「シンジ、それ取って。」
シンジに催促した。
妊娠してからというもの、シンジには家事を含めた身の回りの事で甘えっぱなしだった。
「はいっ。」
「あ、後それも。」
「はいっ。」
「それからそれっ。」
「はいっ。…アスカ、少しは自分で取ろうよ。ちょっと動けば取れるんだしさ。」
「何よ〜、いいでしょこれくらい、妊婦なんだから。
あ、今度はそれっ。」
「はいっ。…もう、いくら妊婦だからって動かな過ぎは返って毒だよ。」
「はいはい、わかったわよ。
じゃあ、今度はアタシがシンジが欲しい物取ってあげるから、……はいっ、これでしょ?」
「ありがと、アスカ。」
「ほらっ、動いてあげたでしょ?
だから今から蜜柑取ってきてよシンジ。すっごく食べたくなったもの。」
「何でそうなるんだよ?別にいいけど…。」
「妊婦をこき使った罰よ。ほら、食べたくて仕方ないんだから早く採りに行ってよね。」
「は〜い。」
「ただいま〜アスカ、蜜柑持ってきたよ。」
外に蜜柑を採りに行っていたシンジが、蜜柑を持って帰ってきた。
「ありがとシンジ!早速一個貰うわね!」
「うん。」
籠に入った蜜柑を一個取り出して、皮を剥く。
剥いた中身を指で割って、口に一口放りこんだ。
「んん〜〜〜〜〜〜っ♪この甘酸っぱさ堪んない〜。」
妊娠したらすっぱいものや普段食べないような物が欲しくなったりするってよく聞くけど、
アタシの場合、蜜柑がやたらと欲しくなった。
「蜜柑がちょうど食べごろになっててよかったよね。」
「ホントそう!やっぱ熟してないとこの甘酸っぱさはでないわね〜。ん〜〜おいし〜〜♪」
手をベトベトにしながらも、アタシは無心で蜜柑を頬張り続ける。
「さてと、僕も一個貰おうかな。」
そう言ってシンジも蜜柑を一個取り出して皮を剥き始めた。
「はぁ…満足だわ…。きっと赤ちゃんも喜んでくれてるわね…。」
満腹感で一層幸せな気持ちになりながら、アタシは膨らんだお腹をさすった。
「ありがとねシンジ。アタシの為にわざわざ蜜柑採りに行ってくれて。」
「アスカと生まれてくる赤ちゃんの為だからね。これぐらいの事ならいくらでも喜んでするよ。」
「ありがと、シンジ。」
「ねぇ、アスカ。」
「うん。」
「お腹、触っていい?」
「うん。」
アタシがそう言うと、シンジが傍に来て、膨らんだアタシのお腹に触れた。
「あと半年もしたら赤ちゃん、生まれてくるんだよね。」
「うん。」
「怖くない?アスカ。」
「ちょっとだけ、怖いかな?でも、楽しみっていう気持ちの方がずっと強いわね。」
「そっか。」
シンジはそう言って、アタシに微笑んだ。
「シンジは、もう怖くない?赤ちゃんが生まれる事、
お父さんに、なっちゃう事。」
「ホントはまだ、ちょっとだけ怖い、っていうか心配かな?
