日本の漫画やアニメなどの海賊版が中国で大量に流通している問題への対策を強化しようと、文化庁と中国国家版権局は15日、著作権にかかわる政策で両国が協力していくとする覚書を締結した。今後、日本国内での拡大が予想される電子書籍をめぐっても、海賊版の流出が心配されていた。
覚書によると、毎年日中著作権会議を開くほか、著作権の制度に詳しい人材の交流や、人材育成のための研修を実施する。著作権についてのシンポジウムも開く。
文化庁国際課は「デジタル時代で国境を越えて海賊版は流通しており、両国の協力が不可欠」と話す。
中国国家版権局の2007年の発表によると、中国で06年に押収された「海賊版」は7300万点余りで、このうち本が約1800万点、音楽・映像が約4800万点、電子出版物が約201万点。このほか文化省が約1億枚の海賊版DVDなどを押収したという。