Primary  2_Jupiter-9

 

 

 

 

 

「ん…。」
「おはよう、アスカ。」
「おはよ、シンジ。」
シンジは既に起きていた。
「何か、照れるわね…。」
裸だし。
「そだね…。」
シンジがこめかみの辺りを指でポリポリとかきながら言った。
「とりあえずさ…」
「ん…」
キスをした。

 

「昨日、ちゃんと準備するの忘れてたわね。」
「何が?」
「避妊の準備よ。コンドームも何もしてなかったでしょ?
 あのままアンタが中で出してたら赤ちゃん出来ちゃってたかもね。」
「あ…。」
シンジの顔から血の気が引いた。
「アタシとしたことがうかつだったわ…。すっかり舞い上がっちゃってたのね。
 シンジが我慢してくれて正解だったわね。」
「うん、…でも、ごめん。僕もすっかり忘れてた。今度からはさ、ちゃんと準備しなきゃね。」
「うん。」

 

 

「やっぱり、まだ痛む?」
「そうね、ズキズキしてるわよ。お腹の中にまだシンジのが入ってるみたい。」
「そうなんだ…。」
シンジが顔を赤くした。
「じゃあさ、痛まなくなるまでやめといた方がいいよね。」
「そう言ってもらえると助かるわね。でも、シンジがしたかったらいつだってしていいわよ。
 こんな痛みぐらい幾らでも我慢できるんだから。…それに、アタシも早く慣れたいしね。」
「うん。ありがとう、アスカ。でも、なるべくさ、僕も我慢するよ。」
「ありがと、シンジ。」

 

アタシがシャワーを使ってる間に、汚れたシーツなんかはシンジが片付けてくれてた。
その後シンジがシャワーを浴びて着替えた。
朝食を一緒に食べた後、シンジは食べ物を探しに出て行った。
 

 

「アタシも一緒に行けばよかったな〜。」
歩くと痛かった。
それに、何となくこの部屋でゆっくりしたかった。
「ま、こんな状態じゃ邪魔になるだけだしね。」
それでも、ちょっと寂しいな。
ベッドの上の枕に顔を埋めた。
シンジが使っていた枕。
「シンジの、匂いがする。」
シンジの、髪の匂い。
落ち着く。
安心感に包まれながら、昨日の事を思い返した。
嬉しさと恥ずかしさが戻ってきた。
「〜〜〜〜っ」
シンジが、アタシのこと好きって…。
シンジが、アタシにキスして…。
そのまま、シンジとアタシ…。
「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
嬉しかったり恥ずかしかったりで、堪えきれなくなって思わず叫んだ。
「いやんいやんいやんいやんいやんいやんいやん」
にやけながら、ベッドの上を枕を抱きしめて転がる。
「いやんいやんいやぁ〜〜〜んっ…くぅ…。」
調子に乗って動きすぎてお腹に響いた。
痛い。
「…ちょっと落ち着きましょ、アスカ…。」
少し冷静になって自分に語りかけた。

 

 

「もしかしたら全部、シンジのおかげだったのかもしれないわね…。」
赤い海から戻ってきてからアタシが狂わなかったのは、シンジのおかげだったのかもしれない。
シンジが傍にいたから憎しみを抑えることができた。
あの声も聞こえなくなった。
痛みの記憶にも、負けなかった。
シンジが、アタシに強さをくれてる。
「アタシ、もうシンジ無しじゃ生きらんないわね…。」
それでも、いっか。
そもそも、アイツにはマグマに沈んで死ぬところを助けられてるんだし、
生き返ったのも、アイツのおかげと言えなくもない。
アタシの命はシンジのものだって言われても文句は言えないわね。
「それに、もうアタシがシンジの為に生きたいって思ってるもの。」
例えこの先シンジに傷つけられても、裏切られても、殺されそうになっても、
シンジがアタシから去っていってしまっても…。
違う。
もうそんなこと無いって、シンジはそんなことしないって、
心の奥底で、アタシは信じてるんだ。
この先もずっとそうだって言い切れる保障なんて無くったって、
アタシはもう、この心に従う。
シンジの為に、アタシは生きる。
そう決めたから、アタシはシンジに捧げた。
「証、か…。」
ベッドに残っている血の痕。
アタシがシンジに初めてを捧げた証。
アタシ達が多くの事を乗り越えた証。
アタシが、自分の意思で受け入れた痛み。
「……。」
右腕。
どうして傷が無かったのか、わかった気がした。

