統一問題セミナー:「非核平和国家の実現を」

第3セッション:統一後のビジョンと戦略

 「統一と統一後:東北アジア時代の韓半島」をテーマに8日に開かれたセミナー(朝鮮日報社など主催)の第3セッションでは、外交安保研究院の尹徳敏(ユン・ドクミン)教授が「統一韓国はドイツ、フランス、英国のような主要8カ国(G8)規模の国家として、重要な役割を果たす潜在性を持っている」と指摘した。

 尹教授は「北朝鮮が核兵器を保有したまま、韓半島(朝鮮半島)が統一するのは現実的に不可能だ」と述べた。韓半島の地政学的価値、非核化を求める普遍的価値などを考えると、統一韓国が歩むべき道は、「非核平和国家」以外にはないという主張だ。尹教授は「統一韓国の繁栄は、世界市場への自由なアプローチなくしては不可能だ。そのため、統一韓国は秩序の変化より安定を求める国家になるだろう」との見方を示した。

 国民大のアンドレイ・ランコフ教授は、統一韓国の望ましい初期形態として、「臨時連邦制」を提言した。ランコフ教授は「一定期間相互訪問を認める形で、経済、社会、文化問題を時間をかけながら適切に管理し、(統一に伴う)社会的コストを減らす必要がある」と主張した。

 ワン・ドン北京大教授は、統一韓国は世界のバランスという側面から、二つの「戦略的三角形」の中に置かれると指摘した。それは「韓国・中国・米国」という太平洋圏の三角形と、「韓国・中国・日本」という北東アジアの三角形だ。ワン教授は「韓国は太平洋圏の三角形で米国との同盟を維持するが、その形態と役割は見直される可能性が高い。統一韓国は米中のバランサー、調停者の役割を担うことができる」と分析した。

 出席者らは、統一韓国の潜在性にも注目した。対外経済政策研究院の宋泳官(ソン・ヨングァン)研究委員は、「北朝鮮の豊富な人的資源と韓国の技術、資本が相乗効果を生み、統一韓半島の国内総生産(GDP)は30-40年後にフランス、ドイツに追い付く」と予想した。宋委員はまた、「韓半島の天然資源は約4兆ドル(約370兆円)という莫大(ばくだい)な価値を持っており、そうした要素に基づき、統一韓国がG8国家の大半を上回るという希望的な期待が可能だ」と付け加えた。

 韓国開発研究院(KDI)の高日東(コ・イルドン)北朝鮮経済研究室長も、「最も生産性が高い年齡で構成された100万人の北朝鮮軍、歳入の30%を超える北朝鮮の軍事費などが経済活動に投入されれば、成長の起爆剤となる潜在性がある」との認識を示した。

姜仁仙(カン・インソン)記者

アン・ヨンヒョン記者

イム・ミンヒョク記者

崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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