哨戒艦沈没:事故発生時刻が何度も変わったワケ(上)

民・軍合同調査チームが発表

 哨戒艦「天安」沈没事件が発生した先月26日夜9時22分、乗組員104人のうち29人が当直で、残りは休息あるいは就寝中だった。これは、民・軍(民間と軍)合同調査チームによる調査の結果、明らかなった。つまり、天安は事故直前まで非常態勢ではなく、通常の勤務状態にあったということだ。

天安は航路を離脱していなかった

 天安は西海(黄海)ペンニョン島南西2.5キロの海上から北西に向けて、6.3ノット(時速11.7キロ)で航行していた。調査チームの関係者は、「昨年11月の第2艦隊司令部指針に従い、天安の警備海域は(この海域に含まれる)ペンニョン島南西地域に変わった」と語った。これまで「北朝鮮の潜水艦対策などを行う特殊任務を遂行していた」とか、「西海の波が高かったため、一時寄港しようとしたのではないか」という指摘もあったが、軍当局は「天安は本来の警備海域内の航路にいた」と明言したわけだ。

事故発生時刻、午後9時22分であることを改めて確認

 この日の発表は、事故発生時刻が夜9時22分というこれまでの発表を裏付ける複数の根拠を提示した。▲韓国型海軍戦術指揮統制システム(KNTDS)の画面に現れた天安の位置表示信号が夜9時21分57秒に消えた▲ペンニョン島地震波観測所と気象台観測所が夜9時21分58秒と9時22分に地震波を感知した-などの事実だ。

 乗組員らが爆発の直前まで携帯電話で通話をしていた事実も公開された。ホ・スンヘン上士(曹長に相当)は夜9時14分11秒から18分52秒まで、夫人や娘と通話を行った記録があり、行方不明者のA上兵は夜9時12分3秒から21分47秒まで、5回にわたり弟と電話でやり取りをしていた。ホ上士は「妻が妊娠しているため、そのことについて話をし、娘には“お母さんが大変だからお手伝いするように”と話した」と語った。

 しかし、作戦官のパク・ヨンス大尉は「当直勤務の際、コンピューター画面に表示された時間を見ると、夜9時24分だった。その時間が正確かどうかは分からない」と述べた。

 軍当局が発表した事故発生時刻は「9時45分」「9時30分」「9時25分」と何度も変わった。これは、報告時間と事故発生時間を混同したのが原因だという。軍関係者は「第2艦隊司令部が海軍作戦司令部に報告を行った際、発生時刻は報告内容に含まれておらず、連絡を受けた時間(夜9時30分)だけを報告した。合同参謀本部も、第2艦隊司令部からホットラインで状況報告を受け、夜9時45分を事故発生時刻と混同して報告した」と述べた。

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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