 

 

206号室。
お腹の奥に響く痛みを堪えて、かつての自分の部屋に戻ってきた。
浴室の扉を開けて、片隅にあるバラバラになった包帯を拾い上げた。
赤い海から帰ってきたとき、アタシに巻かれていた包帯。
「……。」
アタシは、ママが死んでから、ずっと一人で生きていこうとしてた。
その為に、アタシはエヴァに乗り続けた。
自分の為でしかなかったけれど、それでも自分の意思で闘ってきた。
それを誇りに思ってた。
「……。」
だけど、アタシは逃げ出した。
勝てなくて、エヴァに乗れなくなって、
居場所が無くなって、闘うことをやめてしまった。
誇りを、自分で捨ててしまった。
「……っ」
最後の闘い。
アタシは、自分の意思で立ち上がってなんかなかった。
ママに会えたから、
ママがアタシを見守っていてくれてたのがわかったから、
ただ嬉しくて、
愉しくて、
自分の力を誇示したかった。
ただ、それだけで闘った。
ただ、それだけだった。
「…っ……ぅ…」
ママの為でも、自分の為ですらない闘いだったんだ。
そこに何の意味も、何の意義も無かった。
誇りなんて、あるはずも無かった。
受けた傷に、誇りを見出せるはずなんて無かったんだ。
それでも、
「…ママっ…っ…」
それでもあれは、ママと一緒に受けた痛みだった。
アタシとママを繋ぐ、傷だった。
「…ごめんねっ……っ……」
アタシは、ママに何もしてやれなかった。
ママの為に傷跡を残してやることさえ、できなかった。
「…うっ……ううっ……」
アタシにはもう、ママの為に泣いてあげる事しか出来ない。
浴室の片隅で、泣きながら包帯を抱きしめた。

 

 

 

 

 

 

 

ホテルを出て、しばらく歩く。
ホテルから十分離れた後、
「ぃやったあああああああっ!!!!!!!!」
僕は思いっきり叫んだ。
アスカが僕を好きになってくれた事が嬉しくて堪らなかった。
頭の中はアスカのことで一杯だった。
叫んだぐらいじゃ気持ちは収まらなくて、走った。

 

 

 

走り疲れた。
でも、興奮して持て余してた感情は、大分静まった。
冷静になった頭で、何となく、心の混じりあった世界で見た、ミサトさんと加持さんの姿を思い出した。
嫌悪感はもう薄れてる。
現金なもんだな。
「まあ、いっか…。」
あんなに、嬉しくて、気持ちよくて、幸せな事だったなんて知らなかったもんな。
「……。」
昨日のアスカを思い出した。
走った。
 

 

 

「赤ちゃん、か。」
朝のアスカの言葉を思い出す。
もし今アスカに赤ちゃんができたら、果たして僕達に無事に育てる事ができるだろうか?
自信が無い。
まだ子供の僕達に、しかもこの先どうなるかもわからないこんな状況の中で、そんな自信なんて持てるはず無い。
それに、赤い海から植物達がもし戻ってこなければ、例え僕達の子供が無事に育って、
更にその子達に子供が生まれて、僕達の子孫が増えていく事になっても、最期には食べ物が無くなってみんな餓死してしまう。
そんなのは、あまりに可哀想だ。
「ホントに、昨日あのまましなくてよかった…。」
ホッとする反面、何も考えないで暴走した自分の軽薄さに怒りが湧いた。
「ちゃんとそっちの準備もしとかなきゃな。」
山を見た。
茶色や黒や灰色ばかりで、やっぱり緑は何処にも無かった。
風で砂塵が舞い上げられて、山々の上の低い空が黄色く染まっている。
綾波と母さんの言葉を信じるなら、いつかあの海から生き物は帰ってくる。
でも、この何も無い世界に戻ってきたとき、そんな事は期待できないと思った。
あの言葉は、綾波と母さんが僕に希望を持たせる為についた嘘なんじゃないかと疑いさえした。
アスカは戻ってきたけど、それは多分アスカがエヴァに乗っていたからだ。
その証拠に、この世界には僕達以外に何もない。
綾波は、自分の心で自分をイメージ出来れば、人間は誰でも人の形に戻れると言った。
母さんは、全ての生命には復元しようとする力、生きていこうとする心があると言った。
綾波と母さんの言葉から推測するに、おそらく全ての生命は自分の心で自分をイメージ出来ればあの海から戻ってこれるはずだ。
だけど、全ての人達、ましてや全ての生命の中でアスカだけが自分をイメージ出来たなんて事は無いはず。
きっとエヴァに乗っていたから、あの海の中からアスカは戻ってこれた。
だから、アスカが戻ってきたからって、他の生き物達が戻ってこれるという証拠にはならないし、
例え戻ってくるとして、それが明日なのか一万年後なのかもわからないままだった。
「まやかしの希望、なのかな?」
それでも、僕はいつか他の生き物達があの海から戻ってくる事を期待してしまっている。
僕達の未来を、期待してしまっている。
「考えるだけ無駄か。」

