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2010鳩山政権

小沢家の法要、数千人規模で計画 議員に案内、飛ぶ憶測

2010年4月10日7時0分

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 民主党の小沢一郎幹事長が18日、地元の岩手県奥州市水沢地区で両親の「しのぶ会」を開く。数千人規模という大法要は小沢氏系の幹部を総動員し、当日は本人のあいさつも予定されている。今年は両親の年忌法要の時期ではないため、小沢氏の真意をめぐって憶測を呼んでいる。

 法要の準備はひそかに進められていた。場所は小沢氏の自宅に近い水沢体育館。3千人規模の収容が可能だ。側近議員から岩手県知事に転身した達増拓也氏、県選出国会議員、系列県議、後援会幹部らが参列する予定で、人口13万人のまちでは大イベントだ。

 A4サイズの案内状にはこう記されている。「皆様の絶大なるご支援のもと民主党政権が実現し、日本の新しい政治が始まりました」「故佐重喜(さえき)先生とみち様の偲(しの)ぶ会を開催します。ご香料、ご供物、ご供花などご遠慮申し上げます」

 小選挙区制度の導入で、政権交代可能な政治体制をつくる――。1956年、鳩山由紀夫首相の祖父、一郎氏の内閣で、父の佐重喜氏は衆院公職選挙法改正特別委員長として小選挙区導入を目指した。68年に急死し、翌年の総選挙で同じ旧岩手2区から小沢氏が27歳で初当選。以降、40年間の政治人生は栄光と挫折の繰り返しだった。後援会幹部は「父に悲願の政権交代を果たしたことを報告する」と見る。

 母みち氏の供養の意味もある。小沢氏は一昨年、プロデューサーおちまさと氏との対談で「ライバルは母親」と答え、思い入れが強い。今年3月、学生を前に「君らの年代なら本当に強い意思を持ってこうしたいと努力すれば、どんなことでもかなう。小さい時から母に言われたことだ」と語っている。

 ただ、単なる法要にとどまりそうにない。

 今回も、名前を紹介して焼香するのは、夏の参院選に立候補する2人の民主党候補と来年改選を迎える達増氏の3人だ。法要の案内は、中選挙区時代の支持者にも届いており、決起集会の様相だ。

 佐重喜氏の代から小沢父子を支持してきた伊藤久雄後援会連合会長は、小沢氏の決意をこう見ている。

 「参院選が政権交代を完成させる最後の戦い。法要は、両親への恩返しができる最後のタイミングだ」

■「なぜこの時期に」見えぬ本心

 小沢氏の並々ならぬ意欲に長年支援してきた地元後援会長の一人は「なぜ、この時期にやるのか、よく分からない。本人がしゃべらないからねえ」といぶかる。

 小沢氏の真意は別のところにあるとの見方もある。

 法要に出席する予定の達増氏は最近、「幹事長は新たな誓いを立てるかもしれませんね」と周囲に漏らした。

 別の側近は「小沢氏の心境に変化があった」という。法要の開催も「別に今年やらなくたっていいんだ。政治人生が残り少ない中での決意の表れだ」。そして「誓い」についてこう解説する。

 「鳩山内閣のあまりのだらしなさに、最後は自分がやらなければならないという気持ちになっているのではないか。自分が9月の民主党代表選に打って出て、総理をめざすと言い出すかもしれない」

 小沢氏が最近、党代表選に向けて党員・サポーター集めを加速するよう系列議員に指示を出したことも、こうした見方に拍車をかけている。

 小沢氏の資金管理団体をめぐる土地取引事件で、小沢氏が不起訴処分となって2カ月余り。「政治とカネ」の問題で小沢氏への風当たりは強いままだ。周辺は「地元の有権者も事件を心配していた。それもやや落ち着いてきたので、あいさつをするのだろう」と話す。(蔵前勝久、磯貝秀俊)

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