哨戒艦沈没:情報の解釈めぐり混乱(上)
北朝鮮にも機密情報を与えるのか
隠そうとしてもすべて明らかに
国家の脳や血管といわれる情報機能に黄信号がともった。哨戒艦「天安」の沈没事故調査過程で、機密情報が次々と公開され、同じ情報に対する政府と軍の解釈や判断に違いが生じている。国会議員は情報入手の特権を持つため、これを乱用して混乱を招いている。北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の訪中を軽々しく予想した大統領府(青瓦台)は面目丸つぶれだ。
■能力を誇示して恥をかいた大統領府
先月31日、大統領府の金恩慧(キム・ウンヘ)報道官は公式のブリーフィングで、金総書記訪中の可能性に言及した。金報道官は「可能性は高いと思われるため、注意深く見守っている」と述べ、別の大統領府幹部も同じ見解を示した。マスコミは大統領府報道官の実名でこれらを報じた。
米国など先進国では、記者が情報関連の質問を行った際、政府関係者は必ず、「それは情報関連の事項だ。答えることはできない」と決められた回答を行う。ところが韓国では、政府当局者が直接顔を出し、情報関連の言及を行ったことになる。8日の時点で金総書記は訪中していないため、大統領府は面目丸つぶれだ。それにもかかわらず、元世勲(ウォン・セフン)国家情報院長は6日、国会で「金総書記が25日に訪中する可能性がある」と発言した。大統領府に続き国情院も、誰も求めていない情報収集能力の開示を行ったのだ。
■相手が知った瞬間に情報ではなくなる
金鶴松(キム・ハクソン)国会国防委員長は5日、北朝鮮の潜水艦2隻の動きを1日ごとに、しかも回数まで公開し、北朝鮮の潜水艦と基地との交信内容や位置にまで言及した。韓国が北朝鮮の通信を傍受していることを明らかにしたわけだ。朝鮮人民軍の動向に関する情報は、韓米両国で共有されており、金委員長も前日に軍から説明を受けていた。それを受けて金委員長は、情報の内容から「潜水艦が動いた」「動かなかった」と推測するという程度ではなく、情報の内容そのものを詳しく公開してしまったのだ。これには軍関係者も驚きを隠せず、「こんなことをすると、北朝鮮は対策を立て、韓国と情報を共有する米国は不信感を持つようになる」と指摘した。
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