 

必要な物を揃えて家路を辿る。

 

 

 

 

 

 

 

 

包帯を浴室に残して、部屋を出た。
階段を降りるとシンジがいた。
いつの間にか帰って来ていたみたいね。
「アスカ、二階に行ってたんだ。てっきり部屋で待ってると思ってたのに…どうしたの?」
シンジが怪訝な顔でアタシに聞いた。
「…ちょっとね。」
「…そっか。」
そう言うとシンジは近づいてきて、アタシを抱きしめた。
「……。」
「ごめん。何となくこうしたほうがいいと思ってさ。迷惑、かな?」
「迷惑なんかじゃないわよ。ありがと、シンジ。もうちょっと、このままでいて…。」
「うん。」

 

部屋の中には火のついた二台のカセットコンロ。
それぞれ鍋が載っていて、片方ではお米を炊いて、片方ではカレースープを煮込んでる。
シンジは何となく手軽なレトルトじゃなくてちゃんとした物を作りたくなったそうだ。
「アスカが手伝ってくれるなんて意外だったな。」
「まあね。アタシだって料理の手伝いぐらいするわよ。」
「てっきりアスカって料理できないもんだとばかり思ってたよ。」
「失礼ね!どっかのミサトと一緒にしないで!カレーぐらいだったら作れるわよ!
 …そりゃ、ミサトのところにいたときはアンタに全部押し付けてたけどさ。」
「ごめんごめん。でも、思ってたより早く出来たから助かったよ。ありがとうアスカ。」
「Gern geschehen!どうって事無いわよ。これからもアタシにして欲しい事があったら遠慮せずにガンガン言ってきなさいよね。」
「うん。ありがと、アスカ。」

 

