サプライズ業績を喜べないサムスン電子(上)
(理由1)半導体の技術格差縮小
追い上げるハイニックス、営業利益率は逆転
(理由2)新規事業開拓の限界
余裕資金の投資先なし、携帯電話はiPhone登場で劣勢
サムスン電子が再び過去最高益を更新した。今回は過去2年間不振が続いていた半導体部門が業績をけん引した。テレビ、パソコン部門も半導体に劣らぬ好業績を記録した。同社の1-3月期の営業利益約4兆3000億ウォン(約3600億円)は、店頭市場コスダックに上場する12月決算企業859社の通年の合計利益(4兆1623億ウォン)を上回る額だ。
外国メディアもサムスンの好業績を大きく取り上げた。英フィナンシャル・タイムズは「サムスン、通年でも過去最高益を目指す」との見出しで報じた。
■年内は好業績持続か
サムスン電子の好業績は年内を通して続く見通しだ。市場調査会社ICインサイツは、今年の世界の半導体市場規模が昨年を27%上回る2530億ドル(約23兆7000億円)に達すると予測している。特にサムスン電子が強みとするDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)市場の成長率は74%に達する見通しだ。このため、市場関係者はサムスン電子が今年、半導体部門だけで8兆ウォン(約6700億円)を超える営業利益を上げると予測している。これは、昨年の半導体部門の営業利益(2兆4200億ウォン)の3.4倍に達する業績だ。この結果、同社全体の営業利益は通年で16兆ウォン(約1兆3400億円)に達するとの見通しも示されている。
だがその一方で、サムスン電子の将来を懸念する見方もある。10年後を見据えた新規事業のビジョンが見えないからだ。このため、四半期ベースで1-3月期に過去最高益を記録した同社は、ぜいたくな悩みを抱えている。同社の手持ち現金は2000年には5219億ウォン(約440億円)だったが、昨年は10兆8359億ウォン(約9050億円)にまで膨らんだ。潤沢な資金を持ちつつも、投資先を見つけられずにいることを示す数字だ。
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