でもさ、きっと何とかなるって思ってるし、
アスカと同じで、楽しみって気持ちの方が、今はずっと強いよ。」
「そっか…。」
嬉しい。
シンジも、アタシと同じ気持ちだって事が、
アタシとの赤ちゃんが生まれてくることを、楽しみにしてくれてるって事が、嬉しくてたまらない。
幸せだわ。
この幸せな気持ちを、赤ちゃんにも分けてあげたい。
「良かったでちゅね〜。パパも楽しみでちゅって〜。」
さすりながら、アタシはお腹の中の赤ちゃんに語りかけた。
「ほらっ、シンジも何か言ってあげて!きっとこの子も喜ぶわ。」
「う、うん。…えっと、パ、パパでちゅよ〜。」
シンジがちょっと恥ずかしそうにそう言うと、
お腹の中で、赤ちゃんが少し動いた。
「あ、今ちょっと赤ちゃん動いたわ!」
「ホントに!?」
「うん、今も動いてる。シンジ、確かめてみる?」
「うん。」
シンジがアタシのお腹に耳をつけた。
「ね、動いてる音するでしょ。」
「ホントだ。赤ちゃんがお腹の中で動いてる。」
そう言って、シンジはゆっくり目を閉じた。
「パパでちゅよ。元気にすくすく育ってね。君が生まれてくることを、パパもママも楽しみにしてるよ。」
そう、シンジはアタシのお腹の中の赤ちゃんに向かって、優しく囁いた。
「ふふっ。」
その光景が微笑ましくて、思わずアタシは笑った。
桃と、桜と、梅の花が咲き誇っていた。
舞い散る花びらの中で僕達は、湖畔にある大きな木の木陰から、一緒に湖を眺めていた。
僕は立ちながら、アスカは、僕が持ってきたロッキングチェアーに座りながら。
「ねぇシンジ。この子の名前ちゃんと考えてくれてる?」
「うーん。ずっと考えてるんだけど、どれもピンとこなくってさ。」
「何よ〜頼りないわね〜。」
「む、そういうアスカの方こそ、ちゃんと名前考えてるのかよ?」
「あ〜ら、バカシンジと違って幾つも浮かんでるわよ。」
「へぇ〜、例えば?」
「そうねぇ、例えばウシオとか…。」
その名前は…。
「それは、また随分と強い子に育ちそうな名前だね…。」
具体的には家の蔵に封印されていた槍を引き抜いてその槍に貼り付けにされていた妖怪と一緒に、
深海に封印されていた炎を吐いて島を吹き飛ばせる程強い最強の大妖怪を倒せそうなほど、強そうな名前だった。
「強いって何よ?失礼しちゃうわね。
これは女の子の名前よ!
具体的にはそうねぇ、団子のぬいぐるみが好きでコショウが嫌いで、
そしてちょっぴり病弱な女の子になりそうなイメージね。」
そっちかよ!
「いや、どっちにしても病弱っていうのはあんまり良くないんじゃ…。」
まあ、風紀委員の人じゃないだけまだマシだけど…。
「むぅ、病弱って言っても最終的には健康になるんだからいいんですぅ。」
いかん、危ない危ない危ない…。
これ以上はこの名前に触れないようにしなければ…。
「ま、まあその名前については置いといて、他の名前は?」
「そうねぇ、マリとか?」
「なんか、結構普通だね…。」
「まあ、そうよねぇ。」
「……。」
普通と言っておきながらも、
何故か僕の頭には、その名前の子がアスカの代わりに弐号機に乗って戦っている姿が浮かんでいた。
「他には?」
「サキとか?」
「……。」
何故か僕の頭には、その名前の子が関西地方や四国を旅させられた挙句に、
神戸から鹿児島まで西日本を横断させられている姿が浮かんだ。
「他は?」
「ハルカとか?」
「……。」
何故か僕の頭には、僕がセー…。
いや、何も言うまい。
「…っていうか、何で女の子の名前ばっかりなのさ?」
「何でって、女の子が生まれてくるからに決まってるじゃない。」
そう言ってアスカは、お腹の子に「ねー。」と呼びかけた。
「何で女の子ってわかるのさ?」
「何となくよ!
それに女の子の方が縁起がいいじゃない。ほら、一姫二太郎っていうし。」
「何となくで女の子って断定するのはどうかと思うな…。」
「大丈夫!この子は絶対女の子よ!」
えらく自信満々にアスカは言った。
そこまで自信満々に断言するとは…。
わかるもんなんだろうか?
「ま、まあ…、もしも、もしもだよ?
もしも仮に、男の子が生まれたとしたら、アスカはなんて名前をつけるの?」
「もしもねぇ…、ゆ、ユルゾウ、とか?」
「な、何…?」
うれしそうな名前だけど、
そもそもそれは実在の人名だったのか?
「し、しょうがないでしょ!男の子が生まれるなんて思ってないんだからいい名前なんて浮かばないわよ!