 「ん〜〜っ!いけるじゃない!」
出来たカレーを食べてみると、思ったより美味しかった。
「うん!鍋でお米を炊くなんて初めてだったから不安だったけど、何とか食べられる物になってよかったよ。」
シンジにしては珍しく今まではお湯を沸かすぐらいにしかコンロを使わなかったそうだ。
お互い、料理する余裕どころか気力さえ無かったって事か。
「何とか食べられる、なんてもんじゃないわよ。いつものカレーよりずっと美味しいじゃない!」
ホントに美味しかった。
「そ、そうかな…。」
「そうよ。さっすがシンジ!料理だったらお手の物ね!やっぱりこのアタシが見込んだ男なだけはあるわ!」
「まあ、カレーは簡単だからね。…それに、アスカも手伝ってくれたしさ。」
「まーね。でも簡単な料理だからってそれを美味しくすることも簡単って訳じゃないし、
 アタシが手伝ったっていっても、シンジがほとんど作ってたんだから、やっぱりシンジのおかげじゃない。」
「う、うーん。…何か、珍しいよね、アスカがここまでベタ褒めしてくれるのって。」
「何よぉ、せっかくこのアタシがここまで褒めてやってんだから素直に喜びなさいよね。」
「いや、なんか、アスカにこうやって褒められるのって、変な感じがしてさ。」
「あんたバカァ?見返りを求められないんなら人の好意ってのは素直に受け取っととくもんなのよ。
 そんな事言ってると、もう褒めてやんないわよ。」
「う、ごめん。なんかさ、アスカにはいっつも怒られててあんまり褒められた覚えって無かったから、照れるって言うか…。」
「ふ〜ん、ま、一応嬉しいことは嬉しいのね。」
「まあ…。」
「じゃあいいわよ。アタシが嘘や義理で褒めてると疑われてる、って思っちゃったじゃない。」
「嘘なの?」
「ばーか。嘘や義理で褒めるなんてめんどくさい事アンタなんかにしないわよ。ホントに美味しかったんだから安心しなさい。」
「そっか、よかった…。」
「そうそう、自信持っていいわよ。」
「そういう意味じゃ…、いや、うん。」
「何よ?言いたいことがあるんだったらちゃんと言いなさいよ。」
「いや、そんな大した事じゃないよ。」
「じゃあ言ったっていいじゃない。気になるでしょ。」
「…アスカが無理に僕を気遣ってるって訳じゃなくってよかった、って言おうとした。」
「…別に、無理なんかしてないわよ。」
「うん。だったらいいんだ。」
「アンタこそアタシに気ぃ遣い過ぎなのよ、バカシンジ。」
「そうかな?」
「そうよ。アタシはもうアンタの事許してるんだし、アタシの事なんか気にしないで言いたいこと言ってくれりゃいいのよ。」
「別に無理に気を遣ってるって訳じゃないんだけどね。」
「そ〜おぉ?ま、シンジがそう言うんだったらアタシは別にいいんだけどね。」
「…アスカ。」
「何よ?」
「ありがとう。」
「ばか。」

 

もどかしいのよ、バカシンジ。
アタシが気を遣えば遣うほど、アンタはアタシを気遣って何も言わなくなるんでしょ?
それに、アタシが元気でいることを、アンタは望んでくれてる。
だからアタシ、これでいいよね?

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさま!も〜〜〜お腹いっぱい!」
アスカはそう言ってから、ベッドに仰向けに大の字になって寝転んだ。
「食べてすぐ横になると身体に悪いよ、アスカ。」
「うっさいわねぇ。一々言われなくったってわかってるわよ。…んっと。」
アスカが上半身だけ起こした。
「シンジ、ちょっとこっちきて。」
「何?アスカ。」 
「ここ、座って。」
アスカがベッドに座る自分の隣に座るよう促す。
「ここ?」
「そう。」
促されるままに座るとアスカが僕にもたれかかった。
「……。」
やっぱまだ、照れるって言うか、戸惑うな。
「横になれないんだから、せめてアンタがアタシをもたれかからせて楽にしなさいよね。」
「うん。」
素直じゃないなあ、って思いつつ、
アスカが甘えてくれたのが嬉しかった。
「ふふっ。」
何だか微笑ましくって、自然に笑みがこぼれた。
「何笑ってんのよ、バカシンジ。」
「何でもないよ、アスカ。」
片付けたかったんだけど、後回しでいっか。

 

 

 

アスカとひっつきながら、だらだらと時間を過ごした。
まどろみの中にいるような心地良い時間。
この時間を壊したくないな。
でも、訊かなきゃな。
アスカの悩みがどうなったのか。
さっきだって、アスカはきっと泣いてたんだし。
「…ねえ、アスカ。」
「何?シンジ。」
「もう、大丈夫なの?」
「…えっち。」
「え?・・・ち、違うよ!間違いだよ!誤解だよ!
 …そっちじゃなくて、その、アスカ、苦しんでたじゃないか、それはもう大丈夫なのかなって。」
「心配してくれてありがと、シンジ。でも、きっともう大丈夫だと思う。」
「でもさっきさ、泣いてたよね?」
「それは、また別の事。…ママの事をね、思い出してたの。」
「…そっか。」
心の混ざり合った世界で見た、アスカの記憶。
泣いている幼いアスカの姿。
やっぱり、まだ悲しいんだろうな。
「…いつかシンジに全部ちゃんと話すから。だから、今は何も訊かないで。」
「うん。」
「ありがと。」
そう言ってアスカが僕に口付けた。
「んっ…んっ…んっ…」
何度か軽いキスを繰り返した。
「ねぇ、する?」
アスカが、潤んだ瞳で僕に訊いた。
「大丈夫なの?」
「うん…。」
ホントかな?
でも、アスカから訊いてきたんだしな。
「じゃあ、する。」
そう言ってアスカに口付けようとした。
「待って。…シャワー、浴びてからにしよ。」
「うん。」

