日本を代表する桜、ソメイヨシノの発祥の地と伝えられている東京・駒込で4日、満開の桜のもと、「桜祭り」が開かれ、大勢の人でにぎわいました。
東京・駒込付近は、かつて染井村と呼ばれ、江戸時代、ここに数多く住んでいた植木職人が異なる品種の桜を掛け合わせてソメイヨシノを生み出したと伝えられています。しかし、この言い伝えについて根拠となる文献は残っていませんでした。千葉大学の研究グループが、桜の遺伝子を解析することで、ほぼ特定しました。ソメイヨシノの親は、オオシマザクラとコマツオトメの流れをひく品種と分かりました。この2つの親の生息地から染井村の発祥である可能性が高くなったのです。千葉大学の中村准教授は「両者を組み合わせられるのは東京の上野公園、それに近い染井村。その辺でソメイヨシノ生まれたと考えられる。江戸城に全国の珍しい植物が集められていましたので、そういうものが新しい品種ができるベースにあった」と話しています。発祥の地とされた地元では4日、「桜祭り」が開かれました。会場の公園にはたくさんの屋台が並び、訪れた大勢の人たちは、満開の桜のもと花見を楽しんでいました。屋台で売られていた商品の中には、地元商店街が企画した桜のような香りを楽しめる日本酒などもありました。また、地元ではソメイヨシノ発祥の地をPRしようと苗木を全国に配る活動も始める予定で、商店街や町内会の人たちが花見客を苗木の畑に案内していました。「桜まつり」の主催者の片桐昌英さんは「ソメイヨシノは地元の誇りで、日本全国の人に発祥の地の桜を見に来てもらいたい」と話していました。