経営難企業の株式、「ナンピン買い」失敗例が急増

 最近の韓国株式市場では、株価下落時に株式を買い増すことで平均取得単価を下げ、株価反発時の利益を狙う「ナンピン買い」に失敗する投資家が相次いでいる。

 ある会社員は昨年9月、約1億ウォン(約830万円)を借り入れ、大宇自動車販売の株式を購入。さらに、同社がワークアウト(企業再建作業、銀行主導による経営再建)の対象になるとのうわさで株価が急落したところを狙い、7000万ウォン(約580万円)のナンピン買いを入れた。会社員は同社がワークアウトを強く否定していたため、株価は反発するとみていた。しかし、大宇自販は結局、8日にワークアウトを申請し、当初1万6000ウォン(約1330円)ほどだった株価が3000ウォン(約250円)にまで暴落した。その結果、会社員は1億ウォン以上の損失を出してしまった。

 こうした例は後を絶たない。最近は錦湖タイヤに続き、盛源建設、南陽建設、大宇自販が相次いでワークアウトを申請し、株価が暴落した。一般にワークアウト説が流れると、資金調達が困難となり、企業の経営はさらに悪化する。ワークアウトは企業への「死亡宣告」に等しいからだ。そして、株価はストップ安を続け、投資家が損失を受けることになる。こうした企業は当初、証券取引所の照会に対し、ワークアウトのうわさを否定しておきながら、後日ワークアウト申請を行うケースも多く、被害を拡大させている。

 投資専門家は、個人投資家が株式投資を行う際、財務諸表でインタレスト・カバレッジ・レシオ、借入金比率など債務償還能力を示す指標やキャッシュフローなどを調べ、財務上の健全性を判断した上で投資を行えば、損失発生を防ぐことができるとアドバイスしている。インタレスト・カバレッジ・レシオは数値が1を下回ると、収益で借入金の金利を賄えない状況を意味する。また、財務健全性を欠く企業にナンピン買いを入れ、ハイリターンを狙う投資は控えるべきだ。

ユ・ユンジョン朝鮮経済i記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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