大体、シンジはどうなのよ?いい名前が浮かばないって言ってたけど、アタシが気に入るかも知れないし、
どんなのが思いついたのか言ってみなさいよ!」
「う…、そうだね、まず、男の子ならカヲル、女の子ならレイとか?」
「別に悪くはないけど、それだとまるでこの子があの子達の生まれ変わりみたいになっちゃうじゃない。
あの子達まだいるのに。」
「まあ、そうだよね。」
「他の名前は?」
「男の子ならトウヤ、女の子ならサクラ、とか?」
「いい名前だとは思うけど…、何かひっかかるわね…」
「やっぱり、アスカもそう思うか…。
今咲いてる桃と桜ともかけてるし、いい名前だと僕も思うんだけど、何か違う気がするよね…。」
何というか、僕の立場が違うというか…。
「うん…。他には?」
「男の子ならシンノスケ、女の子ならヒマワリ、とか?」
「何というか、元気すぎてとてもアタシ達の手に負えそうにない子になりそうな名前ね…。」
「だよね…。」
あの偉大な夫婦のようになる自信は流石に無かった。
「他は?」
「えっとね…」
それからも考えた名前を僕は挙げて行ったけど、
結局、アスカの気に入る名前はなく、
この時は僕達の子供の名前は決まらなかった。
時が過ぎて、桜と桃と梅の花が散り、
紫陽花が咲く雨の多い時期も越えると、蝉の声が響くようになった。
森や、僕とアスカが試しに始めた家庭菜園になっている野菜や果物も、春の物から、夏の物に代わり始めた。
時期における気温差も、最近はサードインパクト前よりはっきりと感じるようになって、
まるで、セカンドインパクトで失われた四季が戻ってきたみたいだった。
アスカのお腹はそれからもどんどん大きくなっていった。
時期的にみても、そろそろ赤ちゃんが生まれてくる頃だった。
「ねぇシンジ、そろそろ赤ちゃんの名前、思いついた?」
向日葵の花が咲き誇る草原を散歩している時に、アスカが僕に訊いて来た。
僕はまだ、赤ちゃんの名前を決めかねていた。
「うん。まだ完全にこの名前にするって決めた訳じゃないけど、一応思いついたかな。」
「へぇ〜、何て名前なの?」
「うん、それはね…」
首にかけているミサトさんのペンダントを、そっと、僕は握った。
「はっ、はっ、ふっ、…はっ、はっ…」
アスカは、短く浅く呼吸を繰り返しながら、
ベッドの上で大きく股を開いていきんでいる。
ついさっき、アスカが陣痛を起こした後、破水が起こった。
赤ちゃんが、産まれてこようとしていた。
「その調子だよ。アスカ。
安心してそのままその呼吸を繰り返して。」
僕はアスカの膣から少し出てきている赤ちゃんの頭を、落ち着いて、
ゆっくりと、少しずつ、赤ちゃんの動きを助けるように引っ張っていく。
「はっ、はっ、ふっ、はっ…っくぅ、はあっ、……はっ、はっ、ふっ…」
「その調子だよアスカ、
…よしっ!頭が出た!