 

 

浴室を出る。
先に身体を洗っていたアスカはバスタオルを身体に巻いてベッドに腰掛けてる。
隣に座る。
「ねぇ、アスカ…。」
「うん…。」
アスカの顔をこちらに向けさせて、口付けた。
「…んっ…んっ…ぁ…ちゅぷ…んっ……」
そのまま口付けを深める。
お互いに唇と舌を吸い合いながら、
僕の手はアスカの胸に触れて、
バスタオル越しにそのまま揉みしだく。
「んっ…、シンジ、ちょっと痛い。」
アスカが口を離して言った。
「ごめん、強すぎた?」
昨日より少し強いぐらいだから大丈夫だと思ったんだけどな。
「ちょっとね。最初は、やさしくして。」
「うん。」
アスカに口付けて再開する。
言われた通りやさしめに揉む。
「…んっ…ぁ…んっ……」
バスタオルがはだけて、アスカの胸が露になる。
白い胸に桜色の乳首。
やっぱり綺麗だ。
直接触れると柔らかいマシュマロのような感触。
感触を楽しみながら揉む。
手に収まるぐらいの大きさの胸が揉むままに形を変えていく。
そうやって揉んでいるうちに、掌に感じる先端の感触が、
だんだんと固くなっていくのがわかった。
指で触れた。
「んっ…」
アスカの身体が小さく強張る。
「…あっ、あっ…んっ…やっ…あっ……」
その反応が可愛くて、何度も弾く様に乳首を指で弄くる。
その度にアスカは何度も身体をビクつかせた。
「気持ちいい?アスカ。」
「…そんなことっ、訊かないでよばかぁっ…んっ…」
「ちゃんと答えてよ。」
「やっ、あっ…わかんないっ……あんっ、あっ…」
悶えながら恥ずかしがるアスカが可愛い。
何か昨日よりアスカが敏感になってる気がする。
僕は片手を胸からお尻へ向かって、アスカのすべすべとした肌を滑らせるように、
撫でながら移動させた。
そのまま手は、パンツの上からお尻に触れる。
「…んっ…んっ…はあっ……あっ…」
アスカが腰をベッドから浮かしてくれた。
そのままアスカは僕に抱きつく。
おかげでだいぶ触りやすい。
そういえばアスカのお尻を触るのって今が初めてだな。
柔らかいけど、胸よりは弾力がある。
大きさもあるし。
これはこれでいいな。
さっきの事もあって痛くないように最初はただ撫でるだけにして、次第に強く揉んでいく。
揉みながら、アスカの身体にキスして、舐めた。
アスカの汗の味がする。
僕の顔にこそばゆく当たる洗いたてのアスカの髪、
その甘い香りが僕を誘う。
お尻を揉んでいた手は更に下に行き、アスカの内腿を撫でた。
「…んっ……はぁ、あっ…んぁっ!…あっ…んっ…あっ…」
そこに触れないようにアスカの内腿を撫で回しながら、
時折不意打ちのようにそこに触れる。
その度にアスカは大きく声を上げてビクつく。
こうやって焦らすように緩急をつけながら触る方が気持ちいいのかもしれない。
昨日と違って、今の僕には余裕があった。
そうやって撫で回しつつ、アスカの肌にキスし、舌を這わせた。
「…んんっ…やっ!…はぁ、ぁ…あっ…」
そろそろいいかと思ってあそこを集中的に責めはじめる。
パンツ越しでも、湿ってるのがわかる。
パンツの中に手を突っ込んで直接弄る。
すごく濡れてる。
割れ目沿いに指でなぞり、突起を弄る。
襞の奥に指を少し入れてみてもアスカは痛がらない。
昨日よりも指を深く入れた。
「んっ、ぁ…あっ、あっ、…あっ…」
アスカの身体が一度強く硬直し、
震えながら徐々に弛緩していく。
中で指を動かすと、また身体が強張った。
そのままぐちょぐちょと指を動かし続けていると、どんどんアスカが僕にもたれかかって来る。
アスカの真っ赤になった耳を舐めた。
「やぁ…ふっ、んっ、…あっ…」
アスカは舐められた耳のほうに顔を傾けた。
くすぐったいのを必死に堪えてるみたいな反応だ。
可愛いな。
恥ずかしくてちょっと抵抗あるけど、言ってあげたくなった。
「可愛い、アスカ。」
耳を舐めながら囁いた。
 

