【コラム】大学既卒者と新卒者の就職差別をなくそう(下)

 ある就職紹介会社が、今年2月卒業予定だった大学生408人を対象に今年1月に実施した調査では、卒業を延期する最も大きな理由(複数回答有り)は「既卒者ではなく、新卒者として就職するため」(62.3%)だった。「新卒者が既卒者よりも就職活動で有利だと思うか」という質問には、65.7%が「そう思う」と答えた。

 学生たちが、何としてでも卒業を延期しようとさまざまな手段を講じる姿は涙ぐましいほどだ。「卒業延期申請をした」(26.3%)という一般的な方法はもちろんのこと、「必修科目の単位を撤回・削除した」(16.7%)、「卒業論文を提出しなかった、あるいは卒業試験を受けなかった」(13.2%)、「履修単位を満たさないようわざと授業を少なく履修した」「TOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)の成績表などを出さなかった」(それぞれ14.9%)などの手段も用いた。「教授にF(不合格)を出してほしいと頼んだ」(7.0%)という学生もいた。

 08年後半、4年制大学卒業生を新入社員として採用した韓国国内の大企業202社を対象に行った別の調査では、大学を卒業後1年以上過ぎた就職浪人生に対しては、減点があると答えた企業が45.0%、就職浪人生を採用するのはためらわれると答えた企業は63.3%という結果だった。反面、22社の外国系企業のうち、減点がある、あるいは採用をためらうと答えた企業は一つもなかった。こうしてみると、実際、既卒者と新卒者間の採用差別禁止運動を行わなくてはいけないのは韓国だ。全国経済人連合会のような組織が立ち上がるべきではないだろうか。

金琅基(キム・ナンギ)論説委員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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