ショートトラック:代表選考会で何が起きたのか(下)

 しかし、大韓体育会がレース前に「協議」がなされていたと指摘した問題の種目が、まさに3000メートル・スーパーファイナルだった。この種目で李政洙は1位になり、一気に選考大会2位まで成績を上げた。成始柏は李政洙より50秒近く遅れて8位に終わったが、合計90点で選考大会1位となった。金成一と郭潤起も、3000メートルレースで点数を稼ぎ、韓国代表に選ばれた。一方、2006年のトリノ五輪で3冠王を成し遂げた安賢洙(アン・ヒョンス)は低調な記録で7位にとどまり、代表チーム復帰を果たせなかった。その後、ショートトラック界ではさまざまな憶測が飛び交った。

勝敗操作? 単純な協力?

 昨年の選考大会で誰が、どのような方法で「八百長」を行ったのかは、まだ明らかになっていない。しかし、ショートトラック代表チーム全員に疑惑の視線が向けられているのは事実だ。これについて、バンクーバー五輪メダリストの家族の一人は、「選手がレースを操作したというのは話にもならない。レースの映像を確認すれば分かることだ」と否定した。しかし、今回の事件の発端となった、安賢洙の父アン・ギウォン氏は9日、あるラジオ番組に出演し、「(同じコーチの下で)同じ練習をしている選手たちが互いに助け合うことは以前からあった。不正ではなく助け合いだ」と話した。

 一方、大韓スケート連盟は今月23-24日に開催される2010-11シーズンのショートトラック代表選考大会を、9月以降に延期することを決定した。朴聖仁(パク・ソンイン)会長は9日、「現状況では、円滑な大会運営と公正な選手選考が困難と判断した」と理由を説明した。大韓スケート連盟は文化体育観光部・大韓体育会と共同で調査委員会を立ち上げ、今回の事件に対する徹底した真相究明に取り組む姿勢を表明した。

陳仲彦(チン・ジュンオン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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