横浜−中日 4回表無死、空振り三振に終わったセサル。捕手橋本=横浜スタジアムで(由木直子撮影)
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中日の連勝は6で止まり、巨人と同率首位となった。8日の横浜戦(横浜)、打線が、わずか3安打と沈黙、1−2で敗れたが落合博満監督(56)の顔にショックの色はなし。9日からは東京ドームに乗り込んで、巨人との直接対決3連戦。昨年は8勝16敗と完敗した宿敵をたたいて再び、波に乗る。
4月になって初めて負けた。連勝は「6」でストップ。8日ぶりとなった敗戦。単独首位から巨人と同率首位となった。それでも落合監督はいつもと変わらない。落ち着き払って言った。
微笑が浮かんだ。連勝が止まるときとは、こういうもの。勝負の世界で生き抜いてきた指揮官は、現実を定めのように受け止めた。
注文を付けるなら、一点のみ。「余分な点だな。ピッチャーに打たれたのは」。先発・バルデスが投手・寺原にタイムリーを打たれた。失った2点目。そこだけだ。
スコアボードを見れば1点差。数字では悔しい敗戦に映る。だが、現場には悲観も落胆もない。攻略できなかった寺原について、森野はひと言。「良かったです」。カモにしてきた右腕とは“別人”だった。スキはほとんどなかった。
打つべき手は打った。それぞれが仕事をした。それで、負けた。よく競り合いに持ち込んだくらい。だから森野もサバサバ。「しょうがないでしょ。こういう日もありますよ」。選手たちはさっさと移動のバスに乗り込み、横浜を後にした。
ある意味、タイミングのいい小休止となった。注目の勝負は9日から始まる。東京ドームで巨人との初対決3連戦だ。
落合監督は開幕前日に「どこの特定の球団を、ということは考えない。そんなことをやったら足をすくわれる」と、語っている。巨人だけが相手ではない。特別体制は敷かない。ただ、宿命のライバルには万全の体制でぶつかる。吉見、チェンの2枚看板、初勝利で勢いに乗る伊藤の3人を先発に予想されるのだ。
先発陣だけではない。現有戦力に落合監督は自信を持つ。このところ、他球団がポツポツとトレードをしたり、外国人選手を獲得している。そんな戦力地図の変化を「気にならない」と、断言するのだ。
「72人(支配下選手67人、育成選手5人)いる。その中で取っ換え引っ換えしてやっていけばいいんだ。今とってきたって、どこに使うところがある? ないだろ」
「あの戦力のなかった2004年でも優勝したんだぞ。それに比べれば戦力は数段上がってるんだ。打つ、投げる、ってのは選手それぞれの責任。勝った、負けたの責任はこっちが取る」
開幕から4球団と戦い、指揮官の手応えは十分ある。ズッシリと両手に握り応えのある戦力たち。一丸にまとめ、覇者・巨人にぶつかる。 (生駒泰大)
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