倒産・動向記事
2010/04/09(金) |
地元トップクラスのガラス・サッシ商社 桑田硝子株式会社 民事再生法の適用を申請 負債73億円 |
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「兵庫」 桑田硝子(株)(資本金1億8000万円、神戸市須磨区外浜町3-1-25、登記面=神戸市中央区多聞通4-1-2、代表桑田正三郎氏、従業員127名)は、4月9日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。
申請代理人は服部敬弁護士(大阪府大阪市北区西天満4-4-18、電話06-6363-7800)ほか。監督委員は大砂裕幸弁護士(大阪府大阪市中央区伏見町2-5-7、電話06-6228-0088)。
当社は、1920年(大正9年)12月創業、47年(昭和22年)9月に法人改組した各種ガラス・サッシなど建材販売業者。90年の業歴を誇る老舗建材商社で、板ガラス類、アルミサッシのほか樹脂等化成品・金属建築金具なども取り扱い、大阪・姫路・洲本など阪神間を中心に、岡山県や愛知県、埼玉県にも営業拠点を開設、上場大手メーカー数社から資本参加を得るなど名実共に地域トップクラスの知名度を有していた。関西を中心に確固とした営業基盤を築き、阪神エリアの大手ゼネコン、地元工務店、ハウスメーカーなど約1500社に販売、ピークとなる92年12月期には年売上高約243億8900万円を計上していた。
しかし、ここ数年は公共工事削減の流れのなか、得意先であるゼネコン筋からの受注が低迷、同業者の競合激化による販売単価の低下もあって、2009年9月期(決算月変更)の年売上高は約126億5800万円まで落ち込んだ。また、2008年から2009年にかけて大口得意先の経営破綻が相次ぎ、多額の不良債権の償却処理などで同期最終損益は約6億円の欠損を余儀なくされた。
今期に入っても業界環境に好材料少なく受注状況に好転の兆しが見えない中、過大な債務を抱えて財務状況が大きく悪化したため、自主再建を断念し法的手続きによる再建を図ることになった。
なお、関連会社の(株)大阪硝子店(資本金1300万円、大阪市中央区本町4-5-2、代表笹部敏夫氏、従業員11名)は同日付で民事再生法の適用を申請し保全命令を受けたほか、神和プラスチック(株)(資本金7500万円、大阪府交野市星田北4-37-1、代表加藤敏昭氏、従業員21名)と、桑田建材(株)(資本金1000万円、神戸市須磨区外浜町3-1-25、登記面=神戸市中央区多聞通4-1-2、代表金子雅博氏、従業員13名)の2社は、同日に自己破産を申請し、破産手続き開始決定を受けた。
破産管財人には大砂裕幸弁護士が選任されている。
負債は、桑田硝子が債権者約800名に対し約73億円、大阪硝子店が約11億4000万円、神和プラスチックが約4億5000万円、桑田建材が約5億7000万円で、4社合計で約94億6000万円の見込み。
なお、桑田硝子と大阪硝子店についてはスポンサー候補のトステム(株)(東京都江東区)と事業支援に関する基本合意が締結されている。