国家公務員法改正案の本格審議が9日、衆院内閣委員会で始まった。「(野党との)修正協議に応じるつもりはまったくない」という鳩山由紀夫首相の6日の発言を自民党が「国会軽視だ」と攻撃、首相発言が事実上撤回に追い込まれる一幕があった。
首相は6日、記者団に「自信を持って国民に訴えている」と、修正協議に応じない姿勢を強調していた。9日の審議で自民党の中川秀直元幹事長は「立法府の役割を否定する発言だ」と批判。仙谷由人国家戦略相が「何がおかしいのか」と反論したため、審議はたびたび中断した。
結局、審議の合間に仙谷氏が首相に携帯電話で連絡をとり、「議会の審議権や修正権を否定するものではない」という首相の釈明を紹介。なおも「(発言の)撤回と言っていいか」とたたみかける中川氏に押され、仙谷氏は「そういう風にご理解ください」と折れてしまった。
仙谷氏は6日の首相の発言について「記者会見でもない」とも説明。毎晩の「ぶら下がり会見」が記者会見とは異なるかのような言い分に、中川氏から「公式の会見と変わらない」と反撃された。首相は9日夜、記者団に「ぶら下がりだから軽いと考えているわけではない」と釈明。「国会でよりよいものをつくるという判断になれば、修正されればいい」と述べた。