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東大合格者 大幅増…秋田県

学テ トップ級の面目躍如

在校生に体験談を話す東大合格者ら(17日、秋田高校で)

 全国学力テストはトップクラスなのに、「大学進学は振るわない」と言われた秋田県。東大合格者を今春、大幅に増やした。

 大学進学の不振は県議会で取り上げられ、県は独自プロジェクトを導入。教師は生徒をやる気にさせ、桜を咲かせた。

 県立秋田高は東大に16人が合格し、昨年の7人から2倍以上になった。能代などほかの県立校も合格者を出した。

 秋田高で17日に合格体験の発表会が開かれ、東大志望の在校生約30人が耳を傾けた。東大に現役合格した先輩が、「東大に入る強い信念を持つことが大事」「模試の点数が低くても気にしない」と助言。在校生はノートを取りながら、「赤本(過去の入試問題集)はいつ買いましたか」「睡眠時間は」と熱心に質問した。

 2007年の学力テストで、秋田は小学6年の全4科目で1位。その後も上位を占める。県議会で07年、「小中の高い学力が、大学進学時までにあまり伸びていないのでは」と指摘された。当時の知事が「大学進学率引き上げに高校で取り組む」と答えた。

 県が08年度から取り組むのが「高校生パワーアップ推進事業」。年1億円を超える予算を充てる。学力の高い生徒を集めて大手予備校講師の講座を開き、県外の進学校の授業に参加させ、合宿も行った。根岸均教育長は1年前、県議会で「センター試験10番台、東大合格者倍増」の目標を示した。

 秋田高は、2年の補習で東大の入試問題に取り組んだり、保護者面接を増やして東大を勧めたりした。現役は前年より7人多い24人が挑戦。学年主任の和田央教諭(50)は「これまでは志望校のランクを下げる生徒が多かった」と話す。

 合格した加賀谷北斗さん(18)は「野球部を引退後、担任から『東大に受かる』と勧められ、勇気付けられた。睡眠4時間以下で猛勉強した」と振り返る。講座担当の予備校講師・安藤勝美さん(40)は「秋田の生徒は潜在学力は高く、まじめ。受験ノウハウが加わり、結果が出た」と分析する。

 根岸教育長は「学校の取り組みが大きな要因。『小中はいいのに、高校は』という声が、先生にはプレッシャーになったのだろう」と結果を喜んでいる。

 (秋田支局 松本健太朗)

 国公立大進学率1位富山は「大学探訪」

 学力テストで秋田と肩を並べる富山県は、公立高校から東大など難関大の合格者が多い。県教委の調査で、09年の国公立大進学率は19%と3年連続全国1位。県立富山中部では、生徒が国公立大を訪ねる「大学探訪」が盛んで、意欲をかき立てる。

 先輩から学習計画表を見せてもらい、勉強法も伝授される。亀田瑞穂・進路指導部長(50)は「東大出願者が増えている」といい、県も予備校講師を招くなどバックアップする。

 (富山支局 安藤康子)

2010年3月25日  読売新聞)
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