碧南市民病院で昨年6月、胃がんの手術を受けた県内の男性患者(当時76歳)が、術後の不適切な処置で死亡した医療過誤問題で、市は8日までに、慰謝料など2200万円を遺族へ払うことで、遺族側と合意した。13日開会の市議会臨時会に関連議案を提出し、可決されれば和解契約を結ぶ。
市の説明によると、男性は胃の一部切除とと胆のう摘出手術を受けた。男性は術後に39度前後の高熱が続き、腸閉塞(へいそく)を起こした。その後、腸閉塞は治癒したが再び高熱になった。男性は手術の合併症である腹腔(ふくくう)内膿瘍(のうよう)の可能性があったのに、医師は必要な検査をせずに見逃し、解熱剤中心の診療を継続。男性は敗血症性ショックから多臓器不全になり死亡した。【安間教雄】
毎日新聞 2010年4月9日 地方版