ここまで来たらもう安心だ!あと少しだから頑張って!!アスカ!!」
赤ちゃんの頭から身体に持つところを変えて、気を抜かずにゆっくりと引っ張る。
身体は頭よりも簡単に産道を抜けて、
「産まれた…。産まれたよアスカ!!女の子だ!!」
赤ちゃんは、無事に生まれる事が出来た。
「はっ……はぁ…赤ちゃん、産めた…。アタシ無事に、産めたんだ…。良かった…。ホントに…」
アスカが、息も切れ切れで、でもとても満足気な声でそう言った。
僕は赤ちゃんがしっかり泣いて呼吸できるように、
赤ちゃんの鼻に口付けて詰まっていた羊水を吸い出した。
口の中の羊水も吸いだそうとした時、
「ふぇ…。ふええええええええええええええええええんっ」
赤ちゃんが、大声で泣き出した。
よかった…。
これで、本当に安心だ。
すぐに煮沸消毒した鋏で赤ちゃんと繋がったままの臍の緒を切って、
タオルで軽く赤ちゃんに付いている血や羊水を拭き取ってから、アスカに赤ちゃんを抱かせに行った。
「ほらっアスカ。アスカの言ってた通り、元気な女の子だよ。」
「うん…。赤ちゃん、こんななんだ…。ふふっ…。」
アスカが笑って、赤ちゃんを優しく抱いた。
体温が下がらないように、肌で直接。
「ふえええええっ…ふぇ……」
僕が持っている時はずっと泣いていた赤ちゃんは、
アスカに抱かれるとすぐに泣き止んだ。
きっと、安心したんだろうな。
赤ちゃんの体温が下がらないよう、僕は赤ちゃんの頭に短いタオルを巻きつけてあげた。
「はぁ、緊張した〜〜〜っ。」
そう言って脱力した後、
僕はすやすやと眠っている赤ちゃんに触れた。
ちっちゃくて可愛いなぁ。
この子が、僕とアスカの子なんだよな。
「お疲れ様シンジ。ありがとね。アタシが無事にこの子を産めたのも、シンジのおかげだわ。」
「僕は大した事なんてしてないよ。
この子を、お腹を痛めて産んでくれたのはアスカなんだから。
よく頑張ったね。アスカ。」
そう言って、僕はアスカの頭を撫でた。
「うん。ありがとっ…シンジっ…」
アスカは、瞳を潤ませながら僕に微笑んだ。
緊張が解けたせいか、その微笑みを見ていると、
僕も、身体の奥から熱い感情がこみ上げてきた。
「うんっ…。…アスカっ…。」
目が熱くなって、潤んでいくのが自分でわかった。
僕も、涙を滲ませながら、アスカに微笑み返した。
「この子の名前さ、
この前アスカに言ったように、ミライにしようと思うんだ。」
未来。
僕達が今、欲しいものの名前。
「「未来」ってミクとかミクルとも読めし、そっちにしようかなってちょっと迷ったけどね。」
「うん。アタシも、ミライで良いと思う。
ママの名前のキョウコから「今日」、アタシの名前のアスカから「明日」、ミライの「未来」で、
アタシとママの名前にも繋がってるしね。」
「それに、この子に明るい「未来」が来ますようにって願いを込めた名前でもあるしね。
アスカ、一緒にミライの事、幸せにしてあげようね。」
「うん。」
それから僕は、出産の跡を片づけはじめた。
胎盤は捨てたけれど、臍の緒だけはお守りとして、また、将来臍帯血が必要な場面を考えて、切って残しておいた。
その後、ミライを産湯につけて血や羊水を綺麗に洗い流してあげた。
産湯で身体を洗った後は、ミライをまたアスカに抱かせてあげた。
僕の指を、ミライはそのちっちゃな手で握っている。
「なんかさ、不思議だよね。赤ちゃんが生まれてくるのって。
ミライを見てると、そう思う。」
人の科学は結局、「魂」を、「魂」を持った生命を造り出すことは出来なかった。
人々が努力を積み重ねて出来た科学でも出来なかった事を、
人は、生命はずっと、当たり前のようにずっと行ってきた。
そう思うと、不思議で仕方なかった。
「アタシも、シンジも、みんなこうやって生まれてきたのよね。
みんなこうやって、お母さんがお腹を痛めて産んできたのよね。
ありふれた事だけど、それは実はすごい事なんだなって、
陳腐かも知れないけど、これこそが生命の神秘なんだなって、今思ってる。
そうやって生まれてきた赤ちゃんは、すごく神聖なものなんだって、今、感じてる。
ママも、アタシが産まれた時、こんな気持ちだったのかな…。」
「アスカ…。
きっと、そうだったんだろうね。
こうやって生まれてきたミライを見ていると、僕も赤ちゃんは神聖なものなんだって感じるもん。」
それはきっと、理屈なんて関係なく、そう思えるものなんだろう。
「お産の時ってさ、やっぱりすごく痛かったよね?」
「まーね。産もうとしてるときは、あそこが裂けて、
そのまま全身まで裂けちゃうんじゃないかって思うくらい痛かったわね。」
「……。」
「でも、その痛みや苦しみには赤ちゃんを産むっていうゴールがあるんだし、
それを思えば耐えられないものじゃあなかったわね。
それにミライが無事産まれてくれたから、苦しいのや痛いのなんて、嬉しくて吹っ飛んじゃったわよ。」
「そっか…。」
強いな…。
「うん。」
「なんかさ、アスカばっかり痛い思いとか苦しい思いしてるよね…。」
「ま、しょーがないんじゃないの?
