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デモ隊を強制排除 タイ デモ隊 銃撃で応戦 負傷者200人に
このニュースのトピックス:アジア・オセアニア
【シンガポール=宮野弘之】タイ治安当局は10日、首都バンコクで反政府集会を続けるタクシン元首相の支持団体、「反独裁民主統一戦線」(UDD)に対し、催涙ガスや放水による強制排除を開始した。一方、デモ隊は治安部隊に対し実弾による銃撃を始め、兵士少なくとも20人が負傷したもようだ。双方の負傷者は約200人に上っており、3月14日に始まった今回のデモは大きな局面を迎えた。
デモ隊の1人が死亡したほか、首相府に小型砲弾が撃ち込まれたとの情報もある。地元テレビは兵士1人が死亡したとしている。
地元メディアによると、治安部隊は10日、デモ隊に前日占拠されたバンコク郊外の衛星放送施設に6個中隊を送り、施設を取り返した。さらに、市内の陸軍基地に乗り込もうとしたデモ隊数百人を放水銃などで追い散らした軍は、バンコク最大の繁華街と首相府近くに集まるデモ隊を包囲。放水や催涙ガス、ゴム弾で排除を開始した。
拠点に通じるバンコクの高架鉄道はすべて運転を止め、道路も封鎖されている。
これまで強制排除に慎重な姿勢を示してきたアピシット首相は、9日夜のテレビ演説で、同日、衛星放送施設などが占拠されたことを上げ、「デモ隊の行動には失望した。デモ終結のためのあらゆる手段を取る」と警告していた。
UDDは3月14日にデモを始め、今月3日には日系デパートなどが立ち並ぶ繁華街を占拠、経済活動にも大きな影響が出ていた。