哨戒艦沈没:「北の潜水艦、すべての動きは確認できない」

金国防長官、「天安」関連の対政府質問答弁

 金泰栄(キム・テヨン)国防長官は8日、「北朝鮮に潜水艦は70隻ある。われわれは常に確認し、大半は追跡できるが、気象条件などによって、動きをすべて確認することはできない」と述べた。同長官は2012年に予定されている戦時作戦統制権(統制権)移管の問題点を指摘したハンナラ党の金玉伊(キム・オクイ)議員の質問については、「李明博(イ・ミョンバク)大統領もそれを知っており、さまざまな面から検討している。軍だけでなく、国家的に検討を行っている」と答えた。

李大統領「鳥の群れへの射撃は行き過ぎではないか」

 金長官は哨戒艦「天安」の沈没事故当時、鳥の群れに対する誤認射撃について、「李大統領が“行き過ぎた措置ではないか”と心配していた。艦砲射撃は、野戦交戦規則により第2艦隊司令官に権限が与えられているため、大統領には事後報告される」と答えた。

 「天安」の沈没原因については、「答えが幾つかに絞られている傾向があるが、それで結論を出してはならない。船尾が引き揚げられたら詳しく調査するので、待っていてほしい」と答えたものの、魚雷など外部爆発の関連性を具体的に尋ねる質問に対しては比較的詳しく答えた。

「水中爆発なら火薬のにおいはしない」

 金長官は同日、ハンナラ党の金東聖(キム・ドンソン)議員が「前日、『天安』事故の生存者による記者会見で“火薬のにおいはしなかった”という証言が出たが、魚雷が命中すれば必ず火薬のにおいがするのではないか」と質問すると、「魚雷も、直接攻撃魚雷とバブルジェット魚雷の2種類ある。バブルジェットは船の下で圧力によって爆発するため、火薬のにおいがしないこともある」と答えた。

 金長官は魚雷が爆発した時に発生する水柱などは見なかったという生存者の証言については、「(ペンニョン島)の見張り台にいた兵士が水柱のようなものを見たと話す一方、(『天安』の)見張り兵は見られなかったと話し、証言が食い違っている」と答えた。しかし、金議員が「見張り兵は前方を見ているのが原則ではないか。爆発は見張り兵の後ろで起こったため見られなかった可能性があるのではないか」と指摘すると、「そうした可能性もあるが、(見張り兵を基準として)わずか40メートル後ろで爆発したのだから、見張り兵は知らないはずがない」と答えた。

ステルス魚雷開発の可能性も

 金長官は同日、「北朝鮮がソナー(音波探知機)で探知ができないステルス魚雷を開発したのではないか」という質問に対し、「可能性があると思う」と答えた。一部で提起された「カプセル機雷」の可能性については、現在のところ北朝鮮でこれを開発したという確証はないと答弁した。

 キム・長官は「3人1組で運営される北朝鮮海上狙撃部隊の水中攻撃の装備(SDV)が、『天安』を攻撃した可能性がある」との自由先進党の朴宣映(パク・ソンヨン)議員の質問に対しては、「可能性がないわけではないが、SDVの速度が遅く、潮流を考慮した場合、可能性は低い」と答えた。

金鳳基(キム・ボンギ)記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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