 

 

 

「可愛い、アスカ。」
シンジに耳元で囁かれた。
「ばかっ…んっ…やだっ…あっ…」
こんな時にそんなこと言わないでよ。
こんな姿のアタシに、可愛いなんてそんなこと…。
シンジの言葉に、頭の中が痺れる。
シンジの指や唇がアタシを弄くり回す感触。
気持ちいい。
恥ずかしいのに、さっきよりも感じる。
「…んっ…可愛い…」
また、シンジが囁いた。
また、頭の中が痺れる。
「…あっ…やっ…ああっ……あっ…あっ…」
シンジの手や舌から伝わる快感が深まる。
さっきよりアタシの身体、ずっと敏感になってる。
それに、身体の奥がさっきからきゅんきゅん疼いて仕方ない。
始める前はまだ少し痛かったのに、いつの間にか痛みがわからなくなってる。
アタシのあそこを弄るシンジの指が、気持ちいいのにもどかしい。
アタシ、おかしくなってる。
だって、もっと奥を、もっと強く弄って欲しい。
指なんかじゃなくて、ちゃんと、シンジのそれで。
「…アスカ…ちゅ…好き…んっ…」
「あっ…ああっ…はぁ…あああっ…あっ…」
シンジが言葉を囁くたびに、頭の中が痺れて、上手く考えられなくなる。
なのにどんどん身体は敏感になって、気持ちよくなっていく。
お腹の奥が疼いて、もどかしくて仕方ない。
恥ずかしいのにアタシ、もっと乱れたがってる。
乱れた姿を、シンジに見て欲しがってる。
アタシの中の、いやらしい気持ちが露になっていく。
まるで、シンジの手に、唇に、言葉に、心を裸にされていくみたい。
「ひんっ!…ああっ……あっ!…」
シンジが空いている手で、アタシの背中を突然なぞった。
背筋から伝わるゾクゾクとする感覚に、アタシは仰け反る。
そのままシンジは何度も背中をなぞって、その度にアタシの身体は勝手に仰け反った。
背中に意識が集中する。
「んああっ!」
いつの間にかシンジは耳を舐めるのをやめていて、アタシのおっぱいに吸いついた。
与えられた刺激は、無防備だった分だけ深く、身体の芯に届いた。
「くぅぅ、んっ、やだっ、んっ、あっ、あっ、ああっ…」
シンジは乳首を吸いながら、指であたしの中を弄くり続ける。
気持ちよくって、視界まで白く霞む。
呼吸のリズムが狂って息苦しい。
何も、考えられない。
ただ与えられる快感に翻弄されて、喘いで、悶える。
奥が疼いて、シンジのものが欲しくて、苦しい。
手が、自然に動く。
「…ちゅう…んっ…はぁ…ぁ…」
アタシの手がシンジのそれに触れて、さする。
シンジの口がアタシの胸から離れて、小さく声を漏らした。
でもすぐにシンジはまたアタシの胸に吸い付く。
「…ああっ、あっ、んっ…シンジッ、そろそろっ…」
アタシの言葉にシンジの動きが止まる。
快楽の渦から開放されて、どっと気が抜ける。
アタシもシンジもいつの間にか汗だくになっていた。
「シンジの、入れて…。」
アタシ、自分から言っちゃってる…。
「うん。…ちょっと待ってて。」
シンジはそう言うと、ベッドから降りてレジ袋の中から箱を取り出した。
そっか、コンドームつけるのね。
アタシもパンツ脱いどかなきゃ。
あーあ、すっかりべチャべチャになっちゃって。
もう、これ穿けないわね。
恥ずかしいからって着なきゃよかった。
脱ぐと、愛液でパンツと股の間に糸を引いた。
恥ずかしいわね…。
脱いだパンツを床に落とした。
シンジはまだ、付け終わってないみたいね。
ベッドに仰向けに横たわってシンジを待つ。
ドキドキする。
シンジは手間取ってるみたいで中々こない。
あんまり、焦らさないで欲しい。
「おまたせ。」
そういってシンジがアタシの脚を持ち上げる。
シンジのそれを見るとしっかりゴムを被ってる。
何か間抜けね。
「入れるよ、アスカ。」
シンジが、アタシのあそこにシンジのものをあてがった。
「うん。」
アタシがうなずくと、ゆっくりシンジのものが入ってきた。
「くぁ…」
「ああぁっ…」
お腹の奥までシンジのものでいっぱいになって、快感が、身体をせり上がってくる。
昨日の痛みが嘘みたいに気持ちいい。
「アスカ、痛い?」
首をブンブンと振って否定した後、
「…気持ち、いい。」
恥ずかしいけど、言った。
「よかった。…動かすね。」
