韓元首相、9億ウォン受領の疑い浮上

建設会社社長ら、「4回にわたり、大統領選の選挙資金を渡した」と供述

 韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相(66)が、2007年に退任した後、大統合民主新党(現・民主党)の大統領選候補予備選に出馬した際、建設会社から9億ウォン(現在のレートで約7500万円、以下同じ)相当の違法な政治献金を受け取っていたという容疑が浮上し、検察が捜査に着手したことが、8日明らかになった。

 ソウル中央地検特捜1部(キム・ギドン部長)は、京畿道高陽市にある建設会社「ハンシン・コンヨン」のH社長(49)=収監中=から、「韓元首相が退任した後の07年3月以降、大統領選候補予備選の選挙資金として、9億ウォンを渡した」という供述を得たという。

 H社長と会社の関係者らは、韓元首相に対し、計4回にわたって金を渡した、と供述した。まず現金3億ウォン(約2500万円)を渡した後、韓国ウォンと約10万米ドル(約930万円)を合わせて再び3億ウォン相当の金を渡し、3回目には現金2億ウォン(約1700万円)を、4回目にはまた10万ドルを渡したとのことだ。

 H社長らは「08年3月に会社が不渡りを出し、H社長が債権者たちに追い立てられたため、韓元首相側から2億ウォンを返してもらった」と供述した。H社長は08年5月、商業ビルを違法な手段で分譲したとして逮捕・起訴され、実刑判決が確定し、現在収監中だ。

 検察は8日、補充捜査の一環として、高陽市のハンシン・コンヨン社の事務所や、子会社のK社の事務所などに対し、家宅捜索を行った。

 これに対し、民主党の禹相虎(ウ・サンホ)スポークスマンは声明文を発表し、「検察が理性を失っている。でっち上げの捜査によって、ソウル市長選挙に影響を与えようという意図があるとしか考えられない」と主張した。

李明振(イ・ミョンジン)記者

柳井(リュ・ジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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