鳩山内閣と民主党は8日、党所属の国会議員が議員立法をする際の手続きを決めた。政府と党双方に調整チームを設け、議員が提言する政策を合同審査した上で、国会への提出の可否を決める仕組み。政策決定を政府に一元化するという原則は維持しつつ、より議員立法を実現しやすくした。
民主党の小沢一郎幹事長は鳩山政権発足直後、政策に関する議員立法を原則禁止していた。しかし、政策決定に関与できない議員の不満がたまる一方で、福田衣里子衆院議員が小沢氏の了承を得て「肝炎対策基本法」を提出するなど例外も出ていた。
このため今回、議員立法のプロセスに政府側が関与を強める形にすることで、「一元化」は変えずに議員立法を支援する手続きを整えた。記者会見した松井孝治官房副長官は「党と政府があらかじめスケジュール感をもって整合的に判断できるよう工夫した」と述べた。
政府側の調整チームは松井、松野頼久両官房副長官ら、党側は細野豪志副幹事長、桜井充参院政審会長らが名を連ねる。議員からの政策提言を受けて、関係する国会の委員会の筆頭理事が政府側と事前に折衝。両調整チームが合同審査した上で、鳩山由紀夫首相に報告するとともに、党役員会で国会への提出を決める。