昨日、きょうと、初めての「ぎっくり腰」のため、仕事を休んで自宅で呻吟しています。なので、本来、ブログもお休みしようと思っていたのですが、鳩山首相の本日の国家公務員合同初任研修での訓示メモを読んで、これはもう紹介しないではいられないという気持ちになりました。ええもう、それは心の底から情念がわき上がってくるようでした。
もちろん、大変素晴らしいから、ではありません。ただただ、鳩山氏という人が、どこまで己自身を知らないのだろうかと、言葉もなくす思いで途方に暮れたからであります。この訓辞を聞いた新人公務員たちはどう感じたことか。◯×の金字塔だと何人が思っただろうことか。
《鳩山氏 (前略)政権が変わって、なにか官僚バッシングのような思いを、皆様が感じているかもしれません。それは、全く違います。官僚の皆様が今日まで、国家のために国民のために一生懸命頑張っていた、そのことを私たちは感謝をしております。でも、本来ならばもっと政治がこの国の、そして国民の皆さんの先頭に立ってビジョンを示さなければならなかった、それが見えていない。その中で必死でそれぞれの国家公務員の皆さんが頑張っても、ある意味で船団がありながら、その指揮者が、指揮官がいなければ船団が何をしていいかわからない、そんな状態の日本に留まってしまってはいけないと私はそのように考えています。
私には、私が最も尊敬しています親父(威一郎元大蔵事務次官)がおりました。93年、細川内閣のある意味政権交代が果たされた、その直後に亡くなりました。その親父は晩年は、三期参議院議員を勤めましたけれども、参議院議員を勤めたよりも大蔵省の役人であった、そのことに対して誇りを感じていたと思う。その思い、是非皆さんもわかっていただきたい。外務大臣をさせてもらった経験よりも、大蔵省の役人として勤めていた彼の半生の方を彼自身は選んだ。
なぜか?エピソードがございます。私には尊敬すべき仲のいい弟が一人います。その弟は今新たな道を探しているようでありますが、政治家になる時に親父に叱られました。親父に「お父さん、政治家になりたい」とそういったと時に反対されました。「なぜ、反対するんですか?」。弟は親父に尋ねました。「それは、政治家なんていうものは、物乞いする、まるで情けないバカ者だ。お前もそんなバカ者になる、なってはあかん」。そのように親父は答えました。
その親父は弟にさらに問い詰められました。「ならば、親父。あなたの親父、すなわち鳩山一郎(元首相)でありますが、総理大臣までやった男だ。政治家がバカ者だと言うなら、そのトップの総理大臣は大バカ者か?」とそう弟は尋ねました。親父が答えた「そんなことまで知らなかったのか」。それが弟に対する言葉でありました。
政治家がバカ者であり、そのトップの総理大臣が大バカ者である、そんな国がもつわけありません。そんな国が世界的にも、認められるはずもありませんし、国内的な様々な難しい課題を乗り越えられるはずもありません。本来政治というものは、バカ者がやってはいけない。しかし大蔵省の役人としての親父は、常に自分の選挙区に「橋をつくってほしい」「道路をつくってほしい」、そんなおねだりばっかりしてくる政治家に対して快く思っていなかった。だからこそバカ者だ、この国をおかしくするのが政治家なんだ、そのように思っていたようであります》
…お父上のいう「バカ者」に一番ぴったりなのはどこの誰なのか。私が何でこの訓辞を引用したか、訪問者の方々には手にとるように分かっていただけると思います。鳩山氏に対しては、メディアや国民から、さまざまな批判追究、問題点や足らざる点への指摘や叱責が寄せられていますね。なのに本人は、何一つ、自分が何と言われているのか分かっていないと。また、現在の自分のあり方に対する真摯な反省もなければ自己評価もできていないと。そういう理解でいいのでしょうか?
鳩山氏は今月3日、滋賀県草津市での環境団体との意見交換会では次のように述べています。やはり自分の立場がまったく分かっていないのか、あるいはウケ狙いだったとしてもとんでもなく軽い不謹慎な言いようで、どちらにしろ、ろくなものではありません。一国の指導者、わが国の行政のトップがこれだというのは、ほとんど生理的な嫌悪感すらもよおしそうです。
「政府の一人として、あ、総理だった。総理大臣という立場を使わせていただきながら、できる限り役に立たせていただきたいと思っております。ぜひ、みなさま方にご協力をいただきながら、もっともっと環境にやさしいという言い方が良いかどうか分かりませんが、この地球を愛する人間の一人一人として、あるいは生きとし生けるものとして役に立てるような世の中にしていければ、そのような思いでございます。改めて、鳩山と申します。よろしくお願い致します」
もはやこの性格・気質は矯正不可能なのだろうと思います。ずっと以前のエントリで、この人の存在は日本に深刻なモラルハザードを招くのではないかと書きましたが、日本人すべてのやる気も前向きな気分も社会秩序も法規範も壊すような、もっと根源的な破壊力をお持ちのようです。この時代に、そして日本に生きていることを恥じたくなるようなこの、この…。
by abusan
対北制裁延長反対・また自治労…