【久高島=南城】数多くの祭祀(さいし)行事が残り、「神の島」といわれる南城市知念の久高島の聖地・フボー御嶽で神木のクロツグ(地元名・マニ)を本島中部のNPO法人が無断で伐採し、島の住民から「許されない行為」と怒りの声が上がっている。
フボー御嶽は世界遺産・斎場御嶽と並ぶ琉球七御嶽の一つで、枝一本切るにも日を決めて行うほど島の人が大切にしている場所。祭事以外は入ることができず、男子禁制の場でもある。立ち入り禁止を記した看板も立てられている。
NPO法人は障害者らの心の治療を目的として活動しているという。同NPO法人によると2005年12月下旬、心の治療をして回復した人のお礼として、「神の声に従って」フボー御嶽に無断で入ったという。担当者は「いくつかある拝所の中で、みんなが拝む所はきれいだったが、あまり人が入らない所は草木が生い茂っていたため、きれいにした」と伐採の経緯を説明。フボー御嶽が立ち入り禁止の場所とされていることは知らず、無断立ち入りを禁止する看板にも気が付かなかったという。
久高区(内間順千区長)によると、伐採されたのは直径15センチ、高さ二メートル以上を含むクロツグ約30本。根っこから切り倒され、林の中にそのまま放置されていた。
伐採が明らかになり、内間区長らは市教育委員会でNPO法人に抗議。フボー御嶽は市指定文化財でもあり、市教委はNPO法人の行為を市文化財保護条例の「無断現状変更」に違反したとして注意・指導した。NPO法人側は伐採の事実を認め、区に謝罪、今月に入って区と市教委に始末書を提出した。
一方、16日には南城市文化財保護審議委員会(仲宗根幸男会長)が開かれ、市教育長名で同NPO法人に「厳重注意」の文書を送付することを決定。近日中に市教委が郵送する。
同NPO法人は1997年にも旧知念村の斎場御嶽一帯の森に生える樹木を伐採し、問題となったことがある。
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