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ポーランド大統領墜落死:国内に大きな衝撃 首都では半旗

 【ウィーン樋口直樹】カチンスキ大統領の突然の悲報は、ポーランド国内に大きな衝撃を与えた。市民らは各テレビ局がトップで流す事故現場からの生々しいニュースにくぎ付けとなった。ワルシャワの大統領府には半旗が掲げられ、弔問の花束やろうそくの火を持った大勢の市民が集まっている。

 カチンスキ氏は49年6月生まれ。ワルシャワ大卒業後、旧共産政権下で非合法だった自主管理労組「連帯」の要職を務め、81年には戒厳令で逮捕されたこともある。

 05年10月にトゥスク氏(現首相)を破って大統領に当選。右派層やカトリックの熱心な信者に人気があったが、最近は都市部のリベラル層を中心に支持率を下げていた。

 トゥスク首相は10日、緊急閣議を招集し、今後の対応を協議した。カチンスキ大統領の今年12月の任期満了に伴い、次期大統領選が9月ごろ行われる予定だったが、大統領死去で6月下旬までに繰り上げ実施される。

 ポーランドでは近年、憲法が元首と定める大統領と、より実質的な政治権力を持つ首相の間で微妙な政治バランスが保たれてきた。特にカチンスキ大統領とトゥスク首相は不仲で知られ、東欧での米ミサイル防衛(MD)計画を巡り、自国への迎撃ミサイル受け入れに熱心だったカチンスキ氏と、これに慎重なトゥスク氏が対立したこともある。

 次期大統領選では、トゥスク氏率いる最大与党「市民プラットフォーム」からコモロフスキ下院議長(大統領死去に伴い大統領代行)が立候補する。カチンスキ氏の双子の兄ヤロスワフ氏率いる「法と正義」は、有力候補とみられていた大統領を失い、改めて候補者選びを本格化する。

毎日新聞 2010年4月10日 21時40分(最終更新 4月10日 21時44分)

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