女なんだしさ。
それに痛い思いした分だけ、達成感や喜びも大きいしね。」
「……。」
本当に、強い…。
僕なんかより、ずっと。
ミライを産んだ事だけじゃなくて、
例えば、不幸だった幼少時代。
例えば、エヴァに乗って戦っていたあの頃。
例えば、僕に傷つけられ続けていたあの時。
ずっと、アスカは痛い思いや苦しい思いをしてきた。
それでも、アスカは全てを乗り越えて幸せそうに笑い、
そして、ミライを産んでくれた。
「…まさかシンジ、アタシに負い目なんて感じてないでしょうね?」
「負い目なんて、感じてないよ。」
「じゃあ…」
「感謝、してるんだ。」
「感謝?」
「うん。アスカには本当に、心の底から、感謝してる。」
痛みや苦しみを乗り越えて、元気に笑っていてくれる事を。
不甲斐ない僕を、アスカの事を傷つけ続けた僕を、許してくれた事を。
こんな僕を、愛してくれた事を。
痛みや苦しみに耐えて、僕との子供を、ミライを産んでくれた事を。
本当に、感謝している。
とても、言葉では言い尽くせないほどに。
「ねぇ、アスカ。
ありがとう。ミライを産んでくれて、本当に、本当に、…ありがとう。」
少しだけ震えの混じった声で、僕はアスカにそう感謝を述べた。
伝え切れなくてもどかしくても、今は気持ちを、言葉でしか伝えられないから。
「うん。」
ミライを抱いたまま、アスカは優しく微笑んでくれた。
「ほらっ、シンジ。
アタシにばっかり感謝してないで、ミライにも感謝してあげましょ。
せっかく頑張って生まれてきてくれたんだから。」
「うん、そうだね。」
僕とアスカは顔を見合わせて肯きあうと、
「「生まれてきてくれてありがとう。ミライ。」」
と、一緒にミライに向けて言った。
「ふぁ。」
ミライが、まるで僕達に答えてくれているみたいに、声をあげた。
「ふふっ。ミライ、アタシ達にお礼言ってくれてるみたいね。」
「うん。」
僕とアスカは再び顔を見合わせて、微笑みあった。
いつか、人が帰って来る。
例え今の幸せが、その時儚く消えてしまうとしても、
その時が来るまで僕は、精一杯、アスカとミライを愛してあげよう。
例えどんな未来が待っていたとしても、最期の最後の、その時まで。
と言う訳で、ミライ誕生編でした。
ミライという名は、多くのLASFF、LASSS、及び2ちゃんエヴァ板のLASスレ内において、
おそらく最も一般的にシンジとアスカの子供として登場する名前であり、
作中の、キョウコが「今日」でアスカが「明日」だから、その子供の名前が「未来」でミライになるという名前の由来も、私が考えたのではなく、
先人のLAS作家の方が考えたものです。(ただし、どなたが最初に考えたものかは定かではないです、少なくとも私は知りません)
此処を書く直前、「クレヨンしんちゃん」の原作者である臼井儀人さんが亡くなられました。
それ故、「クレヨンしんちゃん」ネタを自粛するべきかどうか迷いましたが、
この作品には、私の大好きだった作品のパロディを出来る限り入れようと決めていた事もあり、
私を楽しませてくれた作品への感謝の気持ちとして、誠に勝手ながら、あえて「クレヨンしんちゃん」のネタを入れさせて頂きました。
臼井儀人さんのご冥福をお祈り致します。
2009年12月9日 たう