに座右の銘を書いてもらいました。「自分を動かす」
梶浦>音楽を作っていて、人を感動させようとか、これをやったら人は感動してくれるだろうとか、おこがましいようで苦手で。そういうこと考えるときっと自分は駄目だろうって思うんですね。これをやったらヒットすだろうとか。そういうこと考え始めるってすごく自分の中で見失うものが大きなと思っているので。とにかく常に自分を感動させるものをつくって、これなら自分の心は動きましたがみなさんどうですか?っていって、聴いていただくようなそんな音楽の創り方をしていきたいなっていつも心がけています。
小倉>でも自分を感動させるために音楽を作っているということは御自身の感性が豊かで、センスが良くないと他の人は感動してくれないってことですよね。
梶浦>感動の仕方も、どんどん人間感動しなくなるじゃないですか。だから自分の心もちゃんと物事に動くようにしていきたいなって。そういう作り方しかできないなって思っているところがあります。
小倉>でもその作り方しかできないって仰っても、創ったものがそれだけ世の中に受け入れられるっていうことは、極々一部の作曲しかそういうチャンスないと思うんですよね。
だって自分が一番感動してるに決まってるんですよ、作曲家は皆!「これは良い曲だー!」って思ってても、殆どの人が売れないわけですから。それが色んな業界から引く手あまたっていうのは、やっぱり能力をお持ちになっているって。そういう方が「自分を動かす」って謙虚に仰られると我々辛いよね
女性>そうですね。
小倉>ね。オレは自分を動かしたって誰も動かせないもんな(笑)いいなー。音楽好きなんですけど作ったりできないもんですから、そういう方がうらやましい。
女性>楽しみながらですもんね。
梶浦>楽しいですすいません。(笑)
小倉>聴いてるときより作ってるときのほうが楽しいもんですか?
梶浦>いやもう聴いてるほうが楽しいです(笑)
小倉>(笑) 生みの苦しみとかもあるわけでしょ?
梶浦>そうですね。やっぱり作っているときは「明日になったらやめてやる!やめてやる!」って思ってます。
小倉>ハッピーな楽しい曲を作ってるときと、暗い曲を作っているときと、どっちがいいんですかね
梶浦>私の創る曲の8割は暗いと言われる曲なんですよ(笑)なので両方楽しいですね。大体音楽ってどういうもの作っているときも、のめり込むものなので。
最後に、1通メール紹介あり。
"「Xenosaga」で知った。「Febronia」と「hepatica」が好き"というお手紙。
FictionJunction「時の向こう 幻の空」がかかって終了
こういうサントラの話したときには、サントラの曲流してほしいと思ってしまいます。