そう言って、シンジが腰を動かし始める。
「あっ…あっ、ぁんっ、はあっ…あっ、あっ…」
シンジは入ってきたときぐらいのゆっくりとしたスピードで腰を動かす。
じんわりと、痺れる様に快感が押し寄せる。
勝手に喘ぎ声が漏れてくる。
自ら擦り合わせようとするように、アタシの腰が勝手に動く。
恥ずかしい反面、それを喜ぶ自分がいる。
シンジはそのスピードのまま何度も深くアタシの中を往復する。
「あっ…あっ、あっ、あっ、あっ、あっ」
シンジの動かす速度が徐々に速くなっていく。
身体が、痙攣するみたいに勝手に反応する。
呼吸が乱れて、苦しい。
シンジとアタシが繋がったところからせり上がる快感が、アタシの意識を犯して、胡乱にする。
「あっ、あっ、あっ、やだっ、んっ、あっ、あっ、あっ」
シンジは一定の速さとリズムを保ったまま腰を振り続ける。
お腹の奥が響き、その度に快感が波のように押し寄せる。
裸にされた心は、なす術も無く快感の波に飲み込まれていく。
何も、わからなくなっていく。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ」
思考が波に削り取られて、感覚だけが残っていく。
与えられる刺激にどんどん心は無防備になって、快感が、深く、深くなっていく。
昇っていく。
もうすぐでアタシ…。
「あっ、…はぁっ…あっ…あっ…んっ…」
シンジの動きが、遅くなる。
また、ゆっくりと深くアタシの中を往復する。
程よいというにはまだ強すぎる快感だけど、
快楽の階段を無理やり昇らされる苦しさから開放されて、
アタシの呼吸は少し落ち着く。
しばらく、シンジはそのペースを維持する。
「…ねぇ、んっ、あっ…シンジ、もっとぉ、んっ…」
でも、奥が疼いて仕方ないのよ。
もっと速く、もっと強く突いてよ。
もっと、アタシの中を掻き回してよ。
焦らされてるみたいで切ないのよ。
もどかしくて、苦しいのよ。
「…んっ…あっ…んっ………ああっ!…あ、ぁ、んっ…」
シンジの動きが一度完全に止まる。
繋がったままシンジはアタシに倒れ込み、
アタシの胸に吸い付いた。
意識が白く途切れた。
敏感になってるから、さっきまでより感じる。
アタシを抱きかかえるようにして、シンジはそのまま再度腰を動かしはじめる。
動きにくそうなのに、腰の動きはさっきより速い。
小さく意識を断たれながら、
また、昇っていく。
「あっ、あっ、あっ、あっ、んっ、んっ、やっ、だめっ、あっ」
シンジの動きが激しさを増していく。
漏れ出る声はどんどん高くなっていく。
シンジが、胸から唇を離して、アタシに抱きつく。
シンジとアタシの身体がピッタリと引っ付く。
その感触が心地良くて、もっとぎゅっと引っ付きたくて、脚まで絡めて、シンジに抱きついた。
密着してるから、シンジが腰を打ち付けると一緒にクリトリスがシンジの恥骨に当たる。
快感が増幅されて、意識の断絶が大きくなっていく。
シンジがアタシに口付けて、アタシの口の中を舐る。
でも、今シンジの舌に応えるほどの余裕はアタシには無い。
今度こそ、
今度こそもうすぐ…。
「あっ、あっ、あっ、あっあっあっあっあっ」
「…アスカッ…もうっ…」
シンジも、もうすぐなんだ…。
アタシも、もう…。
「あっあっあっあっあっあっあっああああああああ」
シンジの動きが更に速く激しくなる。
アタシの中が強く締まる。
奥まで強く掻き回されて、大きな快感の波がせり上がってくる。
「〜〜〜〜〜〜っ」
このまま、昇りきれる。
やっと、楽になれる。
「ああぁあぁぁぁっ!!!!!」
「くうっ!!」
視界が光で満たされたみたいに真っ白になった。
何もかもから解放されたみたいな楽な気持ち。
これがイクって事なんだ…。
アタシ、イッちゃった。
それも、シンジと一緒に。
嬉しい。
こんなに、気持ちいいんだ。
ううん、きっと相手がシンジだったから、こんなに気持ちよかったんだ。
「…はっ…はぁ…はぁ…」
「…はぁ…っ…はっ……」
お互い、息が上がってる。
身体に上手く力が入らない。
シンジもそうなのか、アタシにのしかかったままだ。
重たい。
けど、幸せって感じがする。

 

 

 

アスカからそれを引き抜いて、コンドームをはずす。
中にはたぷんと白い液体が溜まってる。
中の精液が漏れないようにティッシュで包んでゴミ箱に捨てた。
ティッシュでぬめった自分のそれを拭く。
アスカのあそこも濡れてるな。
拭いてあげるか。
「アスカ、ここ拭くね。」
「んっ!」
アスカがビクついた。
拭き取ったティッシュをまたゴミ箱に捨ててから、
アスカの隣に寝転んだ。
アスカが僕に抱きつく。
「アスカ、大丈夫だった?」
アスカは無言で肯いた後、
「すっごく、良かった…。」
僕に囁いた。
言われたほうが恥ずかしくなる。
「…よ、よかった、アスカを気持ちよくさせてあげられるか結構心配だったから、そう言ってくれると僕も嬉しいよ。」
手探りながら頑張ってみた甲斐があったな。
アスカを抱きしめ返した。
「ねぇ、シンジは気持ち良かった?」
「うん。すごく気持ち良かったよ、アスカ。」
疲れたけど、癖になりそうだ。
「嬉しい。」
アスカがぎゅっと強く抱きつく。
「…好き。」
「うん。僕も好き。」
「大好き。」
「大好きだ、アスカ。」
そう言ってキスをした。
何か、またしたくなってきた。
股の間のものが再び元気になっていく。
「…ねえ、もう一回してもいい?」
「…えっち。」
 

その後、僕達は二回してから、抱き合って眠った。

 

 

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エロシーン二回目。

前回が話の展開上必要な描写(一部除く)だったのに対して、今回は話の展開にあんまり関係無いエロシーンです。

別に読者へのサービスで書いたという訳じゃなく(いや、こんな稚拙な文で果たしてサービスになってるのかどうかわかりませんが…)

どうせエロを書かなきゃいけないんだから、いっその事もう一回書いて二人をそっち方面でも満足させてやろう、と思って書きました。

以後、この話の中でのエロ部分は基本的に話の展開上必要な部分のみを書いていくので、前回と今回以上に細かく描写を書くことは無いです。

書くの疲れますし。

故に、この後の二人の性生活については、シンジとアスカがお互いに満足し合うものである事は言っておきますが、

具体的にどんなのかは読者の皆様のご想像にお任せします。

 

後、アスカの傷が治っていた理由は、あくまでアスカがそう思っただけで、ホントにそんな理由で治ったのかはわかりません。

もしかしたら元の身体に戻ると自動的に治るのかもしれませんし…。

 

たう